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そこは「たこせんべい」の楽園だった! 明石~淡路島「たこせん」の旅

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大阪に住む友人からこんなことを聞いた。

「明石に行ったら、そこら中で『たこせんべい』売ってるんですよ。『たこせんの自販機』まであります。明石の『たこせん』、うまいんですよ!」

兵庫県明石市。私の住む大阪からも近く、JR大阪駅から明石駅まで40分弱で着く。明石と言えばタコ、というのは確かに聞いたことがあるが、「たこせん」のイメージはあまりなかった。ちなみにここで言う「たこせん」とは、たこ焼きをせんべいで挟んで食べる大阪ならではの食べ方を指すのではなく、タコをプレスして焼き上げた煎餅そのもののこと。

明石に「たこせん」を食べに行く、目的はそれだけ。そんな日が人生に一日ぐらいあってもいいかもしれないなと思い、ある晴れた日の朝に大阪から明石へ向かった。

明石駅前「魚の棚商店街」はタコだらけ

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電車の座席でウトウトしているうちに気づけば明石駅だ。なるほど、駅の売店では何種類もの「たこせん」が売られている。

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駅を出て徒歩数分の位置にある「魚の棚商店街」を歩いてみる。

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いたるところにタコ看板。

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ここにも、

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あそこにも。

鮮魚店の店頭では串に刺したイイダコを売っていたり、天ぷら屋さんの店先ではタコ天が売られていたりとタコ尽くしの食べ歩きができそうだ。

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見上げれば商店街の明かりもタコの形じゃないか? これ。

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タコグルメがこれでもかとたくさんある商店街ではあったが、肝心の「たこせん」は見かけず、とりあえず、炙ると美味しいというタコの干物を買う。

このまま商店街で食事して帰るだけも楽しそうだけど、「たこせん」でお腹を一杯にしようと思ってやってきた身として、これでは気が済まない。ぜひとも写真に収めたかった「たこせんの自販機」も見当たらないしな。

淡路ジェノバラインで淡路島へ

前述の友人が「淡路島に『たこせん』の聖地がありますよ! 『たこせん』試食し放題なんです」と言っていたことを思い出しながら歩いていると、淡路島行きの高速船の乗り場にたどり着いた。

よし! もう、勢いでこの船に乗ってしまおう。

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「淡路ジェノバライン」は、明石港と淡路島の岩屋港を結ぶ高速船。運賃は片道500円で、乗船する時はいよいよ遠くへ旅立つような気合だったが、13分であっという間に淡路島に到着。

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とはいえ、明石大橋の下をくぐって進んでいく船からの景色は素晴らしく、短時間でも旅情を掻き立てるものがあった。

岩屋港に着いたはいいが、ここからどう移動していいものかも分からずに来てしまった。ターミナル内に併設された観光案内所の係の方に「すみません。何か、『たこせんべい』の何かがあると聞いたのですが」とたずねると、「『たこせんべいの里』ですね。そこに行かれるならえーと」と、バスの時刻表をいくつも出しながら説明してくれた。

そこまではバスを乗り継がなければならないらしいのだが、本数があまりないため、バスを待つのにだいぶ時間をロスしてしまうという。「それだったらここから歩いた方がいいかもしれません」などと教えてもらいながら、路線バスを乗り継ぐテレビ番組に出演しているような気分を味わった。

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私が乗るべきバスが来るまで1時間近くあるとのこと。ターミナル2階の食堂で食事をして待つことに。メニューの中に「カニミンチラーメン」という見慣れないメニューがあったのでそれを注文したのだが、かなり粘度の高いあんかけがかかったラーメンで、そのあんかけの中にほぐしたカニの身が入っている。

これがなかなか美味しかった。と、余談はさておき、先を急ぐ。

牛具一色……ぎゅうぐ!?

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目指す「たこせんべいの里」は、縦に長い淡路島の半分よりちょっと上ぐらいの位置、淡路市中田という地にあるようだ。バスの窓からは海も見え、なんだか贅沢な気分。

「志筑」という駅で降り、ここから別のバスに乗り継ぐ手もあるのだが、徒歩40分ほどだというので、まあ天気も良いし歩くことにした。

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どこかのどかな空気の漂う町並みを歩きながら、少し疲れた時には明石の商店街で買ったタコをかじって歩む。スルメイカよりも若干甘みがある。

