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【世界のドローン42】最新のロボティクス技術を搭載したインドア専用ドローンを開発する「IFM」

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写真提供:IFM Technology

ドローンが活躍する範囲は広がり、工場や倉庫の管理に活用したいというニーズはあるものの、狭くて障害物の多い室内で問題なく自律飛行させるには、高度な飛行システムと、安定した機体の開発が不可欠になる。そんなインドア専用ドローンの開発に、あえて取り組むスタートアップが登場した。

創設者のMarc Gyongyosi氏は、小さい頃から空飛ぶロボットの開発に情熱を傾け、わずか15歳でボーイング737のフライトシュミレーターをつくり、その4年後には、ミュンヘンにあるBMWのロボティクス部門に採用されたほどの才能を持つ人材だ。その後、コンピュータサイエンスの学位を取得するためにアメリカのノースウェスタン大学へ入学した頃に、最初のドローンブームが到来。ほとんどが屋外で飛ばすドローンだったことから、インドア専用の高性能な空飛ぶロボットを開発することを思いつき、2014年に「IFM」を立ち上げた。

室内で縦横無尽に飛ばせる秘密は、GPUにあり

正確には、目指したのはロボットではなく、インドア専用の高性能なドローンの開発。当時、屋内ではドローンの目となるGPSがうまく働かないと思われていたところに、ロボティクス技術をナビゲーションシステムに応用するアイデアを考えついた。位置情報を正確に計測するための飛行システムを開発する時に目をつけたのが、ドローンにGPUを搭載することだったという。もともとはパソコンの画像処理やゲーム用として開発されてきたGPUが、ロボティクスやAI、自動運転車の心臓部として採用されるようになったのはここ数年の話で、当時はそうしたアイデアはほとんどなかった。

写真提供:IFM Technology

Gyongyosi氏は、博士号を持つ2人の技術者に協力を求め、単眼カメラとセンサーからの情報をもとに位置情報を解析するアルゴリズムを開発。NVIDIAが発売していたGPU開発キット(Jetson)と組み合わせたクワッドコプター用のシステムを製作し、NVIDIAが主催する開発者向けイベントでデモ飛行を成功させ、若きスタートアップ会社は大きな注目を集めた。

その後、ドローンブームが加熱したため、IFMは開発目標をインドア専用に絞り込み、倉庫で使える商用ドローンの発売を目指した。飛行用の画像システムを倉庫の在庫管理システムに応用し、倉庫に並んだパッケージに取り付けられたタグを読み込み、数と位置を適切に管理することができる。約20分間の飛行中に、入り組んだ倉庫内の狭いスペースで、十分な数の在庫確認ができることが証明され、5億ドルにのぼるともいわれる倉庫の管理分析のためのシステムを開発する業界からも、注目を集めている。

棚卸し作業をドローンがサポート

Gyongyosi氏は、ドローンが仕事を奪うのではなく、「これまで、人の手では難しく、問題があった倉庫の棚卸し作業を、インドア専用ドローンで軽減し、労働効率を上げるツールとして活用できるようにしたい」とコメントし、あくまでもドローンはサポート役であると強調する。

IFMは元Googleのスタートアップ支援者や、紅茶メーカーのBigelowらの支援を受けて、さまざまな業界の在庫管理に使えるインドア専用ドローンの開発を進めている。在庫管理用ロボットはAmazonでも開発しているが、合わせてIFMのインドア専用ドローンが労働状況を変える存在になるかもしれない。

映像提供:IFM Technology

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