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ガンダムファンにはおなじみ 歌手・森口博子の実力

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、バラエティーだけではない、歌手・森口博子の実力を考察。

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 ディナーショーの人気度や料金ランキングが取りざたされる時期がやってきた。今年の目玉はなんといっても中森明菜で、「声も全盛期に戻った」とも報じられている。つまり体調がいいので“ドタキャン”の心配もなくなったということだ。

 彼女は小泉今日子、堀ちえみ、早見優、石川秀美ら、大手芸能プロダクションやレコード会社が「聖子に続け!」とばかりにイチオシを揃えた「花の82年デビュー組」の一人。前年10月にデビューしていた松本伊代も、この中に含まれている。

 新人賞は熾烈な争いで、デビューの年、中森明菜だけが無冠に終わっている。その後の歌手人生において、本当に色々なことがあった彼女だが、松田聖子と共に、いまも歌い続けている数少ない“アイドル”の一人だ。

 その「82年組」に「追いつき、追い越せ」でデビューした女性アイドルは、なぜか「バラドル」として活躍する者が多い。「おニャン子クラブ」の台頭で、音楽ランキングの主役は彼女たちになり、その一方で、『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)での素のトークがファンや視聴者にウケるように…。

 果たして、アイドルとしてデビューしたのに曲があまり売れなかったり、歌える場が少なかったりした松本明子、井森美幸、山瀬まみ、松居直美、島崎和歌子、そして森口博子らがバラドルとして活躍するようになったのだ。彼女たちの多くはなぜかモノマネが上手いという特徴もある。

 なかでも森口は、モノマネも器用にこなし、バラエティー番組の中での“なりきり”ぶりに人気が集まった。その証拠に、彼女はあのSMAPと共に人気番組『夢がMORIMORI』(同)に出演していた。このタイトルは、森脇健児、森口博子、そしてSMAPの森且行の頭文字からなり、『SMAP×SMAP』がスタートする前まで、SMAPが「バラエティーのいろは」を叩き込まれた番組と言える。

 つまり森口博子はSMAPにとって、「バラエティーの姉さん」的存在だった。バラドルの女性たちがそうであったように、SMAPも歌番組の激減により、バラエティーに活路を見出さざるを得なかったアイドル。なんとか爪跡を遺そうと必死に頑張っていた彼らに、森口はバラエティーのスピードや緩急、恥ずかしがらずにやり抜くことなどを身をもって教えていたのだと思われる。

「でも、彼らがアラフォーになってから御一緒したら、『森口さん、大丈夫ですか?』『もうちょっとですよ』などと、私の身体を気遣ってくれたり、労わってくれたりする言葉をかけてくれて…。月日を感じました」と森口は言う。そして「彼らは大丈夫」「尊敬している」とも。もっとも近くでSMAPを見てきた森口だからこその言葉だと思った。

 さて、件のバラドルたちの中で、唯一、真摯に歌手活動を続けているのが森口博子だ。2000年代に入っても、8枚のシングルと3枚のアルバムを出しているし、今年9月に発売された『ザ・ピーナッツ トリビュート・ソングス』でも、森口は『大阪の女』で参加している。また、『アニー』をはじめとするミュージカル出演や、ジャズクラブでのライブも行っていて、今年2月、老舗のジャズクラブ『銀座Swing』に出演した際も、大人の佇まいと歌声で多くの観客を魅了した。

 その森口が11月16日、新曲をリリースした。11月19日から全国15館で限定2週間、イベント上映される『機動戦士ガンダム ORIGIN IV』の主題歌『宇宙(そら)の彼方で』を16日にリリース。そのミュージックビデオが『GYAO!映像デイリーランキング』で1位を獲得したのである。

 森口とガンダムの関係は深く、長い。1985年、森口のデビュー曲が『機動戦士ガンダム』の主題歌、『水の星へ愛をこめて』だった。
「その後も、20代、30代、40代と節目節目でガンダムを歌わせていただいているんです」と言うが、91年に大ヒットし、『NHK紅白歌合戦』に出場するきっかけにもなった『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』までは泣かず飛ばずで、「事務所からリストラ宣告をされた」こともあったそうだ。

 それから数年後、赤文字系雑誌の美容ページで、森口の“人生折れ線グラフ”と髪型の変遷を見た記憶がある。「グラフが下降しっぱなしだった頃は、ずっと三つ編みにして、帽子をかぶって、なんとか多くのみなさんに顔を覚えていただこうと必死だった」と森口は振り返る。

 果たして、「またガンダムを歌いたいなぁ」と思っていた今年、ガンダムの製作会社で主題歌を誰に歌わせるかという会議が行われ、その内の一人が森口の名前を出したところ、「満場一致で決まったと聞いて涙が出ました」と森口は目を潤ませた。

 それは森口のファンの総意でもあったそうで、「ファンのみなさんの多くがTwitterやブログなどで願ってくださっていたことが叶ったんです」と、またさらに目を潤ませた。

 歌手活動の一方で、タレントとしてバラエティー番組に出演し、CMでは『命の母A』のキャラクターとして“更年期トーク”を繰り広げている森口博子は独身を貫き、今年48歳になった。

 歌番組は相変わらず少ないし、CDも売れなくなって久しいが、地道に歌手活動を続け、新曲をリリースし、MVが話題になり、映像デイリーチャートで1位に…。これは森口にとって、大きな勲章になったことだろう。

 間近で会うと、相変わらずスリムで美肌でチャーミングで「奇跡の48歳」と言っていい森口が伸びのある声で歌い上げる『宇宙の彼方で』は、ガンダムのファンや製作者を含めた人々、森口ファン、そして森口博子本人にとって、また忘れられない一曲になったに違いない。

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