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途中に「牛具一式」と書いた看板があった。

牛具? ぎゅうぐ? まったくイメージが浮かなばなかったが、後で調べると、牛につける鼻輪などを売っているのだそうだ。牛の飼育用品ということか。淡路島には「淡路ビーフ」というブランド牛があるし、養牛もさかんなのである。

目的地、「たこせんべいの里」へ

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さて、ようやく「たこせんべいの里」が見えてきた。

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予想以上に大きな建物で、中に入るとたこやえびを使った様々な種類のせんべいが売られている。

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どれも、業務用(なんの業務だ?)かと思うような大きな袋に入っており、しかも一袋300円台~600円台ほどの値段だ。すべて試食可能で、食品保存容器に入ったせんべいをトングで取って食べられる。

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さらには店内にテーブルと椅子が設置されていて、お茶とコーヒーが無料だという。

取材当日は、バスツアーでいらしたと思われる年配の方々で店内は大賑わい。みな片っ端から試食して、両手いっぱいに買い物をして行く。私もそんな方々のエネルギーに感化され、気づけば紙袋いっぱいの「たこせん」を購入していた。

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ちなみに、店内から工場内を見学することもできる。取材時には工場がお休みで残念だったのだが、ここに来れば、「たこせん」の生まれる瞬間を目撃できるわけだ。

お店情報

たこせんべいの里

住所:兵庫県淡路市中田4155-1

電話番号:0799-60-2248

営業時間:9:00~17:00

定休日:無休(大晦日は15:00まで)

ウェブサイト:http://www.takosato.co.jp/shop/


実はバリエーション豊かな「たこせん」

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「たこせん」をどっさり抱えた状態で店を後にし、すぐ近くの「赤い屋根」という施設へ。

こちらは新鮮な魚介類や玉ねぎをはじめとした淡路島の特産品が揃うショッピング施設なのだが、中をのぞくとまたさまざまな種類の「たこせんべい」が売られていて、どれも美味しそうなのでいくつか購入。

今、私の荷物の中に合計何枚の「たこせん」があるのだろう。1,000枚ぐらいあるかもしれない。

近くのベンチに座って食べ比べてみる。

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大きく切られたタコが入っていて、さっぱりしつつも後を引く塩加減に抑えてあるもの。

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少ししょっぱめで、お酒のアテに最高だろうなというもの。

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塩気は控えめで、タコの風味が非常に濃厚なもの。

とそれぞれに個性があり、食べ比べが楽しくて仕方ない。1枚1枚はそれほど厚みもなく、サクサク食べれるので止まらない。

「たこせん」最高!

お店情報

赤い屋根

住所:兵庫県淡路市中田4139-4

電話番号: 0799-62-7245

営業時間:9:00~17:00

定休日:不定休

駅ビルの自販機でも「たこせん」が……

岩屋港の観光案内所で、帰りは来た道を引き返すのではなく、「津名一宮インターチェンジ」というバス停から高速バスで「舞子駅」まで行った方が早いと教わった。舞子駅からはJR神戸線が出ていてそのまま神戸・大阪方面へ帰ることができる。

その行き方に従って高速バスに乗ると、あっという間に「舞子駅」に到着。舞子駅直結の「Tio舞子」という駅ビルには展望スペースがあり、目の前に明石大橋と海が広がっている。

ちょうど日没が近かったので、少し眺めていくか、と歩いていると……。

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あった! 「たこせんの自販機」!

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買いたい商品の番号ボタンを押して購入するタイプの自販機である。

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もちろん購入。

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そして沈みゆく夕日を見ながら早速1枚。

これはこれで、またうめえー!!

サンセット、そして「たこせん」。旅の終わりを感じてなんだかセンチメンタルな気分に。

明石駅~淡路島~舞子駅と、「たこせん」だけを目的に慌ただしく旅したが、なんだかいい流れで時間を過ごすことができた気がする。綺麗な海もたくさん見ることができたし、その海の恵みをぺったんこに凝縮した「たこせんべい」もたらふく食べることができた。

みなさんもぜひ、明石や淡路島にお越しの際には「たこせん」を食べ比べてみて欲しい。

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:スズキナオ

スズキナオ

1979年生まれ、東京育ち大阪在住のフリーライター。安い居酒屋とラーメンが大好きです。exciteやサイゾーなどのWEBサイトや週刊誌でB級グルメや街歩きのコラムを書いています。人力テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーでもあり、大阪中津にあるミニコミショップ「シカク」の店番もしており、パリッコさんとの酒ユニット「酒の穴」のメンバーでもあります。色々もがいています。 Twitter:@chimidoro

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