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箱根前哨戦の世田谷ハーフ 青学vs駒澤のガチバトル

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 箱根駅伝までの約1か月半、ここからほぼ毎週、ローカルレースが続く。スポーツ紙も報じないようなその現場にこそ、「箱根を楽しむためのドラマがある」と断じるのは、駅伝情報満載のサイト「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏だ。

 * * *
 11月13日に行なわれた「世田谷246ハーフマラソン」。大会新の1時間2分55秒のタイムで学生1位を獲得したのは青学大の鈴木塁人(1年)だった。

 出雲では区間5位に終わった鈴木だが、この日は青学大箱根初優勝(2015年)の立役者だった当時のエース・藤川拓也(現・中国電力)の持つ大会記録を破っただけに、印象は強烈。エフエム世田谷の取材に、瀧さん(青学コーチ・瀧川大地氏)は「(鈴木を)往路のいい所で使うかもしれません」と踏み込んだコメントをした。

 実はこの大会のコース、駒澤大の隣の駒沢オリンピック公園をスタートし、国道246号、駒澤大の道環寮の側などを経て再び駒沢公園に戻る──いわば駒澤大の“庭”だ。そこに近年、青学大が部員総出で参戦し、上位を独占している。

“庭”を蹂躙されて心中穏やかでなかったのか。例年、埼玉の上尾シティハーフ(今年は11月20日)を主力の調整レースに充ててきた駒澤大も、今年はエース級の西山雄介(4年)と下史典(2年)を出走させた。

 中盤、青学大・鈴木と並走する西山に大八木弘明・監督は「1年に絶対負けるな。4年生なんだから!」と活を入れるも、終盤、鈴木に突き放され、西山は学生2位、下は同7位。エフエム世田谷は「レース後の大八木監督が怖い顔で近づけない」という部員の証言を拾っており、相当な“本気モード”だったとみえる。

 それを裏付けるのが、市民ランナーを盛り上げるゲストランナーとして参加した藤田敦史・駒澤大コーチの動きだ。マラソン日本歴代2位の記録保持者の藤田はサングラス装着の本気モード。隠した視線の先には、青学大エースの一色恭志(4年)と田村和希(3年)がいた。白の練習用ユニフォームでペース走に終始した一色たちを、藤田はピタリと追走したのだ。一色たちのフォームや息遣いから「付け入る隙はあるか」と探っていたに違いない。やはり「ストップ青学」の執念は尋常でない。

 駒澤陣営からはレース後、「箱根には中谷(圭佑・4年)が戻ってくる」という発言があった。「今日は競り負けたが、まだ真のエースがいる」と、他校の監督の構想を揺さぶるのだ。

 思い返せば全日本で、駒澤大は前日まで「1区・中谷」をエントリーし、監督は「中谷でレースを作りたい」と語った。それを意識したか酒井俊幸・東洋大監督は当日、1区にエース・服部弾馬(4年)を配した。一方の駒澤大は当日、1区を工藤有生(3年)に変更。監督たちの静かな攻防だ。

 出雲・全日本で走れなかった中谷は世田谷246も上尾もエントリーせず。故障と思われるが、本戦一発勝負の可能性がある。どんな走りになるか見ものだ。

※週刊ポスト2016年12月2日号

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