築90年の古民家カフェ「蓮月」で、昼はがっつり豚を食う! 夜はしっぽり酒を飲む!

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大田区池上に、昭和2年から営業しているそば店をリノベーションしたカフェ「蓮月」があります。いわゆる「古民家カフェ」です。古民家カフェというと、静かなしっとりした雰囲気が特徴のお店が多いですよね。

ここ蓮月はカフェとは思えないガッツリとしたどんぶりメシをいただいたり、酒に合う多彩なおつまみに舌鼓を打てるお店なのです。

寺の街、池上の老舗そば店をリノベ

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大田区池上は、池上本門寺を中心に多くの寺社仏閣が集中している寺の街。

写真中央の突き当たりの門は池上本門寺。力道山のお墓や、日蓮上人入滅の地として有名です。

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その池上本門寺から1〜2分歩くと、木造に瓦屋根の一際目立つ建物が見えてきます。こちらが昭和2年に竣工されたそば店「蓮月庵」をリノベーションしたカフェ「蓮月」。

第1回大田区景観まちづくり賞を受賞しています。

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店内は屋根のついた帳場が現役で活用されており、写真左手から中央の一段上がったステージはもともと座敷席でした。

テーブルや椅子、写真右奥のちょっとした座敷など、そば店時代に活躍していた多くの設備をそのまま活用しています。

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入口付近の壁にはそば店時代のメニューが掲げてあります。価格は全て「銭」表記。時代を感じますね。

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ステージから奥はもともと店主の居住スペースでした。

カフェになってからは壁を取っ払い、庭を見渡せるソファ席を設置しています。

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元居住部分にもそば店の名残が見て取れます。写真中央にある黒い箱はそば店時代に使われていた金庫です。この金庫と毎日向き合い、店主が一喜一憂していた日々があったと思うと感慨深い……。

カフェの照りっ照り豚丼……!?

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こちらが飲食メニューです。数種類のトーストやコーヒーと、のんびりカフェタイムを楽しめるメニューが揃っています。

そのなかでも目を引くのが「ごはん」。カフェメニューとは裏腹に、ガッツリと腹に溜まりそうな「厚切り照り豚丼」が気になりますね。

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注文してみました。なんともうまそうな照り返しだ……!

小松菜と白髪ねぎが添えられ、ご飯と豚肉の間には大田区の大森エリアの名産、海苔が敷かれています。

ちなみに豚肉、海苔、小松菜ともに近所で買ってきたもの。地産地消ならぬ地買地消。これも地域と関わる一つのかたちだと店長さんは語っていました。

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かぶりついてみると染みだすうま味脂。そしてなにより筋っぽさがまったくない!

塩漬けにして下味をつけた豚を照り焼きにしており、ガンガンご飯を食べられます。これはうまい!

もっとのんびりしたいかた、2階へどうぞ

「蓮月」は、2階で飲食をすることもできます。

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この急な階段、昭和世代は懐かしさを感じる角度じゃないでしょうか? 小さいころに祖母の家の階段から転げ落ちていたのを思い出します。

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こちらが2階の広間です。

カフェ風の1階とは打って変わって、シンプルな和風でなんとも落ち着きます。

そして鼻に入ってくる畳のにおい。お腹いっぱいだし、もう横になりたいですね。

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横になっていいそうです。漫画を読んでも、パソコンで仕事をしてもいいそうです。

店長さん曰く「スーパー銭湯の休憩スペースのように、気持ちの良い時間を過ごしてもらいたい」とのことでした。今回私が持ち込んだのは、有名温泉漫画『テルマエ・ロマエ』。因果なものです。

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眠くなったら寝てもいいそうです。手足を投げ出さない、混雑時は遠慮するなど、他のお客さんのことを考えて利用しましょう。

この居心地の良さ。まさに風呂あがりですね。ちなみに2階はレンタルスペースとして貸し出しており、多目的に利用できます。

夜の「蓮月」、メシも雰囲気も見事に尽きる

2階でのんびりと過ごし、日暮れを待ちました。

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というのも「蓮月」は夜のメニューを用意しているらしいのです。それを目当てに来たのですが、まず外観が放つ風格が渋すぎる!

