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【やってみた】塩水に漬けるだけで安い肉が高級肉並みにぷりぷりジューシーに【マジだった】

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肉が食べたい。

それも、柔らかくて、安い肉を。全人類共通と言っても過言ではないこの願いをかなえてくれる、思いがけない裏技を耳にしました。

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それが、「塩水漬け」。その名の通り、塩水に肉を漬けるだけという、ごく簡単な方法です。

肉を柔らかくするといえば、塩麹も一時ブームになりましたが、冷蔵しなければならなかったり、拭き取ったり洗ったりする手間がかかってちょっと面倒。

しかし塩水なら、洗い落とす手間は不要です。しかも塩+水なんて、タダ同然じゃないですか! これは、ズボラな人にピッタリの方法なのでは?

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と鼻息も粗く、科学する料理研究家・さわけんさんに、なぜ塩水に漬けるだけで肉が柔らかくなるのかをお聞きしました。

さわけんさんは『10文字の魔法でプロの味 さわけんごはん』(主婦の友社)のほか『目からウロコの料理科学 激ウマ! から揚げレシピ』(玄光社)などの著書を持ち、おいしい料理のコツを科学的に解明するプロの料理研究家です。

そんなさわけんさんに、まずは肉の硬さ左右する原因をお聞きしてみます。そもそも、肉ってなぜ硬くなってしまうんでしょうか?

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さわけんさん肉の硬さには、温度変化が関係しています。肉の状態は温度とともに変化し、肉の種類によって違うのですが、牛肉の場合40度過ぎからタンパク質が変化し始め、生の弾力が失われて歯切れが良くなります。中心温度50度くらいのミディアムレアーがちょうどこの辺りの温度です。この時はまだ水分が十分に残っているのでパサつきがなくジューシーです。

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さわけんさん55度くらいになると、さっきとは別のタンパク質が変化して、水分が出始めます。60度を超えると筋が縮みはじめて硬くなります。水分は温度が上がるとともにどんどん出てパサつきます。60度を超えると硬くなってしまい、その先は筋のコラーゲンがゼラチンに分解されるまで煮込む以外に、おいしく食べることはできません。これが牛肉の基本的な性質です。

このように、タンパク質の変化によって肉が硬くなるのに加え、加熱時に水分が逃げてしまうのが、肉が硬くなるもうひとつの原因だそう。そして、塩水に漬ける意味は、ここにあったのです!

塩によって水分の流出を防ぐ=柔らか肉に

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さわけんさん肉が硬く感じる=水分が出て筋が縮むということ。塩水に漬けることによって肉の細胞組織が締まるので、肉を加熱して55度を超え、水分が外に出てきそうになった時に、細胞間の隙間が細くなっているぶん、水分が逃げづらくなります。そのため、肉がパサつきづらくなるという効果が期待できるんです。

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理屈を聞くと、より効果がアップする気がしてきます!

岩塩や藻塩などいろいろな塩がありますが、どんな塩でも中身はほぼ塩化ナトリウムなので、なんでもOKだそう。また、塩水ではなく、単に塩を振ってもみ込むだけでも同様の効果があるそうです。

塩分濃度は重量の1~1.2%あたり。塩を振ってもみ込むなら肉100gに1gの塩が適正とのこと。

というわけで、さっそくやってみます!

結論から申しますと、自分のせいで数々の失敗を繰り返したのですが、最後にはプリプリのジューシー肉が完成しましたので、前半は失敗レポートが続きますが、乞うご期待!

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意気込んで、大量の肉を買い込みました。牛肉の赤身ブロックや、

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豚バラのブロックを角煮サイズにカットしたもの、

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鶏むね肉、などなど。

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肉のほかに用意するのは、何の変哲もないアノ塩と

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水道水。これだけです。

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まず、食塩水を作るため、ボウルに1Lの水を入れます。

容器の重さを引いて、1kgあればOK。

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10gの塩を入れてまぜまぜ。

これで塩分濃度1%の食塩水ができます。なめてみると、思ったよりしょっぱくありません。お吸い物くらいの塩分量という感じ。

ここに、いろいろな肉を投入してみます。

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まずは牛肉のブロック

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次に豚バラブロック、

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そして鶏肉。

ラップをかけて冷蔵庫に入れ、2時間待ったものが……

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こちらです! 牛肉のブロックはこんな色になりました。ゆで始めのように色が白っぽくなっていて、水がロゼワインのように赤くなっています。成分がかなり流出していそうですが、大丈夫なのでしょうか……。

