仕事中のどうしようもない怒り キレる前にやるべきこと

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毎日を穏やかな気持ちで過ごしたいという思いは誰もが同じ。でも私たちの心はつい「マイナス感情」に支配されてしまいます。

なかでもやっかいなのが「怒り」です。朝感じた怒りを引きずって、一日中イライラしながら過ごした経験はありませんか?

ただ、『アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術』(集英社刊)によると、「怒り」は自分でコントロールできる感情でもあるようです。

今回はその秘訣を探るため、本書の著者で日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんと、ウォーキングトレーナーとしておなじみのデューク更家さんにお話をうかがいました。

――まず、お二人の組み合わせが意外だったのですが、一緒に本を作ることになったいきさつからうかがえればと思います。

安藤:僕が代表理事をしている「日本アンガーマネジメント協会」にはファシリテーターという、アンガーマネジメントを教える資格を持っているメンバーがいるのですが、その一人がデュークさんのお弟子さんでもあったんです。

そのメンバーは以前から、デュークさんが提唱している「デュークズウォーキング」とアンガーマネジメントは相性がいいと言っていました。僕の方も体を使う方向にアンガーマネジメントを展開していきたいと思っていたので、このご縁を生かして企画を進めよう、となったんです。

デューク:僕のところには「師匠、アンガーマネジメントはいいですよ。うちのエクササイズとものすごく合います」って言ってきました(笑)。その縁がきっかけでしたね。

――共通のお弟子さんが縁をつないだんですね。

安藤:そうですね。それで、昨年の8月に初めてお会いして、デュークさんの活動の観点から、「怒りを感じにくい体質づくり」をテーマにエクササイズを作ってもらえないか、という話をしたところ、思い浮かんだものがあったようで、すぐに引き受けてくださって、本のための新しいエクササイズを考えてくださいました。

――デュークさんの活動は基本的に体にアプローチするものですが、「怒り」は精神面の問題です。「怒り」と「体の動き」にはどのような関係があるのでしょうか。

安藤:よく知られているところだと「表情フィードバック」がありますよね。

悲しい時に無理矢理にでも笑顔を作ることで、笑っているという信号が脳に送られて、脳が「楽しい」と錯覚するという。そうなると実際楽しい気持ちになってくる、というものです。

「楽しいから笑顔になる」というのはもちろんそうなのですが、「笑顔を作るから楽しくなる」ということも言えるんです。そこから考えると、心を整えれば体も整うのと同時に、体を整えることで心も整うはずです。それがこの本でやりたかったことでした。

――デュークさんにもご意見をうかがいたいです。

デューク:体って縮こまったり固まったりすると、思い切り強く動かしたくなるじゃないですか。怒りはまさに体が固まる典型で、怒りが爆発するというのは、怒りによって固まった体を元に戻そうという動きでもあるんです。

ならば、普段から体全体をゆるめて、固まりにくくしておけばいい。これが怒りにくい体を作るための考え方です。腕も背中も日頃からよく伸ばして可動域を広げておくのはもちろん、リズムよく声を出しながらそれをやることで呼吸も整いますから、試してみていただきたいですね。

――主にメンタルにアプローチするアンガーマネジメントの手法も紹介されています。これは「怒り」だけでなく「不安」や「悲しみ」など、マイナス感情全般に効果がありそうです。

安藤:怒りというのは二次的な感情なんです。その前には不安や悲しみ、苦しみといった一次感情があって、何かのきっかけでそれらが怒りに変わる。

なので、怒りをコントロールできるようにするということは、第一次感情である不安や悲しみをコントロールすることに通じるものがあるはずです。

――タイトルにある「6秒で怒りを消す」というフレーズですが、この「6秒」にはどんな意味があるのでしょうか・

安藤:怒りは脳の扁桃体というところで生まれるのですが、その後に前頭葉の働きで理性が介入しようとします。怒りの情動に対して「いや、ちょっと待て」ということですね。

この理性の介入までに数秒かかると言われていて、それまで我慢できれば、怒りはだんだん収まっていきます。秒数については諸説あるのですが、僕たちは「6秒」としています。

――この6秒を耐えるためにどんなことをすればいいのでしょうか。

安藤:もちろん「ただ待つ」というのでもいいですし、手を握ったり開いたりを繰り返して気を逸らすという方法もあります。怒りをやわらげるツボを押して6秒間をやり過ごすという方法も紹介しています。

アンガーマネジメントが上手になってくれば、頭の中だけで6秒間待てるようになるのですが、慣れるまでは体を動かすやり方の方がいいかもしれません。「6秒間の過ごし方」については本の中で詳しく解説しているので、自分に合いそうなものを選んで試してみていただきたいですね。

(後編につづく)

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