隠れヒットは喫茶メニュー? 冷めんの名店「中華のサカイ 本店」の謎を解明してきた【京都】
みなさまこんにちは。メシ通レポーターのナガオヨウコです。
今回は、一年中食べられる「冷めん」で有名な、「中華のサカイ 本店」のご紹介です。
全国テレビや雑誌、ガイドブックなどでもおなじみなので、京都住み以外でもご存じの方も多いと思います。
場所は、京都市北区、新大宮商店街の中。こちらは八百屋さんや魚屋さん、豆腐屋さんなど昔ながらのお店多めな商店街で、私もよく買い物に訪れています。
新大宮商店街に面した場所にあります。地下鉄では烏丸線北大路駅から徒歩で約15分。北大路通りと大宮通の交差点を北に向かった場所です。
駐車場は8台あります。車派の方にはうれしいですね。
庶民的な雰囲気の中華料理店です。カウンター席もありますので、一人でも入りやすい。
オレンジ色の短冊メニューがずらり。昼から思わずテンション上がります。
全国にファン多数! 名物・冷めん
まずは、名物の絶品冷めんをご紹介しますね。
▲冷めん(焼豚入り)720円 ※ハム入りは 680円
これこれこれ!! 具材は豚肉、きゅうり、もみ海苔の3種類のみという潔さ。
昭和28年の開発当初はエビや錦糸玉子乗せバージョンもあったそうですが、ブラッシュアップを重ねた結果がこちらなのです。
よくある冷麺や冷やし中華の主流は「夏にしか食べない」「具材は盛り盛り」。
しかし、「中華のサカイ」では「一年中提供」「具材はシンプルに」と、真逆の方向を突っ走っているのです。
名物・冷めんは、訪れるお客さんの約9割が注文するという大人気メニュー。
冷めんは通販でも販売されて大人気。
冷めんを食べるのは夏、と思いがちですが、全国の多くの家庭では「正月は、中華のサカイの冷めん」という習慣が根付いているらしいです。知らんかった。
冷めんが正月に選ばれる理由は「おせちに飽きたときに」「手間を掛けずに家族みんなの分を用意できる」「ササッと美味しいものを食べたい」「冷めんフリークの子どもが帰省するから」……といったもの。
確かに、おせちやお雑煮、すき焼きに飽きてしまってて、それでもちゃんと美味しいものを食べたいっていう時にぴったりかも。ストーブやこたつで温まった部屋で食べる冷〜たい冷めん。想像するだけで幸せな気持ちになってしまいます。
今度の帰省時は、自営業で正月休みなしの両親+手伝いに帰ってくる弟家族のために送ってみようかな。
麺は中華麺ではなくて、なんていうんだろうこの麺の名前。やや透明感があって、強めのもっちり感があって、と今まで出会ったことのない麺なのです。
製麺所にオリジナルとして作ってもらっているそうですので、そりゃ出会ったことないはずだわ。
「冷めんは、両親が開発したんやけどね。ウチのタレに合う麺がなかなかなくて、製麺屋さんに試作してもらっては何十回もダメ出しして、ようケンカしとったみたいやわ」と、大将の土田尚紀さん。
麺も独特ならタレも独特です。
他では絶対に出会えない味。く〜、たまらん!
行儀悪いのを承知で、両手でお皿持ってタレ全部飲むよ!!
辛子がグッときいてて、お酢とマヨネーズの酸味と何かの甘みがぐいぐい後押し。
この、酸っぱすぎず、ほどよくまろやかなお酢は京料理の料亭でも使われている本醸造酢だそうです。※詳しいレシピは内緒だそう。
ここでご主人が裏ワザを教えてくれました。
〜〜冷めん定食の美味しい裏ワザ〜〜 冷めん定食(焼豚入り冷めん・ライス・漬物・サラダで 990円)を注文する +100円でやきめし定食に変更 ※メニューには載ってません 冷めんを食べる。タレは残しておく 冷めんのタレを、やきめしにかける
「このタレが、ウチのやきめしにむっちゃ合うねん」と、土田さん。
えっ、タレ全部飲んでしまった後やん。うわー、食べたかった! くうぅぅ……(涙)。次回、プライベートで訪問したときに絶対試してみる!!
オムライスも人気
ここでもう一度メニューを見てみると……。
んんん?
オムライスって書いてある。
アイスクリーム、クリームソーダ、コーヒーまで……。
「中華のサカイ」なのに、中華料理店なのに、喫茶メニューがある。
どうしてなんですか?
