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壮絶スリラー『ミュージアム』を撮り上げた大友啓史監督が語る覚悟 「なんとなく背中で語れる人間を作って見せていくことが、昭和の男である僕たちの世代の役目」

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AOLニュースが総力を挙げて応援する『ミュージアム』公開記念インタビューの第2弾は、天才! 大友啓史監督が登場! あの衝撃的な原作を映画化するにあたって、大友監督が最大限に注意したこととは!? 小栗旬演じる沢村刑事に対して込めた想いとは!? そして、「昭和の男である僕たちの世代の役目だと思う」と思いを口にした大友監督の覚悟とは―

――とてもショッキングな題材ですが、原作を読んだ最初の印象はいかがだったのでしょうか?

嫌だなと思いましたよ(笑)。こういう物語をある程度の規模のエンターテインメントにしなければいけないと思った時、これは”一線を引くこと”が大事だなと思いました。普段は役に入り込めと追い込みをかけるけれど、小栗(旬)君だけでなく、妻夫木(聡)君も入り込みすぎるとおかしくなるだろうなと。だから、心身ともに健全な俳優さんで、ある意味自ら”一線”を引くことのできるメンバーじゃないと無理だなと本当に思いました。

――ただ、映画を拝見した印象では、”こんな小栗さん観たことない”ほど、壮絶でした(笑)。

まあね、結局、追い込みをかけちゃうので(笑)。言うは易しですから。一線を引くってのも、一生懸命演じようとしている俳優たちにとっては、そうそう簡単なことじゃないですからね。結局夢中で作っていくから、だんだん表現としてはエスカレートしていく。用意スタートがかかったら、とにかく思いっきりやってね、と。それでも、カットOKってなった瞬間にきっちりフィクションである、エンターテインメントであるという意識に戻れるようじゃないとね、ホントこの題材はもたないと思います。繰り返しになりますが、精神的にのしかかってくるような物語ですからね、常にエンターテインメントを作っているんだと、あくまでもフィクションだからという意識で作らなければいけなかった。

――本当に追い込まれてしまっては、フィクションの構築ではなくなってしまいますよね。

尾野(真千子)さんも妻夫木君も、大変だったと思います。ヘタをすると(役に)取りつかれてしまうので、役作りはそうとう難しかったと思うんです。特に(妻夫木が演じる)カエル男は平たく言うと狂っているわけで、理解しようと思った瞬間、袋小路に入ってしまう。深く考えず、彼は自分のことを表現者と言っているくらいなので、アーティストの感覚で演じてとアドバイスはしました。

――小栗さん演じる沢村という主人公については、どのような男として演出しましたか?

彼は『ダイ・ハード』シリーズやクリント・イーストウッドが昔演じていた男たちのように、自分の大切なモノは自分で守るみたいなところがあって、困った時に何かに委ねることはしないんですよ。自分自身で立ち向かっていくんですよね。同僚から非難されても拳銃を一丁だけ持って、妻子を誘拐したであろうカエル男に真っ直ぐ立ち向かっていく男で。

――それはすごくよくわかります! チャールズ・ブロンソン的な男気であふれていて!

そういう男って、今の時代フィクションの中にもいそうで意外といないんですよ(笑)。特にヒーロー不在の時代、もはやヒーローって、何だっけ? な状態になっていると思うんです。僕らもヒーロー像を作り上げる作業が困難を極めるなかで、沢村のように傷だらけになりながらも、自分が守るべきもの、最低限のものを守るために行動していく姿は、男の生き方の一つとして魅力的だよねって、提示したかった。

――彼に負い目がある、彼が招いた悲劇であったとしても、男としてはある意味理想的で。

誰にでも当てはまることだと思うのですが、普通は組織や何かに依存して判断しがちなものでしょうけれど、沢村のようなスタイルは――それこそイクメンが増えていく世の中であるのであれば、フィクションの中くらいでは追い求めたっていいじゃないか、ってことなんです。むしろ今の時代、追い求めたほうがいいヒーロー像かもしれないとさえ思います。

――女性層の反応が気になるところですが、沢村は今の時代には少ない魅力的な男でした。

正直なところ、僕も彼は好きなんですよ。高倉健さんじゃないけれど、孤独を引き受けていく姿こそが、唯一無二な、男の醸し出す孤高の魅力に繋がっていくということをね、なんとなく背中で語れる人間を作って見せていくことが、昭和の男である僕たちの世代の役目だと思うんですよね。それって、どんどん難しくなってはいるけれど、ちょっと今回、小栗君には昭和の男のようにね、背中で語らせたいかなって。撮影中、ずっと思っていましたからね(笑)。また彼が似合うんだよね、そういう男がね。

映画『ミュージアム』は、2016年11月12日(土)より、全国ロードショー


© 巴亮介/講談社 © 2016映画「ミュージアム」製作委員会

■映画『ミュージアム』公式サイト
www.museum-movie.jp

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