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有名無実化している新卒採用活動解禁日 理想的な採用のあり方は?

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学生就職活動の解禁日、約9割の企業が守らず

9月、日本経済団体連合会(経団連)は2018年の新規学卒者に対する採用活動の解禁日を発表しました。
今年と同じく3月説明会・6月採用面接開始というスケジュールは同じとのことです。

この就職活動の解禁日は、どんどん前倒しされる採用活動により、学生の就職活動による学業への負担を減らすために設けられたようですが、経団連の調査によれば、約9割の企業がこの解禁日を守っていなかったことが判明しました。
どうしてこのような事態が起こってしまったのでしょうか。

守らないのもやむを得ない??

9割もの企業が解禁日前から採用活動をスタートさせたことについては、約6割の企業がやむを得ないと回答し、その理由としては「スケジュールが実態に則していない」、「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平」といったものがありました。
要するに、実質的拘束力を持たない解禁日を真面目に守ると出遅れる、といった意識が企業にあるということでしょう。

人材確保の厳しい時代が背景に

企業の新卒採用活動が、横並びで一斉にスタートを切っていられないほど切迫している原因は、若年人口の減少により優秀な新卒者を確保することが難しくなってきていることが考えられます。
さらに企業側は、団塊の世代が次々と引退していく中、不足する人員を補填する必要性にもかられています。
少し前の就職氷河期世代の方から言わせれば、「あれだけ自分たちを虐げてきたのに、今さら人手不足とは何事か」と文句を言いたくもなるような状況ですが、現状は“売り手市場”だということです。

また、中小企業にあっては、大企業と同時に採用活動を開始した場合、著しく不利になってしまうことも解禁日が守られない要因でしょう。
もちろん中小企業にも魅力ある素晴らしい会社がたくさんありますが、昨今の学生の高い安定志向では力のある大企業に人気が集まってしまうのも致し方ありません。
就職活動の解禁日は、有名無実と化していると言えるでしょう。

自由な採用活動・就職活動が出来る時代に

現在、従前のように正社員・非正規社員といった区分では足りないほどに働き方が多様化しています。
にもかかわらず、社会では新卒でどの企業に正社員で就職できたのかが重視され、その後の職業人生にも大きな影響を与えています。
新卒で正規雇用されなかった場合は、ルートから反れたとみなされて、いわゆる陽の当たるコースへ戻ることが困難な社会になってしまっています。
そもそも新卒者が一斉に就職活動をする必要はありません。
学生時代に就職しても構わないし、卒業後に世界を見て回ってから為すべき仕事についても構わないのです。

多様化を謳うのであれば、新卒の就職・採用についても見方を変えるべきです。
就職活動時期の目安として解禁日を設けることに意味はあるかもしれませんが、今後それ以上の意義は持ちえないでしょう。
転職による中途採用のように、それぞれのニーズに合った時期と方法で就職活動・採用活動をすることが健全ではないでしょうか。

(大竹 光明/社会保険労務士)

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カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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