結婚したくない若者の増加で、今後の住まいは変わる!?

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結婚したくない若者の増加で、今後の住まいは変わる!?

国立青少年教育振興機構が全国の20代・30代男女に調査したところ、未婚者の約2割が「結婚したくない」と回答していることが分かった。一方、東京ガス都市生活研究所では、就業している子供が実家に住み続けるケースに着目して、そのライフスタイルを調査した。最近では家族の形態が多様化しており、今後の住まいのあり方にも影響を与えそうだ。【今週の住活トピック】

「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」を公表/国立青少年教育振興機構

都市生活レポート『 大人ファミリーのライフスタイル~「両親+社会人の子供」からなる家族の暮らしと住まいづくりの実例~ 』を発行/東京ガス株式会社都市生活研究所

7年前より急増する「結婚したくない」「子供は欲しくない」若者たち

まず、国立青少年教育振興機構の調査結果を見てみよう。

未婚者の結婚願望について、今回(平成27年度)調査と平成 20 年度調査の結果を比較すると、「早く結婚したい」と「いい人が見つかれば結婚したい」の割合が低下する一方で、「結婚したくない」の割合が大きく伸びて17.8%になった(画像1)。

また、子供がいない人の現在の子育て願望について聞くと、「結婚したらすぐにでも欲しい」や「夫婦2人の生活を十分に楽しんだ後に欲しい」の割合は微減で、「夫婦生活が安定したら欲しい」が大きく低下するのに対し、「子供は欲しくない」は大きく上昇して21.9%になった(画像2)。

こうした「結婚願望の低下」や「子育て願望の低下」は、男女別では男性で、年収別では年収の低い層で、特に強く見られることも分かった。【画像1】結婚願望の推移(平成 20 年度調査との比較)(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」) 【画像1】結婚願望の推移(平成 20 年度調査との比較)(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」)【画像2】子育て願望の推移(平成 20 年度調査との比較)(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」)

【画像2】子育て願望の推移(平成 20 年度調査との比較)(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」)

また、「交際中」の人が結婚していない理由について、それぞれどの程度当てはまるか聞いたところでは、「経済的に難しい」が63.8%(とても当てはまる31.7%・やや当てはまる32.0%)で最も高く、経済的な事情も背景にあることが浮き彫りになった。【画像3】結婚していない理由(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」)

【画像3】結婚していない理由(出典/国立青少年教育振興機構「若者の結婚観・子育て観等に関する調査」)

経済的にも生活的にも支援を受けている、両親と同居する就職した子供

一方、東京ガスの都市生活研究所は、「65歳未満の両親と学業を終えた未婚の子供が同居している世帯」を「大人ファミリー」と定義し、そのライフスタイルについて調査を行った「大人ファミリーのライフスタイル」というレポートを公表している。

レポートによると、両親と同居している子供は、人数は1人(68.3%)、最年長の子供の年齢は25歳~29歳(50.4%)が最も多く、性別は男女ほぼ半数。また、子供の職業は「会社員・公務員」が66.1%で、契約社員や自営業、アルバイトなどを含めて何らかの形で働いしてる子供は9割以上だった。

就職した子供と一緒に住んでいる理由では、「子供が出ていかない」「経済的に非効率」といった理由が挙がり、子供と同居して経済的支援や身の回りの世話を続けていることがうかがえる結果となった。【画像4】就職している子供と一緒に住んでいる理由(出典/東京ガス都市生活研究所『 大人ファミリーのライフスタイル』) 【画像4】就職している子供と一緒に住んでいる理由(出典/東京ガス都市生活研究所『 大人ファミリーのライフスタイル』)【画像5】子供に家を出てほしいか(出典/東京ガス都市生活研究所『 大人ファミリーのライフスタイル』)

【画像5】子供に家を出てほしいか(出典/東京ガス都市生活研究所『 大人ファミリーのライフスタイル』)

では、こういった状態を親たちはどう見ているのだろう? 子供が家を出ていくことについて、父・母どちらも半数近くが「出ても出なくてもどちらでもよい」と回答している。

子育てファミリーが家族形態の一般系だった時代は終わる!?

これらの調査を見ていくと、家族形態の多様化が見て取れる。

結婚したがらない若者、子育て願望の低いカップルがじわじわと増えている一方、実家から出たがらない子供にそれを許容する親もいて、大人だけが暮らす家族形態も増えている。

わが国では長い間、夫婦に小さな子供2人の4人家族を持ち家のモデル家族とする傾向があった。しかし最近では、高齢層も含めた単身世帯の増加や、ひとり親と小さな子供の世帯、親と成人した子供の世帯なども増加し、多様な家族形態が暮らすようになっている。

家全体の大きさや個室の持ち方、間取りの取り方なども、住む実際の家族形態に応じて変わっていく必要がある。例えば、高齢者を含み単身世帯が増えているので、「長く快適に住める単身世帯向きのコンパクトな住まい」の需要もあれば、大人だけの世帯では「寝るだけでなく趣味の時間も過ごせる個室がそれぞれにある住まい」、ひとり親世帯では「子供の気配を常に感じられてコンパクトな住まい」といったニーズも考えられる。

これからの住まいは、多様な家族形態を考慮した多様性や可変性が求められるようになるだろう。
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