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ポケモンにくまモン、地場産品も 復興支援の形は無限

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 被災した農家をどのように励まし、支えるのか。全ての「知恵」を投入した支援策を、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が紹介する。

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 災害からの復興支援の形が変化しつつある。災害直後の「寄付」や「義援金」といった直接の支援だけでなく、「観光客誘致」「御礼行脚」「生産者支援」など支援やPRの形が多様になってきている。

 東日本大震災の復興支援で「ポケモンGO」を運営するNianticが岩手、宮城、福島の3県の沿岸部で、11月23日までレアポケモン「ラプラス」の出現率をアップさせている。めったに出現しないレア物が取り放題とあって、ユーザーが沿岸部へと詰めかけ、観光客の誘致に一役買う形となった。

 一部に「ラプラスばかりが注目を集め、震災の記憶の風化を防ぐ本来の目的が達成できたかには疑問が残る」(日経産業新聞11月17日付)との見方もあったが、初回からパーフェクトな施策を求めるほうがどうかしている。震災後、いまだ観光客の客足が戻りきらない沿岸部を多くの人が訪れ、被災地をめぐるバスツアーも催行された。むしろ今後、どう改善しながら継続的な支援につなげるか、

 一方、11月11日、熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」が茨城県庁を訪れた。目的は、今年起きた熊本地震の被災地支援へのお礼を伝えること。「くまもとから感謝をプロジェクト!」と銘打ち、熊本を除く全国46都道府県を3年かけてめぐるという。2016年度は北海道、宮城、愛知、沖縄など16道県を訪問。残り2年で30都府県を巡る予定となっている。支援元の自治体との関係を深め、熊本の復興状況をアップデートする機会にもなる。

 遠い地域で起きた災害の記憶は薄れやすい。くまモンという強力なアイコンあってこその施策ではあるが、訪問先のローカルニュースなどで取り上げられ、結果、熊本が想起されることになるはずだ。

 11月4日東京、11月12日京都で「ガンバレ十勝 チャリティダイニング」というチャリティイベントが行われた。芽室、十勝清水、新得の3つのJAから十勝のさまざまな農畜産物が集められ、東京・京都合わせて60人の料理人が220人の参加者に向けて料理を振る舞った。しかも「食べて応援」というだけではなく、ネット通販を使ったクラウドファンディングにつなげるための見本市。目的はJA十勝清水町のネットショップ内に設けられた「チャリティ頒布会」だ。

 決済した金額に応じて、十勝の産品の詰め合わせが送られてくる。一見、通販モデルのようでもあるが、狙いは被害を受けた生産者と消費者をつなぐ仕組みづくり。十勝を襲った台風は、農地などに甚大な被害を及ぼし、その復旧には数年~10年以上もかかると言われている。離農の危惧すら囁かれるなか、多角的に生産者を支えようという試みだ。

 今年福島を訪れた時、「忘れられるのが一番怖い」と言った住民がいた。十勝に行った時には「中央はおろか、道内ですら被災状況がどこまで伝わっているか」と不安そうな生産者にも会った。

 現代に生きる日本人にとって、東日本大震災まで災害はどこか他人事だった。地震や台風などによる被害も、その他のエリアに暮らす者にとっての影響は限定的だったからだ。だが震災、特に原発事故を契機に「食」が地続きであることが再確認され、遠くの災害を自分事として捉える気運も高まった。

 人は忘れる生き物だ。位置情報ゲーム、マスコットキャラクター、クラウドファンディングに地場産品……。使えるものはすべて使って記憶にとどめる。それ自体がすでに支援であり。そのためのリソースは必ずある。そして復興支援の形も無限にあるはずだ。

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