もはやカフェでもそば店でもない……なんだろう、圧倒されてわからない!

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店内はジャズが流れ、バーのような空気感に変わっています。昼間とはまた違った居心地のよさがなんとも心地いいですね。

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オススメのビールはCOEDO。写真中央のBeniaka(680円)をいただきました。コクの深い味わいで、古民家の深い歴史とともに味わうのにふさわしいビールでした。

全部飲みたい人には5種飲み比べセット(3,000円)がオススメ。ビール以外にもフルーツカクテルや日本酒、ワインも取り揃えています。

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食事もお酒が進むものをそろえています。写真上から時計回りに……。 お麩の唐揚げ 甘酢ソース和え(580円)

外はサクッと中はフワッととはよく言いますが、中身はお麩なのでマジでフワフワです。甘辛のソースでビールが進む!

おふくろのもつ煮(480円)

煮込んだニンジン、大根、ゴボウがホロホロ! 塩気控えめであっさりした美味しさ。

うま塩漬け焼き豚(980円)

ビジュアルがすでにうまい! 胡椒のきいた豚は最高のつまみでした。添えてあるわさび、柚子胡椒も本格的。

ポポテテトトフライ(480円)

注文時にスタッフとの会話が生まれたら……ということで命名。ジャガイモが甘く、一回食べたら病みつきになる!

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酒が進むメニューに囲まれ、歴史を感じる雰囲気に抱かれ酒を飲む……昼の様子から比べると、見事に飲み屋さんへの変身を遂げています。

その一方で私の後ろの席では家族連れが食事を楽しみ、カウンターではパソコンを開いて仕事をする人と、ファミレス、カフェの顔も垣間見ることができました。

歴史に敬意を払い、自由に先を見据える

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そば店、「蓮月庵」を引き継ぎカフェにリノベーションした店長の輪島さんです。引き継ぐきっかけは何とも奇妙な縁がありました。

ある日、輪島さんが仕事をしていると転倒して足に犬のフンがついてしまいました。その1時間後、歩いていると鳥のフンが直撃。「これはなにか起こるぞ」、そう思った翌日、知人から「蓮月庵」を今後どうするかという会議に出ないかと声をかけられたのです。自分が「蓮月庵」を引き継いだら面白いことになるだろう……。

こうして現在の「蓮月」が誕生しました。

縁というか、ウンというか、そんなきっかけなのです。

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「古民家カフェ」というと、どこかお堅い印象も受けますが、店長さんはこんな感じです。自由です。

お昼にいただいた「厚切り照り豚丼」、じつはお店のスタッフさんが考えたメニューです。そして日本酒好きなスタッフさんが日本酒を、ワイン好きなスタッフさんがワインをチョイスするなど、スタッフさんの考えがたくさん反映されています。

その一方で店名は先代の名前を継いで「蓮月」とし、もともとあったものを大切に使っています。「先代への想いを汲み、敬意を払って営業を続けたい」とおっしゃっていました。

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「蓮月庵」ができた約90年前には、ボーっと過ごす自由な時間が当たり前のようにあったのかもしれません。現代社会では意識しないと、そんな時間は過ごせないものです。

「蓮月」ではそんな自由な、ほっとできる時間があります。無目的に訪れてはいかがでしょうか。あなたが座った席の隣で、私が原稿を書いているかもしれません。

お店情報

蓮月

住所:東京都大田区池上2-20-11

電話番号:03-6410-5469

営業時間:10:00~22:00(LO 21:30)

定休日:不定休

Webサイト:http://rengetsu.net/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。 ブログ:銭湯、温泉探求録

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