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今できることをやる。乳がんをサバイブした女性の生き方

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もし、いま、自分が乳がんだったら――。

友だちや家族、同僚がなったら、どうする?

アンジェリーナ・ジョリーが乳がん予防のために乳房を切除したことや、小林麻央さんが公表してくれたことで、乳がんなど女性の病気について考えることが増えてきました。

なんとなく不安になるけれど、その現実が目の前にきたとき、何をどうしたらいいのか想像もつきません。

そこで、今回、モデルであり乳がんサバイバーでもある藤森香衣(ふじもり かえ)さんへお話をうかがってきました。

命を救ってくれた友だちのことば

20161209_cribbons_07.jpg藤森さんは、NPO法人「C-ribbons(シーリボンズ)」を立ち上げ、「がんサバイバー」と「支えるすべての人たち」のために活動しています。

11歳からモデルをはじめ、70本を超えるテレビCMや広告に出演してきた藤森さん。乳がんとわかったのは2011年、35歳のときでした。

「胸にしこりを見つけたときは、本当にこわかったです。じつは2009年に、当時26歳だった友だちをがんで亡くしていて。そのとき彼女が、『お願いだから乳がん検診は受けてね』と言っていたのを思い出し、勇気を出して検査に行きました。

でも最初は、触診でもエコーでもマンモグラフィでも『何でもない』と判定されて。それでも予感がぬぐえず、病院を変えて精密検査をしてもらい、2年後にステージゼロと診断されました」

ステージゼロという超初期で乳がんが発見されるのは、めずらしいケース。友だちのことばと、自分の直感を信じて行動しつづけたことが発見につながりました。

「こんなに早くわかったのは友だちのおかげ。でももうそのお礼を、彼女に伝えることはできない。それなら私が、この経験を伝えてひとりでも乳がんになる人を減らせたらと」

そんな思いで、手術が決まったことをブログで公表することにしました。治療の様子も記していった藤森さん。手術では右乳房を全摘出し、乳房を再建。モデルとして復帰するかたわら、乳がんなどの啓発活動をスタートします。

20161209_cribbons_06.jpg「でも、どうしてもひとりじゃできないこととか、もっと深く知りたい、やりたいという気持ちが強くなってきて。心理カウンセラーの小高千枝さんをはじめ、仲間を増やして設立したのが『C-ribbons』です。あのときは、なんだかドラクエみたいな感じだったよね」

そういって、この日の取材に同席してくれた小高さんとほほえみあう藤森さん。

「C-ribbons」では乳がんだけでなく、女性特有のがんについての知識を共有し、「もしがんになったらどうしよう?」という疑問や不安に応えるイベントや、セミナーを企画しています。

患者に原因を求めないで

20161209_cribbons_04.jpgいまやがんは、日本人の2人に1人が何らかの形でかかるとされる国民病。乳がんは12人に1人の割合といわれています。

もし身近な人ががんになったら、どう接したらいいのでしょう。

「患者として感じたのは、原因を探ってほしくないということかな。『何を食べていたの?』とか、『がん家系なの?』とか、そういう質問をされるのがすごくショックで。自分が悪いことをしたから病気になった、と言われているようで…。

がんの症状は人によって本当にさまざまなので、原因を求めても意味がない。自分は違う、と思える安心材料を患者に求めるのはどうか、と思います」

そして、もしお見舞いに行くのなら、事前に各病院のルールを調べてほしいと藤森さん。抗がん剤の治療中はにおいに敏感なので、香水や整髪料はつけないなど、配慮すべき点があります。

「あとは『できることは言ってね』と伝えるのがいいと思います。私は友だちに、『靴下を買ってきてほしい』とお願いしたんです。友だちにそんな、使いっぱしりみたいなことを頼むなんてどうかと思ったけど、入院前は忙しくて新しい靴下を買う時間がなくて。病院って、けっこう靴下が人目に触れるから恥ずかしいんですよね。

そうしたら友だちがモコモコのかわいい靴下を買ってきてくれて。それを履いていると、友だちのやさしい気持ちも感じることができました」

実際、入院は日数が短い場合もあり、色々な検査や手続きでとても忙しいのだそう。

お見舞いを受ける時間がない場合や体調もあるので、「求められたこと」をするのがいちばんいいのでは、とアドバイスをくれました。

知ることが力になる

20161209_cribbons_02.jpgがん治療が進化した現代社会では、がんになったからといって仕事や夢をあきらめる必要はない、と藤森さんは話します。

がんサバイバーであっても、女性特有のがんだと人には話しづらかったり、仕事がしにくくなったりするのでは? と感じて、公表しない選択をする人もいます。その結果、がんになっても生きて健康に生活して、結婚して子どももいる――そういう現実は、かえって知られにくいのかもしれません。

「復帰後は、ふつうにしたいけど無理できない部分もある。サバイバー自身ジレンマを抱えています。健康な人もがんの知識を持っていれば、そこを変に気をつかわず、でも思いやりをもって――という社会になるのでは」

そして20代から30代の若い女性には、まずは子宮頸がんの検診を受けてほしい、と藤森さん。

その一方で、いま乳がんは社会的な注目を集めていて、検診は3か月待ちもザラだそう。乳がんなどの報道がされた直後や、10月のピンクリボン月間だけではなく、検診へ行くことは、気に留めておきたくなります。

「まずは乳がんなど、女性特有の病気に対する知識をもつこと。胸に関しても子宮に関しても、自分で自分をチェックできる知識を身につけて、健康なときから気をつけておくこと。そこから始めてもらえたら」

と話してくれました。

今できることをする、自分ができることをやる――。

そんなシンプルな意思を、凛とした美しさとともにまっすぐに伝えてくれた藤森さん。

知識が力をくれること。そして何があっても、自分のリミットを決める理由は何もないことを、改めて気づかされました。

C-ribbons(シーリボンズ)

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