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話題の「ブロックチェーン」。仮想通貨を支えるそのスゴイ仕組みとは!?

ビットコインはブロックチェーンの一例にすぎない

「ブロックチェーン」とは、「ビットコイン」というネット上の仮想通貨を支えている基盤技術のことだ。ビットコインによってネット上で取り引きされたすべての記録を、これまでのように銀行などにある巨大なサーバーで管理するのではなく、取り引き当事者などを含めた複数人が所有しているパーソナルコンピュータなどで分散して管理しましょう、というもの。
では、なぜそんなことをするのか?

ブロックチェーンなら、大型でコストのかかるコンピュータが必要なくなり、かつ、セキュリティの面でも非常に強靱になるのだ。

2016年6月、朝日新聞の経済面に次のような見出しが躍った。『三菱東京UFJ、独自の仮想通貨発行へ 一般向けに来秋』。記事のなかにはこのような一文がある。《仮想通貨の「ビットコイン」などにも使われている取引記録の新技術「ブロックチェーン」を活用。取引を管理する大型コンピュータが不要になり、システム運営のコストが大幅に抑えられる》と。

ブロックチェーンは通貨だけを扱うものではない。世界中のあらゆるビジネスのあり方を根本的に変える可能性を秘めている。いったい、ブロックチェーンのなにが革命的で、どうして大型コンピュータが不要でコストも削減できるというのだろうか。説明しよう。

銀行やクレジット会社は「中央管理型データベース」

あなたが家賃を大家さんの口座に振り込んだとしよう。このときのお金の流れは、下のように書くことができる。

あなた → 銀行のあなたの口座 → 銀行の大家さんの口座

このとき銀行でなにが行われているかというと、銀行の高性能コンピュータが巨大なデータベースにアクセスして、あなたの取引データと大家さんの取引データをそれぞれ書き換えている。つまり、実際のお札やコインは移動せず、データの書き換えという現象だけが起きているわけだ。

あなたが銀行にお金を預け、銀行を通じていろんな支払いをしているのは、銀行という存在をあなたも社会も信用しているからだ。そしてその銀行は、あなたの金銭取引データを中央集権的に管理している。これは「中央管理型データベース」といわれるもので、ほとんどの銀行やクレジットカード会社のシステムがこれだ。そして、これの維持にお金がかかる。膨大な数の顧客のデータを瞬時に処理するには高速なコンピュータやサーバーが大量に必要だ。しかもセキュリティにかかるコストも巨額だ。

上の図が「中央管理型データベース」の概念。銀行などで用いられる中央管理型データベースは、こんなふうに、ひとつの巨大なコンピュータとサーバー(中央)に個人の取引データが一括して保存・更新される。この仕組みだと、コンピュータやサーバーの維持やセキュリティに多額の費用がかかる。

ブロックチェーンは「分散データベース」

一方、ブロックチェーンでは高速なコンピュータも必要がないし、セキュリティ面も頑丈だ。なぜか? それは世界中に散らばるたくさんのコンピュータにネットを介してデータを保管する、「分散データベース」というシステムであり、しかもそもそも不正が行われにくい特殊な仕組みになっているからなのだ。

分散データベースでは、銀行のような中央組織が存在しない。専用に開発されたソフトウエアによって、取引データを複数のコンピュータで共有する。そのコンピュータの数は数台かもしれないし、何万台かもしれないが、そのコンピュータすべてに同じデータが保存され、たえず更新されているとしたら、中央組織が管理するコンピュータやサーバーなど必要ないということになる。これを先ほどの家賃の例で、これらを仮想通貨で支払ったとすると次のようになる。

あなた → 世界中のたくさんのコンピュータに分散して存在するあなたの口座 → 世界中のたくさんのコンピュータに分散して存在する大家さんの口座

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