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新天町の老舗「飛うめ」で 親子丼と並ぶ名物・天丼の意外な特徴とは?【福岡】

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買い物客で賑わう老舗商店街の老舗そば屋さん

福岡市随一の繁華街・天神の真ん中にあって、昔ながらの商店街の佇まいが残る新天町。空襲で焼け野原になっていた天神に戦後復興で商店街が造られたのは昭和21(1946)年のこと。その翌年に商店街の一角に飲食店街が完成し、当初から入っていたお店の一つがそばの店「飛うめ」だ。つまり、新天町商店街は今年で70周年、「飛うめ」は来年で70周年ということになる。「飛うめ」は老舗らしい落ち着いた雰囲気と添加剤などを使わない安心・安全な料理で、今でも新天町のショッピング・マダムや年配のお客さんに人気のお店だ。

先代が東京浅草のそばの名店で修行したということもあって、カツオ節をふんだんに使ったうま味の強い、キリッとした関東風のダシが特徴。そのダシを使った丼ではふわふわトロトロ玉子の親子丼が評判で、馴染み客の間では「飛うめ」の代名詞になっているほどだ。しかし、近ごろは親子丼がちょっとしたブームなのか、ふわトロの親子丼を出すお店は巷でもちょくちょく見かけるようになってきた。今回、僕が紹介したいのは、「飛うめ」のもう一つの名物丼・天丼(1,050円)だ。この天丼、イマドキの天ぷらにはあまりない、ちょっとユニークな特徴がある。

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商店街は創業70周年とはいえ、リニューアルを重ねているので古びた感じは全然しない。

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白いシンプルな暖簾が印象的。

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店舗は半地下気味の1階と2階の2フロアある。

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彫り物のオブジェが老舗の風格を感じる。

ふたの隙間からエビの尻尾が「こんにちは」

「飛うめ」の天丼がすごいのは、まずその見てくれから。ウィンドーのサンプルでも分かるように、大きなエビがドン! ドン! ドン! と3尾乗っている。メニューにもしっかり「天丼 えび三丁」と書いてあって、野菜の天ぷらなど余計なもの(?)は一切なし。その迫力と潔さには感心するばかりだ。

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丼からはみ出たエビがインパクト大!

実際に天丼が運ばれてくると、はみ出たエビのしっぽがふたの隙間から「こんにちは」。ふたを開けると想像通りの立派なエビが3尾寄り添って並んでいて、エビとダシの香りが立ち上がってくる。

そして、エビを箸で持ち上げたとき、口に入れたときに、この丼の真の特徴に気づくはずだ。イマドキの天ぷらならば衣が揚げたてでサクサクッとくるはずだけど、このエビの衣はしっとりふっくらしているのだ。サクサク感も残ってはいるものの、全体にダシの味がやわらかく染みていて、程よくダシのかかったご飯と一体感を醸し出している。エビ3尾の豪快な天丼だけど、もたれることなくスルスルとお腹におさまっていく。なるほど、このしっとりふっくらの衣はもしかしたら女性客やお年寄りの食べやすさを考えてのことかと思って、店主の巳城恒介(みきこうすけ)さんに話をうかがってみた。

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天丼(1,050円)はしっとりふっくらの衣に包まれたエビが3尾!

うまい天丼に老舗の技あり。

「天ぷら屋さんの天ぷらは衣が薄いから揚げたてでカラッとしていてもいいんですけど、そば屋の天ぷらは衣が大きいので、しばらく置いて油を抜いているんです」と巳城さん。

天丼にせよ天ぷらそばにせよ、そば屋さんの天ぷらは見栄えをよくするために“花を咲かせる”、つまり衣を散らして天ぷらを大きく華やかに見せている。その分、揚げたては油を多く含んでいるので、こうやって油を抜くことで衣がダシを吸いやすくなり、ご飯とのまとまりも良くなるのだと言う。

さらに、衣が大きいからと言って、かんでも衣だけという部分はない。先の方までしっかりエビが入っているのは、実はエビの身を付け足して長くしているからなのだとか。

「なるほど、うまい天丼にはこういう裏技が施されてるんだ」としきりに感心していたら、これは「飛うめ」オリジナルの技という訳ではなく、昔のそば屋さんはどこもこんな丁寧な仕事をしていたと巳城さんは言う。

また、最近はエビのプリプリ感を出すために保湿剤を添加したものが多いが、「飛うめ」では冷凍ではあるものの、保湿剤を使わないエビを仕入れている。そのためか、他ではエビを食べない子どもがここでなら食べるということもあるとか。

「そういうエビだと、衣にまでエビの味が伝わっているような気がしますね」と巳城さんは笑う。

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エビはきれいに開いて、先にさらにエビの身を付け足して揚げる。

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“花を咲かせる”揚げ方は職人の技が光る。

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揚がった天ぷらはしばらく置いて油を抜く。

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天ぷらは、じゃぽんとダシに浸けてご飯にオン。ご飯にも適度にダシをかけて出来上がり。

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丼としての一体感が素晴らしい天丼。もちろん、天ぷらはちゃんと先までエビが入っている。

天丼の技は「飛うめ」オリジナルという訳ではなかったが、昔ながらの作り方を踏襲する老舗ならではとは言えるだろう。

ちなみに「天丼も食べたいけど、親子丼のふわトロ玉子も味わいたい」という欲張りさんには両方のいいところを味わえる天とじ丼(1,150円)がオススメだ。

お店情報

飛うめ

住所:福岡県福岡市中央区天神2−7−141(新天町商店街北通り)

電話番号:092-741-1274

営業時間:11:00~20:00(LO 19:45)

定休日:1月1日

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:兵土 G. 剛

兵土 G. 剛

福岡のタウン情報誌の編集部に15年勤めた後、フリーライターに。食うの好き、飲むの好き、きれいな女の人好き。マメさなし、根性なしの偏屈じじぃ。 Twitter:G(じぃ)@taul_nakataney

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