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残業減、有休は義務…「労働基準法」改正後どうなる?

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労働者の残業時間に対する議論が白熱するなか、厚生労働省は世界初の「過労死白書」を発表。過労死ラインとされる月80時間超の残業をしている労働者がいる企業が、全体の2割以上に及ぶなど内容は更なる物議を醸している。そんななか、国会では「労働基準法」の改正案が継続審議となっていることはご存じだろうか。

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そもそも労働基準法は、明治44年に制定・公布され、大正5年に施行された「工場法」がベースにあるという。これは劣悪な労働環境にあった工場労働者を保護するために、使用者側の権利を制限して労働時間や深夜労働を規制するもので、定時に始業・終業するといった、決められた時間のなかで働くことが前提となっていた。しかし、働き方やライフスタイルが時代の流れとともに多様化してきた結果、その見直しが必要になるのは当然だろう。では、労働基準法の改正は、僕らの働き方に具体的にどんな影響があるのだろう? 社会保険労務士の山崎 剛さんに聞いた。

「今回の改正案では、長時間労働の抑制と有給休暇の取得推進、多様な働き方の実現が大きなテーマです。そのなかでもビジネスマンにとって身近なのは、やはり長時間労働の抑制でしょう」(山崎さん、以下同)

現在、大企業では月60時間を超過する時間外労働の割増賃金率が50%以上となっているが、法案が成立した場合、これが中小企業にも適用される。すると、人件費をおさえるために、60時間以上の残業が社内で禁止されるケースが出てくる可能性が高くなるという。

「残業代を見込んで働いているビジネスマンは、法律改正後、残業が抑制され給料が少なくなる可能性もあるでしょう」

また、有給休暇については、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、確実に取得してもらうため、最低5日間は会社が時期を指定して取得させることが求められるという。

さらに、今回の労基法の改正では、「残業代ゼロ法案」と揶揄される「高度プロフェッショナル制度」の創設も盛り込まれている。一定の条件のもと、労働時間・休日・深夜に対する割増賃金などの労働時間規制を外そうというものだが、過労死が社会的な問題となるなか、その行方も気になるところだが…。

「この制度は、職務の範囲が明確で、少なくとも1000万円以上の一定の年収がある労働者に対するもので、適用される業務は非常に限られてくると思います。また、何時間働いたかを会社が把握するなどの健康確保措置や、一定の休日を確保することなどが必要なため、必ずしも長時間労働ありきの制度にはならないでしょう」

法案が成立すれば、僕らの働き方に様々な変化が起こりそう。では、今後、ビジネスマンが気をつけるべきことは?

「改正によって長時間労働が抑制されれば、労働時間の長さではなく、仕事の成果で評価される人が増えていくでしょう。そんななか、これからのビジネスマンには効率的に仕事を進めることや、具体的な成果を上げることが求められると思います」

この改正案が可決されれば、早ければ来年度内に施行される可能性もある。意外とすぐにビジネスマンの働き方に影響を与えそうな「労働基準法の改正」、注意して動向を見守る必要がありそうだ。
(飯田 樹)

(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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