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駅伝サイト関係者が箱根のカメラを毎朝チェックする重大理由

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 全日本大学駅伝が終わり、残すは本番の箱根駅伝のみ。今回は、箱根名物「山の5区」に大きな変化がありそうだ。今週も「EKIDEN NEWS」主宰者の“博士”こと西本武司氏が登場し、「新・山の5区」の独特な楽しみ方を指南する──。

 * * *
 次の箱根駅伝から、コース変更で5区が23.2kmから20.8kmと短くなる。この「3km弱の短縮」は箱根を大きく変える。

 2006年、小田原のかまぼこ店「鈴廣」の拡張工事に伴う変更で5区が23km超となって以降、山登りでは数々のドラマが生まれた。

 2015年は46秒差の2位でタスキを受けた青学大・神野大地が前を行く駒澤大・馬場翔大を10km過ぎで抜き去り、3人目の「山の神」となった。一方、抜かれた馬場は低体温症で失速。20km過ぎからはフラフラの走りで順位を4位まで落とし、青学大とは7分25秒の大差に。

 もし、5区が20km程度なら馬場はフラフラになる前にゴールできた。復路に強い駒澤大に逆転の余地があったはずだ(駒澤大は最終的に2位まで追い上げた)。

 2013年には名門・中央大で5区を走った野脇勇志が、やはり低体温症により21km過ぎで途中棄権した。このシード権落ちは中央大の浦田春生・監督の進退問題に発展。この騒動による、高校生のリクルート活動の出遅れが、現在の選手層の薄さにつながったとされる。

 つまり、今回の予選会での涙の敗退に繋がってくる。5区があと3km短ければ、中央大の未来は変わっていたかもしれないのだ。

 3km短くなるだけで5区の過酷さは大きく薄らぐ。同時に最短距離だった4区が18.5kmから20.9kmに延び、すべての選手に20km超のトレーニングが必要となる。選手配置の考え方は大きく変わる。

 配置を考える上で面白いのが、強豪校の“上り下り適性チェック”だ。たとえば駒澤大は月・水・金の週3回、二子玉川のグラウンドと砧公園を往復する大八木弘明監督考案の“仮想箱根”的な起伏あるコースで朝練をする。元マラソン日本記録保持者である藤田敦史コーチが自転車で伴走。選手の動きをしっかりチェックする。

 となると、本番のコースで選手を走らせて適性チェックする大学もあるのではないか。当然そんな疑問が浮かぶ。学連から試走は禁止されているはずだが、果たして本当にそうなのか。

 それを確かめるために活用したいのが、箱根町観光協会が運営するポータルサイトの「ウェブカメラ」だ。このサイトでは〈箱根湯本〉〈大平台〉〈宮ノ下〉の路上のリアルタイム映像が見られる。恐らく観光客が渋滞状況を確認するためのものだろうが、箱根駅伝関係者も年末年始、路面凍結状況のチェックなどのためにこのサイトのカメラ映像を活用しているらしい。

 そこで、私の相棒・マニアさんは最近、毎朝5時に起きて同サイトで大平台を駆け上がる、あるいは駆け下りるランナーがいないか“監視”している。サイトは30秒ごとに再読み込みが必要で、その都度F5キーを押す。それを毎日1時間ほど続けている(現状、選手らしき姿は未確認)。

 もはや「ストーカーと紙一重」と思われるかもしれないが、私たちは“最も箱根を楽しむ観客”になりたい。その一心なのだ。

 私は今年も箱根湯本から山を走って登って観戦する。膝が笑わないよう、青学大御用達のミムラボ(*)の特注シューズも用意した。箱根をとことん楽しむには、とにかく「5区対策」だ。

【*ミムラボ/アシックスでアスリート用の別注シューズを手掛けていた三村仁司氏が独立して立ち上げた工房】

※週刊ポスト2016年11月18日号

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