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Aureole “Last Step”を経て希望に満ちた次なるステージへ―OTOTOYライヴレポ

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11月20日(日)渋谷O-nestでAureoleが解散ライヴ“Last Step”を行い、9年間の活動に幕下ろした。

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この日、家を出る前にAureoleのこれまでの全作品を聴いてみた。初期の作品から最新作に至るまでの変遷には、彼らが孤高の存在のようでいてしっかり時代の空気をキャッチした音作りをしていることを改めて認識させられた。特に3rdアルバム『Reincarnation』で得たふつふつと湧き上がる生命力を感じさせる音像を経て、ダンサンブルなサウンドへと帰結した4thアルバム『Spinal Reflex』は、これまでになく音楽シーンを意識した確信に満ちた作品だ。解散が発表された際、リーダーの森大地 (Vo.Gt.Prog) は「バンドの目標としていることに辿り着けない今の状況を打破するにはと考えた時、解散という結論に至った」とコメントした。それは、『Spinal Reflex』が世に出たことによって得た評価、得られなかった評価が分岐点となったのではないだろうか。それだけ完成度の高いアルバムだったことは間違いないし、現時点で考えうるAureoleとしての表現はすべてやり切ったのだと思う。「誰がなんと言おうが最高のバンド」という森の言葉が、バンドとして1つの完成形を創り上げたことへの自負を物語っていた。そして、その思いはこの日の解散ライヴを、希望に満ちたとても爽やかなものにしていた。

ラストライヴは、勇壮なSEがメンバーをステージに招き入れ、2ndアルバム『Imaginary Truth』からの「Pilgrim」で始まった。重いバスドラが響くと、先ほどまでざわついていた会場が静まり返った。静かに歌い出す森。じっくりとこの日のライヴを構築して行こうという意気込みが伺えるオープニングだ。アルバムの曲順通りに「Heat Sink」へと続く…と、途中で森が曲を止め中断。思わぬタイミングで「こんばんはAureoleです!解散ライヴでもこういうことはあります(笑)」と森が第一声を上げて、緊張感漂う場内にリラックスムードが漂う。しかし、演奏が再開されるとすぐさま凄まじい演奏に心を奪われた。中澤卓巳(Dr)と佐藤香(Vibs.Glocken) が一心不乱にリズムを叩きだしている。

「今日はこれまでで最高のライヴをして、みなさんの記憶に残したいと思います」(森)

最後の新曲「Tab Show」はサイケな中村敬治(Gt)のギターに森のファルセットのボーカルが印象的な曲。佐藤のヴィブラフォンのイントロ、saiko(Syn.Flute)のフルートが脳を揺さぶる「I」では昨年9月に加入したtsubatics(B)のピック弾きのビートにより芯の通った骨太なサウンドになっている。複雑なアンサンブルが多い楽曲の中にあってパンキッシュな要素も感じさせた。前半は、フルートのリフレインとドラムのタムが原始的な風景を連想させる「Plant」、対照的に森がハンドマイクでアジテーションする破壊的な「Tales」といった豊かな表現力を見せた。中盤、リクエストをもらったとしてライヴ初披露された「Diapause」やピアノを中心に聴かせた「Incident Light」と、バンドの歴史をなぞるように次々と楽曲を披露して行く。全員が解け合った一体感のある演奏を聴かせた「Reign」や、「Keef As It Calms (Part 2)」「Permanent State」といったアブストラクトな世界に没頭していく6人。

「後半戦は、畳み掛けるように行っちゃっていいですか!?」(森)

とのMC通り、ストイックな中盤の演奏とはうって変わり、肉感的はファンク・チューン「Hercules」から「World As Myth」へ。さらに「Ghostly Me」では迫力満点の土着的なリズムでフロアを揺らす。続く「Dell」でも全てを解き放つように爆発するメンバーたち。“人との出会いで人生を切り開いて行った”という森。「暴走したりとちったりするけど、出会った人たちをこれからも大切にしていきます」と、彼らしい言い回しのMCに和やかな、そしてこれからも支持して行こうという拍手が沸き起こった。各メンバーを紹介すると“僕たちの人生を変えたデビューアルバムの曲”と「Windfall」をプレイ。ステージ前方で身を乗り出して激しく煽る森にぎっしり埋まったフロアの観客も腕を上げて応える。いったんステージを後にするも、アンコールの拍手に、観客から思わず「はやっ!」っと声が上がったほどすぐさまステージに登場。彼らの曲の中ではシンプルな歌モノとも言える「Helping Hand」から始まり、リクエスト曲「Dark Adaptation」から「希望に満ちたこの門出に相応しい曲」として「Live Again」を演奏した。再びアンコールに応えると、ライヴタイトルでもある「Last Step」から最新の彼らのモードを象徴したキャッチーなギターリフで始まる16ビートの「Core」で踊らせると最後のMCへ。これから先も音楽活動を継続していくための前向きな解散であり、これからも胸を張れる音楽を作って行くことを宣言。ステージの照明が煌々とメンバーの姿を照らす中、最後に演奏されたのは「Disappear」。ラストに相応しい感動的なこの曲で穏やかに余韻を残しながら、万雷の拍手の中でラストライヴは終了した。

森は、ベースのtsubaticsと共に新バンド「Temple of Kahn」を結成したことも発表。2人以外のメンバーはドラムに萩原朋学(KAGERO/SaraGrace’sOneHotNight)、ギターに松本一輝(THE ROAMERS/リリカリリス)、キーボード&トランペットに桑原渉(WINDOWZ/パステルカラーマーケット)。もちろん、他のメンバーもそれぞれ音楽家としての新たな道を進んで行くだろう。“Last Step”を経て希望に満ちた次なるステージへ。彼らの夢の続きがどのようなものになるのか期待しよう。(岡本)

Aureoleワンマンライブ“Last Step”
2016年11月20日(日)渋谷TSUTAYA O-nest
〈セットリスト〉
1.Pilgrim
2.Heat Sink
3.Tab Show
4.I
5.Edit
6.Yesterday´s parade
7.Spec
8.Plant
9.Tales
10.Diapause
11.Incident Light
12.Reign
13.Inner Plane
14.Suicide
15.Five Common Scenes
16.Keef As It Calms (Part 2)
17.Permanent State
18.Miz
19.Hercules
20.World As Myth
21.Ghostly Me
22.Dell
23.Windfall
【アンコール1】
24.Helping Hand
25.Dark Adaptation
26.Live Again
【アンコール2 】
27.Last Step
28.Core
29.Disappear

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