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単調な毎日に。少し笑ってから帰る #こはるの落語

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朝起きて、仕事へ行き、家へ帰って寝る――。

もし、そんな毎日の繰り返しなら、少し笑ってから帰る、がおすすめ。

じつはいま、落語がブーム。

ぼくも週に1、2回、多いときは、3〜5回の落語会に通っていますが、客席の大半は年配層。若い女性を見かけることはあまりない気がします。

でも、落語はほんとうにおもしろい。もっと女性にも聴いて欲しい、という思いを込めて、30代の女流落語家・立川こはるさんにインタビュー。

落語の魅力をたっぷりと語って頂きました。

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プロフィール:立川こはる(たてかわ・こはる)。落語家。1982年10月7日生まれの34歳。2006年3月、立川談春に入門。大学時代、師匠である立川談春に衝撃を受けたのが入門のきっかけとなる2012年、二ツ目昇進。自身の勉強会のほか、若手二ツ目との二人会など、様々な落語会に出演。アニメ「昭和元禄落語心中」では声優も務める。

ラーメンに誘われて、落語と出合う

こはるさんと落語の出会い。

それは、大学のサークル勧誘で言われた「ラーメン、食べませんか?」という先輩のひとこと。その言葉につられて行った先こそが、落語研究会だったのです。

「落語、知ってる? って言われて、いや全然知らないです、ってところから始まりました。当時は落語ブームも来ていなかったので、落研にいるのも恥ずかしいくらい。でも、部員がどんどん減って、2年生のときにひとりになっちゃったんです。それで、部の存続のために会長になってくれと言われて。ただ、会長はみんなの落語を批評しなきゃいけないので、落語を聞かなきゃダメだと。それで、しょうがないから早朝寄席(※1)に行ったんです。それまでテープで聴いてもよくわかんなかったのが、ライブで聴いたらめちゃくちゃおもしろくて」

早朝寄席は、修行中の若手が出演する場所。そこで自分と変わらない年齢の落語家が嬉々として話す姿に驚いたそう。

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高座に上がるときに必ず持っていく手ぬぐい。こはるさんオリジナルの模様と名前入り。

そうして、本格的に落語にハマったキッカケが、師匠の立川談春(※2)さんによる独演会でした。

「落語って、もっと笑うものだと思っていたんです。でも、うちの師匠の人情噺に圧倒されすぎた。ひとりの人がしゃべっている噺を聴いているだけなのに、すごいドラマチックに人生が揺れ動いていくんです。2時間半の大作映画を観た後みたいな、ものすごい感覚が残って。これはすごいな、と」

じつは、落語ってお笑いだけじゃないんです。泣いたり、怒ったり、ドキドキしたり。様々な感情が沸き起こります。

女性は落語家に向かない?

こはるさんが入門したとき、落語立川流一門(※3)には女性がひとりもいなかったそう。ちなみに落語立川流の創設者である、家元・立川談志さんは、常々「女性に落語は向かない」と公言していた方でもあります。

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「入門して7か月後に師匠から”こはる”という名前もらって、『今日、(立川)談志の会があるから挨拶に行くぞ』と、家元の楽屋へいきました。もちろん、その場は話なんかできません。それから楽屋で男着物を着て働いていたんですが、翌年の6月くらいに談志から、『おい! こはる。聞いたんだけど、お前、女なのか?』って。えー! いま? みたいな(笑)」

なんとも落語のようですが、これも実話。がんばっているからと、家元のお許しも出て、修行の日々は続きます。

わたしを見て、という気持ちは一旦捨てる

いまでこそ女性の落語家も増えてきたとはいえ、まだまだ男性社会。

こはるさんが前座修業時代に気をつけていたのは、とにかく邪魔にならない、というスタンスだったそう。

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「”気働き”っていうんですけど、師匠が快適で、すべての物事がスムーズに運ぶように働く。これを最初に叩き込まれました。でも、みんな入門したときは『落語をやるんだ!』とか『俺を見てほしい』といった、アピール根性が出てしまう。とくに前座時代(※4)は給料なんてほとんどないですからね。ただ、師匠に言わせると、その自分アピールが邪魔だと。まずは存在を消してでも師匠方と同化して、すっと必要なモノを出す。それができないとお客さんに向けて落語なんてできないと言われました。わたしも前座から二ツ目になったとはいえ、まだまだです」

自分をアピールするよりも物事がスムーズに運ぶように動く――これは、社会人全般に共通する必要スキルといえます。

違うのは、会社員には絶対的な師匠という存在がいないこと。会社には入ったものの、上司に弟子入りしたわけでもないので、どうしても楯突いたり我が出てしまったり…。そんなときにも、落語の効用がありました。

「落語の見どころは、リアルな生活とリンクするところ。上司と意見が合わないときのうまいかわし方など、落語のなかから自分がいいなと思ったところに注目していけばいいんです」

そうそう、こういう人っているよね。

ハマりだすと日々の出来事が、まるで落語のようだと気づきます。そうして、落語から得たあらたな視点を仕事に活かせば、面倒な上司との付き合いも楽にこなせるかも。

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黒紋付で男性と見間違うような落語をみせてくれた、こはるさん。高座を下りれば、小柄な女性にすっと戻ります。

笑点のイメージしかない人には意外かもしれませんが、若い男性や女性の落語家さんが多数活躍しているのが、いまの落語界です。

気負わず自然体で楽しめる落語。仕事帰りにひと笑いすれば、ご機嫌になっているはず。

[第8回 立川こはるの冬休み]

開催日時:2017年01月25日(水)19:00開演

場所:横浜にぎわい座・のげシャーレ

木戸銭:1,500円

(※1)早朝寄席
上野鈴本演芸場で行われる、若手勉強会。ほかにも、新宿末広亭で行われる深夜寄席がある。どちらも500円で入れるため、落語初心者にもおすすめ。仕事帰りや休日にも行きやすい。

(※2)立川談春
こはるさんの師匠であり、『下町ロケット』など俳優としても活躍する、落語家。自身の修行時代を綴ったエッセイ『赤めだか』は、ビートたけし、二宮和也という豪華キャストでドラマ化もされた。

(※3)落語立川流
立川談志が立ち上げた落語家の団体。NHKの情報番組『ガッテン!(旧:ためしてガッテン)』の司会を務める立川志の輔や、『ひるおび!』にコメンテーターとして出演する立川志らくなど、多くの人気落語家を輩出。

(※4)階級制度
上方(関西)と違い、関東の落語家は、前座見習い、前座、二ツ目の修行を経て、真打ちとなる。

写真/出川光 取材・文/D.O.B

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