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ユアタイムの市川紗椰 米大統領選で株を上げたとの評価

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 何かと逆風が伝えられることの多い新番組だが、評価する声もある。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

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 話題になってナンボ。テレビの世界、そう言ってよいのかもしれない。アメリカ大統領選挙を伝えるニュースの中で、ひときわ異彩を放ち注目を浴びているのが『ユアタイム~あなたの時間~』(月~木曜午後11時半、金曜午後11時58分)でメインキャスターを務めるタレント・モデルの市川紗椰さん。

 これまでニュース番組の進行役としては「滑舌が悪い」「あまりに原稿を噛みすぎ」と、いわばネガティブな意味で注目されてきたのですが、本人がさらに自虐的なコメントをし注目を集めました。

「(トチると)隣で野島(アナウンサー)さんが、一瞬『死ねば』って目になる」と赤裸々に語った市川さん。するとその後『ユアタイム』の視聴率が一瞬、はね上がった。

 アメリカ大統領選挙の最中は、現地取材に取り組み生中継に参画した市川さん。しかし、東京のスタジオからの問いかけにうまく応じられず、「リハと勘違いしてまして」とおわび。「ぐだぐだで申し訳ないです。こちら、てんやわんやで」と慣れないリポートぶりを披露して「悪戦苦闘」とも報じられました。

 そもそもショーンK氏が中心となる予定の新番組に、サブとして登場するはずだった市川さん。ところがショーンK氏経歴詐称のドタバタ騒動で空席になってしまったMC役を、突如、市川さんが引き受けることに。あれから7か月。いまだに原稿もきちんと読めないのか、と悪評ふんぷん。

 たしかにアナウンス技術は足りないかもしれない。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼い時アメリカで生活していたから日本語よりも英語が達者かもしれない。ジャーナリストではないから現地中継でコメントする技術も不十分かも。

 しかし、市川紗椰さんには強い「意欲」と「視点」がある。

 今のアメリカは私にはこう見える。トランプ現象を取材してこう感じた、ということを表現しよう、伝えようという気迫を感じるのは私だけでしょうか?

 大統領選のさなか現地取材に入った市川さん、「クリントンは応援演説に芸能人をたくさん呼んだ。トランプは自身が芸能人だから呼ばなかった」なとど鋭いコメント。

 ヒラリー・クリントンが女性票を集められなかった敗因については、こう分析。

「初めて女性大統領になる人はもっと誇れる人であって欲しい、自分の力で勝ち取った女性になってほしい、という気持ちが、多くの女性有権者にあったからでは」

 その一言に、思わず膝を打ちました。

 ヒラリーは、女性ゆえの視点をもったしなやかで新しい大統領像にとても見えない。単なる政治エリート、女の姿をしたマッチョ政治家──多くの女性たちが感じてきた嫌悪感、違和感を、市川さんがズバっと言語化してくれたように思いました。

 かつて、アメリカの自動車産業や鉄鋼業が盛んだった地域は今「ラストベルト=錆びた地帯」と呼ばれています。そのエリアを選挙活動で集中的に攻めたことが、トランプの勝因とされていますが、実は市川さん、4歳から13歳までその「ラストベルト」のデトロイトで育った。

 だから、その場所の変化を肌で知っている。アメリカの今を実感的に理解している。実際、『ユアタイム』の中で市川さんはデトロイトの町の栄枯盛衰という意味あいも含めて「デトロイト美術館展」のレポートを担当していました。彼女なりの視点がきちんとあるのです。

 単に「下手だ下手だ」と叩いて可能性を摘んでしまうのではなくて、原稿を読む役はアナウンサーが担うなどし、市川さんの持ち味や意欲をさらに活かす形で企画化したり番組作りをする方法はいくらでもあるのでは。

 奇しくも『ユアタイム』と同時間帯の夜11時台、各局のニュースを見回すと進行役はほとんど女性ばかり。TBS『NEWS23』でキャスターを務めるのは雨宮塔子さん。当初17年ぶりの復帰と騒がれ、高い知名度と実力と美貌と注目されましたが、今では居るか居ないかわからないくらい存在感が薄い。

 テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』のメインキャスター・大江麻理子さんは、好きな女子アナランキングで1位になったこともある人気者で原稿はきっちり読む。でも当たり障りがなく独自の視点、意見、色合いを控え、優等生の枠内にきっちり収まっていて、正直面白みに欠ける。

 それに比べて市川さんには、格段の独自性と意欲、面白さを感じる。フジテレビはそもそも前番組『すぽると!』などでエンタテインメントとニュースを融合させるノリだったはず。後継番組の『ユアタイム』も個性的な風合いのニュース番組を「強み」として、面白く展開すればよいのでは?

 他のニュース番組では見られない、市川さんのこれからの活躍に期待します。

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