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安倍氏とトランプ氏はケミストリーが合うと外交関係者

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 一部メディアのようにいたずらにドナルド・トランプ次期大統領を“危険人物視”したり、先行きを必要以上に悲観視したりするのはミスリードになりかねない。むしろ、トランプ政権の閣僚候補の具体的な名前が浮上すると「トランプで良かった」という声が次第に大きくなっている。

「米国の経済・金融政策を担う財務長官候補とされているのはJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)など、ウォール街出身者ばかりとあって金融界は歓迎ムードが高まっている」(米メディア関係者)

 日本経済にとってインパクトが大きいのは、エネルギー長官にトランプ氏のエネルギー政策顧問のハロルド・ハム氏の就任が有力視されていることだ。ハム氏は米国を世界最大の産油国にしたオイルサンド(油砂)から原油や天然ガスを汲み上げるシェール革命の立役者として知られる。経済アナリストの中原圭介氏が語る。

「クリーンエネルギーを推進したオバマ政権はシェールの掘削に厳しい環境規制をかけたため、コスト高になったシェール業界は生産調整を余儀なくされた。原油価格が1バレル=50ドルより下がれば生産を縮小し、上がれば拡大するかたちになっていた。

 しかし、ハム氏がエネルギー長官候補ということは、トランプ政権は規制を大幅に緩和してシェールオイル増産に転換する可能性が高い。そうなると採掘コストが大幅に下がり、40ドルでも生産できるケースが増え、供給量が増える。原油価格は低いまま上がりにくくなる」

 米国、日本、中国をはじめ石油の大量消費国には大きなメリットだという。

「米国や欧州では自動車販売が伸びています。それは年初からの原油安のメリットが大きい。米国では実質所得が過去20年で最高の伸びです。日本でも下がり続けていた実質賃金が2月から上昇に転じ、原油安のメリットがようやく出てきている。米国のシェール増産はこの流れに勢いをつけるはずです」(同前)

 経済が好転なら、安全保障はどうなるのか。安倍首相は米大統領選翌日の電話会談でトランプ氏から、「安倍首相の経済政策を高く評価している。今後数年間、共に働くことを楽しみにしている」という言葉を引き出した。自民党総裁任期まで1年半あまりの首相にわざわざ「数年間」といったのは総裁3選を意識した言い方だろう。

 さらに安倍首相は11月17日、ペルーで開かれるAPEC首脳会議の前に米国に立ち寄り、外国首脳では初めてトランプ氏と会談した。

「就任前の大統領との“首脳会談”は外交上異例だが、受け入れたトランプ氏側もそれだけ日米関係を重視していることを示している。1月には安倍首相が再訪米して一緒にゴルフをする案も調整が進んでいる。外交用語で馬が合うことをケミストリーというが、理詰めではなく直感タイプの2人はやはりケミストリーが合うようだ」(外務省筋)

※週刊ポスト2016年12月2日号

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