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混乱の韓国 日本のネットでも同情される末期的状況

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 これまで韓国政権は、「反日」カードを人気とりやスキャンダルの火消しに利用してきた。ところが、最近の様子はちょっと違う。日本のネット民の様子から浮かびあがる韓国の状況について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
 朴槿恵大統領と「青瓦台の女帝」こと崔順実容疑者をめぐる一連の問題は、大規模デモにも発展。朴氏の支持率が5%となるなど、もはや政権の体をなしていない。崔氏の逮捕容疑は職権乱用と詐欺未遂だが、朴氏も検察の捜査を受ける意向を示した。

 年末の日中韓首脳会談も韓国がこの体たらくではやる意味もなさそうだが、燃え上がる韓国の状況に対し、韓国ネタ(批判or罵倒)が伝統的に盛り上がる傾向の日本のネット界はどうなっているか。

 これが驚くほど静かなのである。嫌韓にまつわるネットの話題の中心と起点は2ちゃんねるの書き込みであることが多い。ここでいかに盛り上がるかが、SNSなども含めネットの各所で盛り上がるかに影響する。

 2ちゃんねるの「ニュース速報+」で盛り上がっているテーマが分かる「2NN」というサイトを見ると、11月8日朝7時段階で最も盛り上がっているのが神宮外苑のイベント会場で展示物が燃えて5歳男児が死亡した件で、この話題については約5万4000件のコメントが書き込まれ、平均書き込み数は1時間あたり767件。

 今回の韓国がらみの事件でいえば、最も書き込む勢いが強いのが、崔一家の財産没収に関する特別法を韓国野党が推進する件だ。これは書き込み件数591件で、1時間あたり50件。まったく盛り上がっていない。

 盛り上がらぬ理由は「反日」が登場していないことに尽きる。韓国は余裕があれば反日的言動を取り、政権も支持率回復を狙う際は反日を用いる。朴氏就任直後で人気があった時の「加害者と被害者という立場は、千年経っても変わらない」発言や、李明博前大統領の支持率が劇的に下がった政権末期の電撃的な竹島上陸及び天皇への謝罪要求時、日本のネットには火がついた。

 その後の韓国世論がこれらの行為に賛同する様など、連日のように半島から「反日」が報告され、日本では「嫌韓」が増幅するという負のスパイラルが生まれた。韓国ネタで盛り上がるには、日本人にとっては養分たる「反日」が必要だったのだ。「反日」のない韓国ネタは日本人にとっても盛り上がるイシューにはなり得ない。

 今の朴氏が応急処置的に「反日」を言ってももはや韓国世論は収まらないだろう。「崔順実は実は日本人だった」ぐらいの事実が出てこない限り、「反日」を使う余地はない。通常、罵詈雑言が飛び交う2ちゃんねるでも、今回はあまりにもおとなしい。前出・財産没収に関する特別法についてもこんな意見が書き込まれている。

「こんなに恣意的に法律を制定できるんか 同じ民主国家とは思えんな」
「人権など1000年早いな」

 完全に突き放した意見になっているのだ。今回の騒動で韓国が民主主義国家としては未成熟であることが完全に露呈したが、サムスン製品の爆発が相次ぐなど経済的にも低迷する韓国は、「便所の落書き」とまで言われた日本のネットをもってしても、国のありようや非民主的な状況が同情されるような末期的状況になっている。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウォッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。

※週刊ポスト2016年11月25日号

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