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映画「マネーボール」に学ぶ、非情な上司はアリ?ナシ?

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映画は人生の教科書。日々の仕事や生活に活かしたい、たくさんの学びがつまっています。登場人物に共感し、感銘を受け、劇中のセリフやエピソードをふと思い出したりしながら、私たちはまた一段、深みのある人生を歩めるようになるのかもしれません。

さて、今回ご紹介する作品は実在の人物ビリー・ビーンをブラッド・ピットが演じた映画『マネーボール』。米メジャーリーグ、オークランド・アスレチックスのGM(ジェネラル・マネージャー)であるビリーは、統計学的見地から選手を評価し、戦略を立てる分析理論「セイバーメトリクス」を導入。低予算でチームを強化した敏腕として知られています。

今年のメジャーリーグは「ヤギの呪い」をかけられ、二度と世界一になれないと言われたシカゴ・カブスが108年ぶりの栄冠に輝くという劇的な幕切れを迎えましたが、ビリーが15年前から実践し、球界を席巻しながら「新たな常識」として定着していったセイバーメトリクスが野球というスポーツに深みを与えたことは言うまでもありません。

ただ、実話に基づくアスレチックス成功物語の影には、部下に理解されないビリーの「上司としての苦悩」がありました。性格は非情で横暴、オーナーと神様以外に耳を貸さないワンマン。そんな彼の「胸のうち」には、どういう思いが秘められていたのでしょうか。

元はドラフト1位で選ばれた「ハズレ選手」

ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)はかつて将来を嘱望された選手のひとりでした。自身を訪ねてきたメッツのスカウトに「君のような5拍子そろった若者は珍しい」「スーパースターになれる」と口説かれ、奨学生として見込まれていた大学進学をやめてドラフト1位で入団。ところがデビュー以降は思うような結果を残せず、選手として見切りをつけた苦い過去があります。

そんな彼は引退後、チームコンセプトの策定や選手の入れ替えといった球団運営を取りしきるアスレチックスのGMに就任。2001年には見事、チームをプレーオフに導きます。しかし2連勝のあとに屈辱の3連敗。あと一歩のところで地区優勝を逃してしまいます。しかも悲嘆にくれるチームに追い打ちをかけるように、チームの中心選手だったジオンビ、デーモンらを資金力で優る他球団に引き抜かれる始末。

アスレチックスにおける所属選手の年俸総額は、地区優勝を争う競合ニューヨーク・ヤンキースのわずか3分の1であり、すぐれた選手を獲得できる資金的余裕はありません。チームのスカウト陣はジオンビたちの代役を見つけ出すと強弁するものの、ベテラン勢で占められた選考会議は個々の主観が飛び交うだけの単なる「お喋り大会」に。そこで頭を抱えたビリーがまず獲得したのは、なんと選手ではなく参謀でした。

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