指を失っても栗城史多が登山をネット中継する理由

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指を失っても栗城史多が登山をネット中継する理由
J-WAVEで放送中の番組「AVALON」(水曜ナビゲーター:満島真之介)。今週は「挑戦者から学ぶポジティブな生き方」をテーマに、さまざまな分野で「挑戦」している方々から、前向きに生きていくための方法を学んでいきます。11月16日(水)のオンエアでは、エベレストで凍傷にかかり大けがを負っても挑戦し続けている、登山家・栗城史多さんをゲストにお迎えしました。

栗城史多さんは1982年北海道生まれの34歳。大学在学中の22歳のときに、北米大陸最高峰のマッキンリーに単独登頂。その後、世界6大陸の最高峰に単独登頂、8,000メートル級峰の4座を無酸素・単独登頂に成功し、順調な登山家人生を歩んで来ましたが、2012年に秋季エベレストでのチャレンジで両手、両足、鼻が重度の凍傷となり、手の9本の指を失いました。それでも栗城さんは現在もエベレスト制覇に挑み続けています。

そんな栗城さんが、これまでの人生で乗り越えてきた3つの壁があります。1つ目の壁は意外にも「失恋の壁」。登山を始めたきっかけは「彼女にフラれたから」だそうです。もともと、山には興味がなく、東京に出てきてやりたいことに挫折をしてニートになった…そんなときに2つ年上の彼女が地元の北海道にでき、結婚も考えていたそうです。

「(結婚相手は)車を持っていて、公務員がいい」という彼女の期待に答えるために北海道に帰って大学に入り、アルバイトで車を買ったものの、「2年間付き合っていたけど、あんまり好きじゃなかった」とフラれたそうです。その後、原因不明の高熱で1週間うなされたときに「何かやらないと」と、夢やチャレンジを探して見つけたのが“山”でした。「その彼女が山登りが好きな人で…未練かもしれないけど、その世界の覗いてみたい」と、山岳部に入ったのが山を登り始めたきっかけだったそうです。

2つ目の壁は「お金の壁」。海外の山登りには、入山許可料や現地スタッフを雇う予算など、お金がかかります。エベレストに登るには入山許可証だけで、1人1万ドル(約109万円)も必要だとか! さらに生中継をする撮影スタッフや、コックさんも連れて行かなければなりません。そんな栗城さんのスポンサー探しは「企業に電話したりアポ無しで会いに行く」というもの。もし断られたとしても、その社長さんにお友達を紹介してもらうそうです。これで応援してくれる人に会える場合もあるそうで「怖がる必要はなく、怒られてもいいから行き続けること」が、この「お金の壁」を越えるために大切なことだと言います。

そして3つ目は「凍傷の壁」。重度の凍傷で10本のうち9本の手の指を失った栗城さん。一説によると、人間は極寒の極限状態のときに脳を守る防衛本能から、体の末端に使う酸素を減らす結果、凍傷になるそうです。標高8,070メートル、風速30メートル、マイナス30℃、体感温度マイナス60℃の極限状態で凍傷になったことも、「指が脳と命を守ってくれた」と今では思っているそうです。指を切断する前には、「命の恩人」といえる指の再生治療を行うために1年以上病院を探し、最終的に指が5ミリ再生。その結果、靴のひもが結べるようになったそうです。

「成功だけじゃなくて、失敗や挫折をみんなで共有することで、ポジティブにチャレンジできるんじゃないか」と語ってくれた栗城さん。

栗城さんのアツい話に触発されたリスナーからは、「どのようにして自分なりの生き方や考え方を作り上げていったのですか?」「どうすれば自分を好きになれますか?」などのメッセージが届き、後半はそれらの質問に栗城さんが回答するオンエアとなりました。

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【番組情報】
番組名:「AVALON」
放送日時:月・火・水・木曜 22時−23時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/avalon/

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