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日本も“クレジットスコア”が人生を左右する時代に?

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私たちがクレジットカードを作るには、カード会社に申し込みを行い、その会社の審査を通過する必要がある。しかし、その審査は何を基準にしているのか、疑問に思ったことはないだろうか? カード評論家の岩田昭男氏に話を聞いた。

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■信用度を見極める“3C ”とは

「日本の場合、クレジットカード会社は『Capacity:資力』『Character:性格』『Capital:資産』という3Cを基準に点数をつけ評価、判断を行っています。でも、これらの数字はそれぞれの企業が持つ個人の情報をもとに算出されているため、詳しい計算方法は非公開なんです」

ただし、その類似モデルとして参考にできるのが、アメリカで導入されている“クレジットスコア”と呼ばれる信用偏差値だという。では、その算出方法とは?

「アメリカの場合は、クレジットカード会社が持つ顧客情報が、大手信用情報機関に集められていて、そのデータをもとに個人の信用偏差値(クレジットスコア)が算出されています。具体的には、過去のカードの使用履歴を確認し、返済履歴や借入残高、新規借入の有無、クレジットカードの種類などの項目を点数化しています」

各項目を合計すると850点満点になるというクレジットスコア。点数に応じて次のように分けられる。

・760点以上(プライム層)…ハイクラスのカードを作成可能
・660~759点(一般層)…一般的なカードは作成可能
・660点未満(サブプライム層)…信用力が劣る。カード作成に不利

「サブプライム層に入ってしまう主な原因は、たび重なる返済の遅れ、キャッシング支払いの滞納、常に限度額ギリギリまでカードを使用するなど、クレジットカードに対する責任感のないルーズな行動です」

しかし、平均点は680~700点といわれ、比較的高い水準を保っており、常識的にカードを使用していれば、サブプライム層に入る危険性は高くない。

「ちなみに、細かな点に配慮してクレジットカードを使うとスコアを上げられるといわれています。たとえば、利用額を限度額の20~50%に抑えて、毎月必ず使い続けることや、カードの所持数は2~3枚にして万遍なく使うこと、6カ月間は新しいカードを作らないことなどです。自身が持つ経済力と金銭管理能力の両方をバランスよくアピールできると良いでしょう」

■日本にも上陸? 結婚も左右する時代に

アメリカの場合、個人の信用を計る物差しとして、カード作成の審査以外でもクレジットスコアが利用されているとのこと。というのも、クレジットスコアの商用化を行い個人や企業に向けて販売する企業が現れ、「FICOスコア」として購入もできるのだとか。

「金融機関の場合だと、購入したスコアを住宅ローンの審査などに使用し、自社で審査を行う労力を軽減し効率化を図っています。一般企業はこのスコアをマーケティングに活用するため、お金持ちにDMを出したい時はプライム層の名簿を、貧しい人にDMを出したい時はサブプライム層の名簿を購入するなどしていますね」

確かに企業にとってはターゲティングできる名簿として利用価値が高い。その一方で、社会問題を引き起こしている部分もある。

「もともと、クレジットスコアは単なる金融機関と個人の関係を表す数字のはずが、いつの間にか個人の社会的な評価軸として機能し始めてしまいました。アメリカでは、就職や転居、結婚にもこのスコアがかかわるようになり、スコアの良し悪しが生活に大きな影響を与えたり、格差社会を拡大させたりしています。また企業が使い方を間違えると、国の経済や社会全体を揺るがしかねません。たとえばリーマンショックの原因となったサブプライムローンも、クレジットスコアを利用して借金漬けの困窮者に無理やり住宅ローンを勧めたために発生したものでした」

現在の日本は、個人情報保護を重視する体制をとっているので、アメリカのように個人情報機関からスコアが流れ、それらが生活に影響を与える心配はない。しかしながら、クレジットスコア導入の可能性は近年見られるという。

「クレジットスコア問題は日本人にとってそう遠くない出来事です。現在日本国内では、ソフトバンクが携帯電話の名簿を使ってクレジットスコアの集計を行おうとしています。そのほか、日本の政策はアメリカの『年次改革要望書』に沿って行われることが多いと言われますが、すでにクレジットスコアについて記載があります。そのため、企業が越境しやすい環境が整うTPPが施行されれば、日本での導入が一気に現実味を増すでしょうね」

便利さの陰に問題を引き起こす可能性もあるクレジットスコア。このシステムが身近なものになる未来も頭の片隅に入れつつ、私たちはクレジットカードを使っていく必要がありそうだ。

(北川佳奈/かくしごと)

(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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