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トランプ氏 当選後は穏健な現実路線を鮮明に

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 ドナルド・トランプ氏が次期大統領に決まった直後、多くのメディアは危機を煽りまくった。株価暴落などを警告する記事は枚挙に暇がなく、「アジアの核危機」(ウォール・ストリート・ジャーナル)から、「気候変動の危機」(ナショナル・ジオグラフィック)まで、まるで今にも天変地異が起きそうな勢いで報じられた。

 しかし、冷静なのは金融市場だった。大統領選開票日に日経平均株価が乱高下する波乱はあったものの、翌日から急激なドル高・円安が進み、ニューヨークでも東京でも株価が上昇した。経済アナリストの中原圭介氏が語る。

「勝利が決まった途端にトランプが現実路線に転換したことを好感したのです。勝利宣言のスピーチの前半はヒラリー候補が選挙戦最終日にいっていたことと変わらない。それで金融市場の担い手たちも“よかった、過激なことはしないようだ”と安心し、株もドルも反騰したわけです」

 その後も穏健な現実路線を鮮明にしている。トランプ氏は政権移行チームを発足させて人事に着手し、最初に新政権の要となる大統領首席補佐官にラインス・プリーバス共和党全国委員長を起用すると発表した。日本でいえば内閣官房長官にあたるポストで、経済政策から安全保障、議会対策などの司令塔になる。

 事前の予想では、もう一人の有力候補がいた。選挙陣営のトップを務めたスチーブン・バノン氏で、選挙中の過激な政策はバノン氏の振り付けとされる。

 トランプ氏がどちらを選ぶかで「過激なドナルド」のまま行くのか、それとも「穏健なドナルド」になるか政権の性格が決まると注目されていたが、共和党主流派にパイプが太いプリーバス氏を首席補佐官(バノン氏は大統領上級顧問・首席戦略官に就任)に指名して議会運営重視の姿勢を明らかにした。これでまた株価が上がった。

※週刊ポスト2016年12月2日号

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