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左が塩水に漬けたもの、右がなにもせずラップに包み冷蔵庫に入れておいた肉です。

だいぶ色が違います。

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ところが切ってみると、中の赤みは意外と残っていました。

味の流出は思ったほどひどくはなさそう。

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焼いてみます。

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裏返しました。

若干、塩水に漬けておいた左側の肉のほうが、縮みが少ないように見えます。

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こちらが塩水に漬けた肉、

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そしてこちらが、特になにもしなかったほうの肉です。食べるとそんなに違いを感じません。なんとなく柔らかいような気がする、という程度です。

味の濃さも大差なく、流れ出た肉汁を塩分が補ってくれたのかもしれません。しかし、食感の向上は感じられず……。

おまけにやってみた薄切り肉も、残念な結果に。

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コレは牛肉なんですが、まるで豚肉のように色が抜けてしまいました。さわけん先生、もしかして薄切り肉には、この裏技は不向きなのでしょうか?

さわけんさん薄切り肉では効果がわかりづらいですよ。なぜなら薄切り肉はすぐに温度が60度に達するからです。フライパン調理だとフライパンの表面が200度くらいになりますので、60度オーバーなんてすぐです。

成分が逃げてしまうだけでなく、塩による保水効果があまり意味をなさないということなのですね。やはりこの方法は、薄切り肉にはあまり向いていないようです。

その後いろいろな肉で実験するも、気のせいレベルの結果が続きます(涙)。

塩分濃度の差で結果は全然違う!

落胆しながらさわけんさんの指導メモをよく見ると「塩を振ってもみ込むなら肉100gに1gの塩が適正です」とのコメントが。

肉の重量に対して1%の塩が必要だったのに、水の重さ1%の塩でよいと勘違いしていたため、塩の量が少なすぎたのでした……。完全に自分のミスでした。

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というわけで、水1kgに対し5%の塩、つまり50gの塩を入れて再トライしました。

塩分濃度5%ともなるとかなり塩気が強く、なめるとだいたい海の水くらいのしょっぱさです。肉も豚肉に変えて再挑戦します。

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さきほどと同様に、ボウルに入れてラップをかけ、冷蔵庫で2時間漬けおきします。

1%→5%の塩分量の差が、明らかな効果の違いとなって現れた

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こちらが、なにもせずに焼いた肉のほう。若干こんがりするまで焼きました。かみ切れないことはありませんが、ややゴムっぽくパサつきがみられます。

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そして、塩水漬けのほうは……明らかにジューシーで柔らかな仕上がりになりました!

箸で切れるほど柔らかいというのとは違って、肉を食べている充実感もしっかり残った食感です。

漬けた肉をそのまま焼いたところ、なにも付けなくても食べられるくらいの塩味でした。一般的なハムか、それより若干薄めの塩味です。ここにさらにソースなどを添えると、かなりしょっぱめになりそうですが食感は文句ナシの仕上がり!

他の裏ワザと比べたらどうなる?

こうして、確かに塩の効果を実感することができました!

ですが、たまたまうまくいっただけなのでは?

という思いも拭えず、肉が柔らかくなると話題の他の方法とも比べてみることにしました。

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使用したのは、アメリカ産豚肉肩ロース。とんかつやポークソテーなどに使える、1cmほどの厚さのものです。100gで104円という、ごく庶民的な価格です。

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こちらが、肉を柔らかくするウワサのアイテムの数々。

左上=炭酸水 右上=コーラ

左下=重曹入り食塩水 右下=5%の食塩水 という順番です。

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左上の炭酸水は、さわやかな飲料を肉で汚すような気持ちになり、肉を投入するのがためらわれました。

右上のコーラ、漬けたら明らかに甘くなる予感がしますが、どうなのでしょう。

左下の重曹水はアルカリ性のため、酸性である肉の繊維を分解するのだそう。水400ccに対し、重曹小さじ1、塩小さじ1を加えています。なんとなく、塩だけを入れた水より、効果が高そうな予感が。

