【驚異】映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」のラスト1カット十数秒の長回しが凄い / 唯一無二の職人・山口雅俊監督

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映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」が公開され、いまだに客足が絶えない状況が続いている。2016年10月22日に公開し、もうすぐ1か月が経過しようとしているにもかかわらず、いまだに多くの観客が劇場に足を運んでいるのである。

・観客の女性率が高い
しかもこの映画、「闇金」というダークなバックグラウンドで、さらに「バイオレンス」が繰り返され、「ダメ人間」ばかり登場する作品であるにもかかわらず、観客の女性率が高いのはなぜか? 男性がスタッフロールで涙を流すのはなぜなのか?

・登場人物の下地がヒールでありダーティー
正直、主人公のウシジマをはじめとする登場人物への感情移入は非常に難しいかもしれない。ほとんどの登場人物の下地がヒールでありダーティー、そしてネガティヴ。そんな登場人物たちに感情移入することは難しい。おそらく、観客の多くが登場人物に感情移入せず、第三者として、ひとつ壁を隔てて観ていたはずだ(最初から感情移入していた人には謝罪する)。

・ラスト1カット十数秒の長回し
だが、この映画、ラストのラストで「感情移入が難しい」という壁を見事に破壊した。「ラスト1カット十数秒の長回し」が持つ破壊力の凄まじい事よ。共感するつもりがなくても、暴力的かつダーティーな行為を理解できなくても、「ラスト1カット十数秒の長回し」が観客の心をウシジマと同化させ、涙を流させるのだ。

時計の短針と長針は回転速度が違うものの、必ず1分間に1度は重なり合う。「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」はまさにそれで、短針と長針が重なり合うシーンをラストのラストにもってきた。

・心の琴線に触れた瞬間
この映画の完成度が高いのは、山口雅俊監督の力が大きいはの確かだ。山口監督は、少年時代から裏世界にどっぷりと浸かったウシジマが一貫して意志(ポリシー)を貫く姿を描きつつも、人間的な「心の琴線に触れた瞬間」も併せて描写し、観客とウシジマを同化させた。

・パーフェクトに近い作品
もちろん原作あっての映画だが、「単なる非道ではない」という、たった数文字の言葉を薄っぺらではないカタチで映像表現することの難しさ、山口監督はそれを実現しているのだ。「漫画を超えた」というと原作ファンに怒られそうだが、漫画を読まずして観にきている観客も多く絶賛しており、その点においては映画作品としてパーフェクトに近い作品に仕上がっているのは間違いない。

山口監督が、数少ない「ファンからサインを求められる日本の映画監督」なのも理解できる。監督であり、匠であり、そして職人だ。

・素晴らしいヒューマンドラマ
日本人は愛というと恋愛をイメージさせることが多いかもしれないが、この映画は「友情」という愛が「意志を貫く意思」との間で揺らぎ、葛藤の末、その結論を出すヒューマンドラマ。そう書くと安っぽく感じるかもしれないが、ラストに至るまでのディープな背景を付加すれば、近年まれに見る「人間映画」であることを理解するはずだ。人の「心の揺らぎ」を観たいならば、この映画を観ずして何を観る。山口監督とすべての関係者に敬意を表したい。

もっと詳しく読む: 映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」のラスト1カット十数秒の長回しが凄い / 唯一無二の職人・山口雅俊監督(バズプラス Buzz Plus) http://buzz-plus.com/article/2016/11/14/ymkn-ushijima-movie/

執筆: 桃色のガンダルフ

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