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【東京大学】学食にお寿司屋さんがある研究所【学食巡礼】

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寿司が好きだ。

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海鮮丼も好きだ。食べちゃいたいくらいさ。

マジなお寿司屋さんが学食になっている

なんと寿司が食える学食。

というか本格的なお寿司屋さんが学校の中に入って学食になっている。

しかも500円で旬の海鮮が味わえる、ワンコイン丼がランチとして提供されている。

それは東京大学である。

そんな話を聞いたら行くしかないでしょう。

誰にその話を聞いたかというと、早稲田大学学食研究会さんです。

我々は東大へ一直線に向かった。つくばエクスプレスで。

お寿司屋さんのある研究所

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東京大学柏キャンパス大気海洋研究所。早口言葉みたいなので思わず口に出したくなるワードですね。リズムもいい。

つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅からバスで10分くらいの場所にあります。東大と言っても本郷でも駒場でもない。千葉県の柏市なのです。

ここの1階部分に本日お目当のお寿司屋さん「お魚倶楽部 はま」がお店を構えているのです。

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こちらは東京大学の研究所の中にあって「学食」として機能しており、学生向けの500円ランチもあれば、夜はお酒も飲めるお寿司屋さんにもなるんです。

まさに夢のような学食。

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彼が店長、もとい、大将の濵 弘泰さん。70歳を越えて元気にお店を切り盛りするパワフルな板前さんです。

大気海洋研究所が東京の中野にあったころに、近くで「食と肴の旅」というお店をやっていたのよ。研究所にお得意さんがいてね、大気海洋研究所が柏に移設される時に「学食の業者の入札をしてるけどどうだ」って誘われて、入札したら受かっちゃったんだよね。

そのお得意さんたちは、なにしろ海洋研究をしているくらいなので魚をよくわかってくれる方たちだったといいます。

だから濵さんもついていこうと思ったのでしょう。そのほうがおもしろそうだと。

学食ってレベルじゃねえ握り寿司

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12貫握り(980円)。ちなみに内容がちょっと違うランチ握りもあって、そっちは840円です。ホントにここは学食かと。寿司下駄に乗ったマジな寿司なんですよ。

寿司をいただきながら濵さんのお話をうかがいましょう。

全国から魚を仕入れていたのね。タイとかヒラメとかそういう有名なのじゃなく、漁師さんが自分たちでおかずにしているような、あまり知られていないような魚にすごく興味があったので。発泡スチロールに2、3匹しか入ってなくて、それを集めてひと山というのを買っていて。こんな小さいノドグロもあります、こんな小さいキンキもあります、一貫しか握れません、みたいな魚をすごく手をかけて出してて、喜ばれていたのよ。そっから始まって、知らない魚をもっとみんなに楽しんでほしいというのがオレの気持ちだったのね。

寿司を主食にしたい

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寿司を主食にしたいというイメージがあったのね。寿司でお腹いっぱいになるって、回転寿司ができる前はなかったじゃないですか。

寿司ってさ「つまむ」って言うじゃん。つまみ食いじゃお腹いっぱいになるわけないよね。そこにさ、サラダつけたり一品つけたりでさ、そういうのを30年くらい前に聖蹟桜ヶ丘で寿司バー的なのをやっていたわけよ。寿司とスペアリブのコラボとか。寿司とサラダとコーヒーつけて3ドルランチとか。当時は1ドル250円くらいだったのよ。それでちょうどペイできるようなものをやってたわけ。しばらくやってたんだけど、ドル建てが200円切るくらいになってできなくなっちゃったわけだけど。

ガキのころからオールディーズが好き

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「お魚倶楽部 はま」のBGMはオールディーズ。50年代から60年代のアメリカのポップスです。

「お寿司屋さんなのになんで演歌じゃないんだ」って言われるんだけど。

こんなふうにジャズにブルースにオールディーズ。ガキの頃からオールディーズが好きで。中野のお店の時に、自分が遊びにいけないから友達集めて自分でライブをやったのよ。それはこっちでもやっているんだよね。そういう遊び心が好きでさ。

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写真は2016年5月の「ブルースナイト@はま」。お店の前でライブを開催するお寿司屋さんの大将です。忘れそうになりますがここは学食です。

