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「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」が本日より開催、Zeebra、ニーナ・クラヴィッツ、アーティマージュ浅川氏、アソビシステム中川氏らが登壇

「TOKYO DANCE MUSIC EVENT」が本日より開催、Zeebra、ニーナ・クラヴィッツ、アーティマージュ浅川氏、アソビシステム中川氏らが登壇

ダンス・ミュージックの国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSIC EVENT(以下 TDME)」が本日より東京 渋谷でスタートした。世界各国で行なわれているダンス・ミュージックの国際カンファレンスだが、日本においては今回が初開催となる。

TDMEは、音楽業界のキーパーソン約50名が登壇する「カンファレンス(国際会議)」、世界を舞台に活躍するアーティストから楽曲制作や機材の扱い方を直接学べる「セッションズ(音楽制作)」、誰もが知るレジェンドから話題の新人まで多数のアーティストが出演する「ライブ(音楽パフォーマンス)」の3つで構成されており、国内外の音楽関係者からクリエイターなど幅広い人が参加した。

渋谷ヒカリエ ヒカリエホールAで行われた「カンファレンス(国際音楽会議)」の初日には、女性テクノDJの世界最高峰 ニーナ・クラヴィッツ氏のインタビューや、Zeebra氏とAFEM CEO マーク・ローレンス氏によるトークセッション、韓国の人気クラブOctagonの経営戦略を担っているJ-PATH氏らがアジアのクラブ・シーンについて語るセッションなど、計10セッションが実施された。

国内の音楽フェス事情

「日本のプロモーターによる音楽フェス事情」では、ULTRA JAPANやElectric Zooなどの海外EDMフェスを日本に招致するメリットとして、日本では作りにくいブランディングや特色が出せることを挙げ、「世界では世代を超えてダンスミュージックに触れているが日本ではそういった文化がない。日本のダンスミュージックシーンはまだまだ伸びしろがある」と今後の期待を語った。また、「日本のフェスがどう発展してくのが理想か」という質問に対しては、「今後はファスも淘汰されていく。コンセプトがしっかりしているものが残ると思うので、お客さんをがっかりさせない、しっかりとした軸のあるフェスを作っていきたい」と展望を語り、さらに、「ムーブメントで終わらせずカルチャーにしていくことがクラブシーンの拡大に繋がる」といった意見も出ていた。

Zeebraが語る風営法改正

続くZeebra氏とAFEM CEO マーク・ローレンス氏のトーク・セッションでは、「クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)」の会長でもあるZeebra氏から改正風営法が施行されるまでの活動が語られた。大阪から始まった風営法改正を求める署名が徐々に広まり、東京のDJや音楽関係者、国会議員に至るまで多くの支持を得た。これと平行して、クラブシーンのネガティブなイメージを改善するために、渋谷のクラブ街で有名DJらも参加するゴミ拾いなどの清掃活動も実施。メディアでの積極的な啓蒙活動も行い、最終的には東京オリンピックの招致が後押しとなり、今年6月の法改正に繋がったそうだ。

アジアのクラブ・シーン

また、「アジアのクラブ・シーンは今」では、中国、インド、韓国、フィリピンのクラブ・シーンについて語られた。まず海外EDMフェスの招致によるローカルなナイトクラブへの影響について、フィリピンや中国は、商業的なEDMフェスは爆発的な売上を達成しているが、アンダーグラウンドなナイトクラブは経営に苦労している現状がある。しかし、この状況を楽観的に捉えており、「クラブ・シーンを知ってもらう第一歩で、ここから更に深く追求して好きな音楽をみつけてほしい」と語った。インドでは、ナイトクラブを運営するライセンスを得ることが難しく、警察などの規制があるためナイトクラブの数は少ないが、郊外の小さな街で頻繁にパーティが行われていることから、今後は増加するだろうと見込んでいる。また、世界5位にランクされている韓国のクラブ「オクタゴン」のJ-PATH氏は、高いレベルを維持するために保守的なブッキングになる傾向がある一方で、「若い世代の人が夢中になるような新しいアプローチをするべき」と、持続的に変化することも今後のアジアのクラブ・シーンには必要だと語った。

風営法の改正でクラブの社会的評価が向上

同日最後に行われた、アーティマージュ 代表取締役社長 浅川真次氏、グローバル・ハーツ 代表取締役 村田大造氏、アソビシステム 代表取締役 中川悠介氏、インクストゥエンター 代表取締役 田村優氏によるセッション「風営法改正によるクラブとダンス・ミュージックの未来」では、風営法の改正による変化として、代理店から大手スポンサーの提案をされることが増えたことや、保証協会の保証対象になったことで、銀行からの融資を受けられるようになったなど、クラブの社会的評価が向上した実例が語られた。日本人アーティストが海外で活躍する可能性については、「海外の人達は日本のオリジナリティ溢れるDJを求めているし、日本のレベルは低くないが、日本人は自分の才能をアピールするのが下手」と語り、英語によるコミュニケーションについてもアジア諸国に大きく遅れをとっているだけでなく、「アジアでは日本が一番だという考えは大きな間違え」と偏狭的な考えを問題視する声もあった。最後に2020年以降のクラブ・シーンのビジョンについて、「クラブはDJとファッションなど人と人との交流が生まれる。そういうものが混ざり合って文化ができるので、文化が生まれるいい環境を作っていきたいし、この積み重ねが日本のカルチャーを変えていくと思う。オリンピックを経て、そこで得たもの、体験したもの、失敗することもあるでしょうが、その中で変わっていって、日本のカルチャー全般が世界に誇れるものになっていってほしいと思っています」と期待を込めたメッセージを贈った。

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