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町田康、大宮エリーが語る 本と音楽と映画の家での楽しみ方

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分野を飛び越えて活躍するプロがいる。その溢れる才能は、どのように磨いているのだろうか。本、映画、音楽…。町田康さんと大宮エリーさんに自宅でのカルチャーの楽しみ方を聞いてみた。

自宅では主に読書が中心。読む力を養えばどんな本も楽しい

熱海の山あい。町田康さんの自宅は2階建ての古い日本家屋のリノベーション物件だ。通されたのは客間を兼ねた仕事部屋。和室だが、曼荼羅の掛け軸にブライス人形、ギターもある。ミュージシャンとして世に出て、演技の才能を見せ、小説家としても人気を博す。自宅の雰囲気が物語るように、カルチャーは身近なもの。

「音楽は今はBGM程度に嗜んでいます。広い家なので、iPod片手にヘッドフォンで、作業をしながら。あ、たまにこの部屋でギターを鳴らします。家が斜面に建てられているので、近所迷惑にはなりません」

本に対しては愛着を見せる。かくして自宅には、書籍が山とある。

「7割くらいはハズレで、3割がいい本。でも読書に裏道なしで、読む力が付けば、それなりに面白く感じられるようになる。僕は面白いと思ったら、それをヒントに仕事になることも多いです。今書いてる『ギケイキ』もそうで、もともと日本史は好きだったのですが、5年ほど前に読書からヒントを得て。それで書き始めました」

月に10冊以上は読むとか。現在読んでいるのは、源義経の資料と、分厚い哲学の本、詩歌の本の3冊。自宅の動線の“ハブ”である玄関の靴箱の上にネタ帳とともに置き、ローテーションで読み分ける。本の紛失を防ぐ工夫だとか。

「朝、簡単な食事とともに頭のウォーミングアップに分厚い本を読みます。『ギケイキ』の勉強を兼ねて歴史の本を昼に。また詩歌について興味があり、寝室で寝しなに俳句と近代短歌の本を読みます。興味が常に3つくらいあるので、心のままに読み、書くみたいな。読書はすっかり日常で、目的はないですね」

【画像1】町田康/1962年大阪府生れ。81年パンクバンド・INUの『メシ喰うな』でデビュー。俳優活躍も行う。96年に初小説『くっすん大黒』はBunkamuraドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。2000年『きれぎれ』で芥川賞。最新作『ギケイキ:千年の流転』は、源義経の生涯を現代視点をまじえてユニークに描く大作!(写真撮影/林 和也)

緑に囲まれ、料理をつくる。映画を見るときは特別な演出で

【画像2】自宅で過ごすときは仕事抜きに、音楽や映画で特別な時間を演出したいと語る大宮さん(写真撮影/林 和也)

映画やドラマを演出し、文章を書き、絵を描き写真を撮り、朗読やペインティングをライブで行うマルチな活躍が光る大宮さん。

「若い頃は自宅で勉強のために本や映画を観たり読んだりするようにしていたけれど、違うのではと思うようになった。だってインプットして出すものって、もともと自分の中にあるものじゃないから」

家はあくまでもくつろぐための場所。室内には大きなガジュマルの鉢植えにバラの植木、2カ所ある出窓でハーブを育て、ソファに寝転べば、つねに緑が目に入るようにした。好きな音楽をかけて料理をし、ハーブを摘み、咲いたバラを花瓶に活けてまったり過ごす。

「音楽はジャズとかクラシックのボーカルのないもの。夜ゆっくりしたい時は間接照明でジェリー・マリガンとか、ビル・エヴァンスのような白人系のジャズ。言葉が入ると疲れるけど、昼間はあえてビリー・ホリデイ。気持ちをチューニングするために選びますね」

音源はたくさんあると“襞”が増えて生活に彩りが増す。それで「食材みたいに買う」という。旅先のカフェや家具屋さん、タクシーでかかってる曲で、いいなと思った曲はその場で取材するそう。本は「買うのは大好き」。出会い方はちょっと音楽と似ている。

「町の小さな書店やカフェですね。“面白そう!”と思ったら手に入れて、書棚の背表紙が増えていくのが好きなんです。1冊1冊にお話が入っていて、新しい世界に通じる窓みたい。パラパラめくって“どんなお話なんだろう”って想像すると豊かな気持ちになれて」

映画に関しては、大宮さん自身、新作は映画館で観たいタイプ。しかも地方の小さい小屋が好きだそう。でも一方で“家で映画を観まくる映画ファン”にも憧れるのだ。

「海外の町の雰囲気がよく出ていて、“人間っていいよね”ってことが描かれているハッピーエンドの映画が大好きで。そんな作品に合わせたおつまみをつくって飲みながら……。いつもはこごみの天ぷらとか白和えとかなんですけど、自然と、ブルーチーズと柿のサラダなんかつくっちゃいますよね(笑)」

【画像3】大宮エリー/1975年大阪生まれ。広告代理店勤務を経て、2006年に独立。映画『海でのはなし。』で監督デビュー。ドラマ脚本も手がける。16年、個展「シンシアリー・ユアーズ」(十和田市現代美術館)を開催。自著の『思いを伝えるということ』『EMOTIONAL JOURNEY』『見えないものが教えてくれたこと』は、読者にオススメしたい自信作(写真撮影/林 和也)

構成・取材・文/吉州正行、武田篤典

※本記事は『HOUSING by suumo』2017年1月号に掲載した記事を、再構成したものです
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/11/121573_main.jpg
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