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【睡眠不足で老化速度UPの可能性大】徹夜を避けるべき理由

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「質の良い睡眠」を重視している方なら、睡眠不足が健康に多大な悪影響を与えることはすでにご存知ですね。

最新の研究では、たった1回の徹夜でさえ、遺伝子レベルで細胞に悪影響を与える可能性があるといわれています。しかも、睡眠不足が老化を促進する可能性もあるというのです。少しでも老化を防ぎ、健康に長生きしたい人は、睡眠不足はもとより、徹夜は絶対に避けたほうがよいのです。

DNAを調べると、老化速度が推測できる

老化には複数の要因がありますが、最新の生命科学では原因の一つを「細胞の機能低下」だと指摘しています。細胞機能が低下する理由として知られているのが「DNAのメチル化(化学的変化)」です。

DNAのメチル化とは、DNAの構成要素である4つの塩基、アデニン、シトシン、チミン、グアニン中のシトシンについている水素(H)がメチル基(CH3)に変わることで、これが起こると遺伝子の働きが制御されたり、遺伝子発現が変えられたりします。メチル化の度合いはライフスタイルや環境要因などの影響で個人差があるのだそう。

「ヒトの老化や寿命短縮はDNAの配列が変化するからではなく、ライフスタイルや環境によってDNAのメチル化が生じることで遺伝子の働きや発現に変化が起きるから」。このような考えに基づく研究は、「エピジェネティクス」研究と呼ばれて注目されています。

DNAのメチル化を追跡調査することにより、個人個人の老化速度が推測できる段階まで研究は進んでいます

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のヒト遺伝学および生物統計学者のスティーブ・ホーバス教授が率いる国際研究チームは、アメリカおよびヨーロッパの13,089人の血液サンプルからDNAのメチル化を追跡するとともに、分子的解析を用いて血液や組織の老化速度を測り、その結果と実際の年齢とを比較して被験者の寿命を予測する研究を行いました。その結果、被験者のうち5%は、生物学的老化速度が速く、結果的に寿命が短くなっていたと報告しています(※1)。

睡眠状態もDNAのメチル化(老化)に影響する

それでは、睡眠状態はDNAのメチル化にどのような影響を与えるのでしょうか。

スウェーデンのウプサラ大学では、健常で標準体重の男性15人に、2回の宿泊実験(2泊)を行い、そのうち1回は、2泊目に8時間睡眠もしくは徹夜してもらいました。そして、それぞれの宿泊の後、被験者の皮下脂肪から組織サンプルを抽出し、分子分析を行いました。

すると、一晩徹夜をした後に採取した組織からは、体内時計を制御する「時計遺伝子」と呼ばれる遺伝子の活性に変化が生まれ、メチル化したDNAの増加が報告されたのです。

また、徹夜した後には時計遺伝子の発現も変更されました。時計遺伝子は私たちの体内時計をコントロールしていますが、体内時計は睡眠と覚醒のコントロールだけでなく、血圧、体温、心拍数、摂食行動、ホルモン分泌、代謝などの他、近年では肥満や生活習慣病、免疫にまで関与していることが解明されています。徹夜は、こうした働きに影響する可能性もあるのです。

この研究から、たった1回の徹夜が私たちの健康維持に不可欠な体内時計に変化を与えたり、メチル化したDNAを増やし、老化を促進させたりすることがわかりました。

ただし、これらの変化がどの程度持続するかは不明で、「徹夜後に睡眠をしっかりとれば相殺されるかもしれない」と、研究者は指摘しています(※2)。

最後に…

体内時計を常に正常に保つことは、あらゆる病気の予防にもつながります。また、DNAのメチル化は老化速度に影響するという研究から、老化予防にはメチル化への対策が重要になりそう。

「たった一晩の徹夜ぐらい、大丈夫!」と思っているあなた。体力的には問題ないと感じていても、体内時計やDNAといった目に見えない部分では、確実に身体に有害な影響が起こっています。後になって後悔しないよう、睡眠時間はしっかり確保しておきたいものですね。

※1 Your Biological Clock: Why Some Age Faster Than Others

※2 UPPSALA UNIVERSITET

One night of sleep loss can alter clock genes in your tissues

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