「もともと当店は、昭和14年の創業当時は喫茶店で、戦時中に洋食店に変わりました。
そして戦後には中華専門店に路線変更したようです。でも、昔のなごりで喫茶メニューを残しているんです」と、土田さん。
ということで、オムライスとクリームソーダをお願いしちゃいました!
▲クリームソーダ 480円
クリームソーダって何十年ぶりに飲んだっけ。平成の今、カフェや喫茶店で見かけることは少なくなくなりましたよね。いや、ひょっとして存在してるのかもしれませんが、目に入ってなかったのかも。
ちなみに、小学6年生の息子はクリームソーダが何なのかを知りませんでした。ソーダが何色かも知らなくて、「クリームって、生クリームなん?」ってくらいの知らなさっぷり。
ちゃうでー。アイスクリームやでー。
▲オムライス 730円
昔ながらの喫茶店メニューといえば、これですよこれ。
具材は玉ネギと鶏ムネ肉のみ。冷めんだけでなく、オムライスも驚くほどシンプルなんですね。
お米一粒一粒にケチャップがからまり、程よくお米が立ってます。玉ネギのシャキ感&鶏ムネ肉のむちっと感がそれぞれ主張してて、正しくうまい。
家でオムライスを作ると、どうしてももったりさが全面に出てしまうのに、なにこの違いのでかさ。
この「永遠の定番」的うまさの秘密は、中華鍋での調理だそうです。
素材がシンプルなだけに、火加減と腕が美味しさを大きく左右するようです。
冷めんで有名なお店ですので、オムライスを注文する人はあまりいないのでは? とお聞きすると、
「いやいや、オムライスは少ない日で10食くらい、多い日は50食は出るで」とのこと。
「中華メニューが60種類以上あって、その中で冷めん一強」と思っていたのに、オムライスも根強い人気を誇っていることが今回の取材でわかりました。
↑ 冷めん・オムライス・クリームソーダ・コーヒーっていう、中華料理店とは思えないものすごい絵ヅラ。
冷めん1人前+オムライス1人前+クリームソーダ、全部わたくし一人で完食。※私はわりと大食いタイプ
冷めんの麺は約130gと量は多くないので、ガッツリ食べたい方は定食にするか、何か一品をオーダーするといいと思います。
「中華のサカイ 本店」では、中華メニューも洋食もおすすめよ!
もー何から何まで食べちゃってほしいです。
宴会&持ち帰り&通販もできる
宴会コースは8品3,000円(1人あたり)とむっちゃリーズナブルです。
<3,000円の宴会コース> ※宴会コースは5〜50名のグループ対象
前菜(5品)/揚物(2品)/コーンスープ/鶏とカシュナッツの炒め物/エビのチリソース/魚の甘酢/やきめし 又は 冷麺/ポテト 又は フルーツ
宴会というと居酒屋さんを選びがちだと思うんですが、中華もイイ! 3,000円のコースは鶏、エビ、魚がついてるのがイイ! 冷めんが選べるってのがポイント高いです。
2階には宴会仕様のテーブル席があります。昔から、ご近所さんから宴会や法事などで重宝されているそう。
こちら新大宮商店街の周辺は昔ながらの住宅地。「子どもやおじいちゃんおばあちゃんも合わせて、親戚みんなで気軽に会食」というニーズにきっちり対応しているわけなんですね。
▲持ち帰り商品/手前:焼豚入り冷めん(生) 720円、奥:中華そば 560円
※(茹)焼豚入り冷めんは 740円
そしてそして、スープメニュー以外は全品お持ち帰り可能。なんと中華そば(ラーメン)も持ち帰りOKなんですよ!
冷めんの麺は茹でたものか、生のままを選べます。
取材中も、持ち帰りだけのお客さんがガンガン訪れていました。
『メシ通』をご覧いただいてる関西のみなさま、まずはお店へ訪問&実食を。
そして「遠くに住んでてなかなか行けない」という方は、通販で注文してみて、ぜひ冷めんの美味しさに感動しちゃってください。
通りいっぺんのおみやげに慣れた人へのおみやげにするのもいいですね。「京都の隅々まで分かってる」風に見られる度は高いと思いますよ!
お店情報
中華のサカイ
住所:京都府京都市北区紫野上門前町92
電話番号:075-492-5004
営業時間:11:00〜21:30
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
ウェブサイト:http://www.reimen.jp/
※金額はすべて消費税込みです。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
書いた人:ナガオヨウコ
ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。 ブログ:しましま畑でつかまえて
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