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資生堂 事業所内保育所の運営参入から見えるもの

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資生堂 事業所内保育所の運営参入から見えるもの

資生堂の事業所内保育への参入

待機児童の増加が叫ばれ続ける昨今、企業の中で子どもを預かる事業所内保育所の設置が相次いでいます。
化粧品の国内シェア第1位、「女性が活躍する社会」3年連続1位の大手化粧品メーカーの資生堂は、全国で事業所内保育所を運営する事業に参入することになりました。

資生堂は、保健所運営会社のJPホールディングスと新たに合弁会社を設立し、自分の会社だけではなく、全国の企業が設けた事業所内保育所の運営を引き受けたり、相談業務を行ったりするということです。
企業内保育所の設置・運営の方法には、単独で行うものや複数で行うものがあります。
また、自社の従業員の子どものみ対象とするものから地域児童、近隣企業との共同利用までケースバイケースです。
このような形で大手企業が、中小企業には負担が大きくて出来ない部分を担うのは、社会的に意義のあることです。

参入の背景

保育所を専門とする運営会社が事業所内保育所の運営を行うケースはあるものの、資生堂のように異業種からの参入は珍しいそうです。
ただその背景として、資生堂の従業員の8割は女性であり、お客様の9割も女性ということから、働く女性の活躍を支援し、働き続ける環境整備を行っていくのは企業の労働力を確保する上で、必然的な動きとも言えます。

このような働き続けるための環境整備は、これまで培ってきた社員教育を活かし続けることになり、資生堂だけではなく、多くの企業にとってメリットがあります。
優秀な女性人材の確保、人材育成のコスト低減、企業イメージ・評価の向上などの理由からも、子育て支援に力を入れている民間企業は増え続けています。

女性が働きやすい環境

国や自治体のみでなく民間の取り組みからも子育てしやすい環境づくりが広まることは、少子化問題や待機児童問題が深刻な現代において今後ますます重要になってきます。
元々、資生堂では様々な女性支援制度を行っており、その導入は1990年の「育児休業」からと極めて早い時期から行われています。
その成果は、結婚や出産・育児が理由による女性の離職率0.6%という数字にも表れています。

資生堂の経営戦略部、重責を担う管理職の女性は「残業ができないなど時間的な制約はあっても、責任が伴う仕事を任せてもらえる。働く女性は子育てかキャリアの二者択一に悩みがち。でも資生堂は両方を手にできる」と話します。
国全体の女性管理職比率はようやく2桁に乗った程度です。
一方、資生堂は15年4月時点で27.2%に上り、30%の大台突破も間近です。
このように、子どもの有無などにかかわらず、様々な部署で当たり前のように女性社員が活躍する環境整備が年月を経て、はっきりと見えてきました。

資生堂の今回の取り組みは、民間企業の取り組みの先駆けとして十分評価されます。
なぜなら、これから参入してくる企業のためにも、その知恵とノウハウを社会に還元することが、重要になってくるからです。
働く女性の環境整備のために、全国にある資生堂の事業所を拠点として、地域の企業と連携することは、労働人口減少の改善にもつながることでしょう。
この動きは、活き活きと働く女性が増えるきっかけでもあるのです。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

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