右下は、我らが5%の食塩水です。

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2時間経ったものがこちら。若干、肉の色に変化が生じています。

取り出して水を軽く切り、焼いてみます。

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火はこのくらいで焼いてみました。中弱火くらいです。

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ついでに、ただの水道水に漬けたものと、比較用になにもせず冷蔵庫に入れておいた肉も焼いてみます。

おごそかに取り出し、一つずつかみ締めて確かめた結果……。

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<炭酸水>

食感はほとんど変化なし。肉の色が抜けて若干白っぽくなっています。そして、爽やかな炭酸水に生肉を投入することによる罪悪感や心理的ダメージがやっぱりいなめません。そもそも、炭酸水を1本買う値段でワンランク上の肉が買えるのでは? などと悩ましい方法の割に、食感はほぼ変わらず。

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<コーラ>

単にコーラの色が移っただけかもしれませんが、肉のピンク色がキレイに保たれていたのが好印象。

そして、明らかに柔らかいのです!

単にかみ切りやすくなっただけでなく、プリッと感も残っている。

デメリットとしては、想像通りですが、やはり甘さが気になりました。思ったほど激甘ではなく、ほんのりとした甘さではありましたが、とんかつに使うのはかなり厳しい味です。

ただ、甘辛く煮込む料理など、調理法によってはおおいにアリ。むしろこっちが好みという人がいてもおかしくありません。

注意点は、液がついたまま焼くと焦げるということ。この点からも、煮込み向きだといえます。

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<重曹食塩水>

確かに柔らかくなっている!

でも、なんとなく食感が頼りないというか、肉にかぶりついたときのプリッと感は失われてしまっています。チキンナゲットのような感じとでも言えばよいでしょうか。

食べ応えよりも、とにかくかみ切りやすい柔らかさを求めるなら塩水よりも効果は高いよう。

重曹はとても安く50g100円以下で購入でき、常温で保管できるものなので、やってソンはない方法だと思います。

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<5%食塩水>

色がキレイに保たれています。柔らかいんですがふにゃっと頼りない食感ではなく、肉らしいガッツリとしたかみ応えもしっかり残っています。肉にかぶりつく喜びが味わえる食感です。

やはり塩味はちょっときつめですが、余計な甘味が加わらず特別焦げやすいわけでもなく、汎用性も考えると、この方法がベスト!

というわけで、手軽さ、食感、汎用性においてやっぱり食塩水が最高という結論でした。

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焼きだけでなく、煮込みや

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揚げものでも確認してみましたが、やはり評価は同じでした。

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揚げると、どの方法でもパサつきはあまり気にならなくなります。

やはりコーラ肉はとんかつにはするにはちょっと甘過ぎ。

そして、5%食塩水のとんかつは、塩味が強すぎてソースをかけるとしょっぱくなりすぎてしまいます。

そこで、

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さまざまな肉で

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手を変え品を変え……

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塩分濃度のベストバランスを

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試行錯誤したところ、

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あくまでも「個人的な感想」ですが、

3%がベスト!

という結論になりました! これなら、とんかつも適度な下味が加わって、ソースをかけてもおいしく食べられます。

5%食塩水のときのような柔らかさやプリッとした食感と、料理の種類を問わない下味の付き具合、両方を兼ね備える濃度が3%だったのです。

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肉の種類や厚み、漬け時間、温度などの環境によって前後するので、3%を目安に増減すれば、煮物、ソテー、揚げ物と幅広く活用できます。

塩は平気で2kg 100円くらいで売っていますから、30gの塩+水道水なんてほぼタダに等しいようなもの! 安い肉を買い込んだときには、ぜひトライしてみてください。

※平成28年12月21日追記:食塩水を作るときの塩の濃度は、ご家庭で作りやすいよう概算で実験しています。

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。

書いた人:増山かおり

増山かおり

1984年、青森県七戸町生まれ。東京都江東区で育ち、百貨店勤務を経てフリーライターに。『散歩の達人』(交通新聞社)にて『町中華探検隊がゆく!』連載中。『LDK』(晋遊舎)『ヴィレッジヴァンガードマガジン』などで執筆。著書に『JR中央線あるある』(TOブックス)、『高円寺エトアール物語~天狗ガールズ』(HOT WIRE GROOP)。

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