「ネギー」がネギを刻む! 珍ネーミングの老舗厨房機器メーカー「ハッピージャパン」の世界
どうもです。デジタル系ライターなのにとあるご縁で『メシ通』レポーターに紛れ込んだふじーひろしと申します。今後お見知りおきを。
さて、その名前を初めて聞いたのは大学時代、かれこれ20年以上前のことだったでしょうか……(遠い目)。
中華料理店でアルバイトをしていた学友が、ふとこんなハナシを振ってきました。
「うちのお店にさー、ネギを刻む機械があるんだけど、その機械の名前がさ、ネギーって言うんだよ」
「えっ」
「ネギー。ネギを刻むからネギー」
「ネギー……」
そのまんますぎるネーミング
それ以来、ワタシはそのすがすがしいまでにストレートなネーミングが頭を離れず、「ネギー」の出自を追い求めたのです。そこでわかったのは、 「ネギー」を開発・販売しているのは「株式会社ハッピージャパン」という会社である。 「ハッピージャパン」の食品機器には他にも、「ミドルネギー」「オートネギー」といった製品がある。
ではさっそく「ハッピージャパン」が誇るマシンの数々を紹介していきましょう。
▲こちらは上記「ネギー」の小ネギ対応タイプ「ミドルネギー」
▲そしてこれが「オートネギー」
▲こちらは「キャベツー」
▲で、これは「ジャンボキャベツー」
▲スライサー類も見逃せない。これはそのまんま「スライサー」
▲斜めにスライスするから「シャライサー」
まだまだある! そのまんま厨房機器
ハッピージャパンの機器はまだまだあります。で、もちろん「そのまんま」度は限りなく高い。
▲みじんに切るぜ「ミジン」
▲かつらむきもまかせろ「ツマ・かつら」
▲きんぴらつくるぜ「キンピラー」
▲面倒なささがきはまかせろ「ササガキー」
▲おろします「オロシー」
▲すっごいおろします「オロシーデラックス」
▲とろろもおろすよ「トロロ・オロシー」
そして別売り円盤を換装することによってダイスカットをはじめスライス、角千切り、丸千切り、おろしなどマルチに対応する最新鋭機器がこれ。
▲「マルチー」
いかがだったでしょうか。どれも「ネギー」同様「名は体を表しすぎ」なネーミング。キャベツーがキャベツを刻む! ミジンがみじん切りにする! トロロ・オロシーがとろろをおろす!
そのまんま!
ワタシはこのユニークな企業を取り上げたくて、「ハッピージャパン」にアポを取りました。正直、『メシ通』に取り上げる承諾と公式サイト上の図版の使用許諾だけもらえればいいかなと思ってたんですが、いざ電話をかけてみると……。
「あ、いいですよ。もしよければ弊社の東京オフィスにおいでいただけます? ネギーといっしょにお待ちしております」
なにっ? 直接取材が可能だと!?
そんなわけで行ってきましたよ、「ハッピージャパン」へ。生「ネギー」に会いに。
40年超の歴史を持つトップシェア企業
東京都台東区にある「ハッピージャパン」東京オフィスでワタシを迎えてくれたのは「ネギー」と、産業機械営業部の島村さん。さっそくお話をうかがうことに。
▲ネギーについて語る、株式会社ハッピージャパンの島村さん。うそです。彼はネギーです
弊社はグループ企業3社の合併で現在の業態になっています。その中核のひとつとしてミシンや縫製機を手掛けておりまして、モーターで培った技術を応用できないかと考えたのが食品機器だったんです。
ミシンなどのノウハウが、厨房にもいかされているというわけなのです。
そうして最初にできたのが「ネギー」なんですが、もう40年以上も前の話なので、ネーミングの由来についてはほとんど知っている社員はいないと思います。ただ最初の製品が「ネギー」だったので、お客様方の反応がよかったこともあり、その後の商品もなんとなくそんなノリになって(笑)。
名前は適当かもしれないけど(失礼)、業務用機器メーカーとしての歴史と、たゆまぬバージョンアップへの努力がユーザーの信頼を生み、業界トップシェアの製品として長く使い続けられているというのです。
競合他社の製品もいろいろある中で、耐久性や使い勝手のよさからうちの製品を使い続けていただいているお店が多いですね。ネギの投入口が右にあるか左にあるかというだけでも厨房での作業に影響しますから。また投入口に指が入って傷つけないかというような安全面についても常に検証しています。
その開発姿勢はあくまでも真摯。だからこそ多くの厨房で使い続けられるのです。ベタすぎるネーミングも、長く愛されることにつながっているのでしょう。
人気のトップ3を挙げるなら、「ネギー」「キャベツー」「オロシー」ですね。「キャベツー」は切る幅を調節することで、トンカツ屋さんの千切りからお好み焼き屋さんの具まで対応できます。「オロシー」も和食屋さんや居酒屋さんなどに重宝されています。
縁の下の力持ちとして厨房を支える「ハッピージャパン」の食品機器たち。もしかすると、あなたが行きつけのラーメン屋さんの厨房で「ネギー」がネギを刻み、飲み会で頼んだ刺身のツマを「ツマ・かつら」が切っているのかもしれません。
最後に、「ネギー」のベストショットを!
見よ、この機能美を!!!
取材協力:株式会社ハッピージャパン
書いた人:ふじーひろし
母のいけずな京都人魂と父のメカ好きの遺伝子を9:1で受け継ぐロートルライター。つまり9割めんどくさい京都人。
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