珍しい魚の解説を聞いて食べる「さいえんす寿司BAR」

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研究所にくっついてるお寿司屋さんということで、オープンキャンパスなどで教授たちとコラボイベントも行います。

たとえば「さいえんす寿司BAR」。珍しい魚を教授が解説し、その魚を濵さんが目の前で寿司にして食べさせる。血沸き肉踊り脳が震えるイベント。なにそれ超おもしろそう。

ほかにもサメの解体やダイオウグソクムシとの撮影会などもやったとのこと。濵さんは「おもしろいよー」とドヤ顔です。

教授たちも、ノリの良い板前さんがすぐ近くにいるということで、催し物のアイデアが出やすくなっているのがわかります。なんというか非常に活性の高い場所になっている気がします。

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東大で博士号をとった漁師から送られてくる

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「今日ちょうど魚が届いたんだ。写真撮りなよ」

東大で博士号を取った人が長崎の壱岐島で漁師をやっており、その人から月に2回ほど珍しい魚を送ってもらっているとのこと。もちろんこの夜のメニューになるのです。

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トロ箱の中にはヤガライラ(ブダイに似ている)、ヒラマサフエダイキジハタ。フレッシュでおいしそうな魚たち。そして無造作にバンバン広げていく濵さんの手際も小気味よいです。珍しい魚を食べてもらって魚を好きになってもらいたいという濵さんの理念はこんなふうにたくさんの人を巻き込んでいっているんですわ。

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とくに高級魚として知る人ぞ知るヤガラ(アカヤガラ)のホンモノなんか、さばかれる前の状態で見ることができたのはラッキーでした。ヘンな魚ですよね。おいしい白身です。

研究室まで出前もしています

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さてこのお店のもっとも学食らしい部分は500円の日替わりランチ、ワンコイン丼です。その日に市場で仕入れた魚によってメニューが決まるんですが、毎週火曜日は本マグロ丼と固定になっております。

このランチ丼を「うまいうまい」とワシワシかっこんでおりますと、研究所の人がやってきて寿司桶を返していきました。つまり……。

校内に出前しているんです。

東京大学の研究施設なのでシンポジウムや学会が頻繁に行われます。外国のお客さんが多いからお寿司が喜ばれるんだそうです。

濵さんの奥さんである女将さんは「まあ同時にピザもとってるんですけどね」と笑っておりますが、研究室に下のお寿司屋さんから出前してもらえる環境なんですよ、この大気海洋研究所は。

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学生には先に回転寿司の安いのを食べさせて腹一杯にさせておいて、教授はあとからここの高級寿司を出前したこともあったよな。あれ笑ったよなあ。

もうちょっと寒くなると「鍋持ってきて」ってのもあるんだそうです。鍋の出前もかよ。

なんかもう関係がwin-winすぎて胸が苦しいです。

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ここはおもしろいですよ。毎年学生は代わるし、教授も退職しても来てくれる。ほかの大学の人も、ここに来る用事があると「今日、『はま』行ける」って言ってくれる。

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濵さんは小僧時代に銀座の名店・新富寿しで修行をしていました。よく歌舞伎座に出前に行っていたんだそうです。楽屋にお寿司を持ってくと歌舞伎役者さんがお小遣いをくれたというすげえいい話。独立してからいろいろとお店をやってきた濵さんですが「今がいちばん楽しそうですよ」と女将さんは言っていました。

ここだとおもしろい話をいっぱい聞けるからね。ここの人たち好きだしな。

海関係の研究者たちにひいきにしてもらえるお寿司屋さんの大将は、やっぱりとんでもなく魚と人間が好きな人なんですわ。

『メシ通』のお金で寿司を食べられるぞというセコい動機で取材に行った「お魚倶楽部 はま」で、なんか無闇に感動させられてしまったという話でした。

次に行く学食はあなたの母校かもしれない。

そこが女子大であることを私は願っている。

お店情報

お魚倶楽部 はま

住所:千葉県柏市柏の葉5-1-5 東京大学大気海洋研究所1F

電話:04-7134-5656

営業時間:月曜日~金曜日11:30~14:45、17:00~21:00 土曜日11:30~13:45

定休日:日曜日、祝日

Twitter:お魚倶楽部 はま

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。好きな寿司ネタは蒸しエビ、とびっこ。好きな研究所はブレッチリー・パーク。 Twitter:@nwashy

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