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ニュージーランドの巨木「森の神」はこんな姿だった…出会った人々が絶句する木とは?

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ニュージーランドの北島の都市オークランドに住んでいる関係で、ニュージーランドに旅行に行く方からよくこんな質問をもらいます。

「数日間ニュージーランドに旅行に行くんだけど、どこかおすすめの場所ってありますか?」

簡単そうな質問ですが、実は毎回頭を悩ませるんです。「数日間」というのがミソで、雪を冠した高山を眺めるためにNZ南島に行くには時間が足りないし、かといってオークランドだけで過ごすには数日は長すぎる。何かいい回答はないかなぁと思っていたんですが、最近になって、やっと見つけましたよ!

ニュージーランド北島のさらに北の果て、「ワイポウア」と呼ばれる場所がそれです。

ここにはなんと「森の神」と呼ばれる、信じられないくらい巨大な木々たちが今も生きる森が広がっています。オークランドから往復500キロ、巨木を巡る渾身の旅のレポートをお届けしましょう。

森の神に会いに、一路北へ

「森の神」、先住民の言葉で「タネ・マフタ」と呼ばれる巨木を見るためには、ワイポウア・フォレストという、オークランドから北に250キロ離れた原生林まで行かなくてはなりません。周辺に空港や鉄道は一切なく、それどころか街らしい街もほとんどないので、旅行で訪れるにはレンタカーを借りていくのが最も現実的な方法でしょう。日帰りでもいけないことはない距離ですが、山道が延々と続くのでやめた方がよさそう。ニュージーランド最北端「ケープ・レインガ」や、ニュージーランドという国が正式に認められた条約が結ばれた歴史の街「ワイタンギ」など、オークランド以北の観光スポットをはたくさんあるので、それらを数日かけてのんびりとめぐるとよいと思います。

今回僕もそんな風に2泊3日の旅を計画し、ワイポウア・フォレストに向かうことにしました。

▲こんな景色が延々と続きます

濃霧の立ち込める田舎道を走り、羊や牛がこれでもかと視界に現れる牧草地帯を超え、いくつもの小さな町を通過してドライブすること約4時間。牧草地帯を過ぎて次第に森の密度が増すと、いよいよ、神様のいる森、ワイポウア・フォレストにさしかかります。まともな町すらない場所ですが、さすがに「タネ・マフタ」だけは観光スポットだけあってしっかり看板が出ていますね。道沿いに小さくひらいた砂利の駐車場に車を停めエンジンを切り、ドアを開けるとひんやりとした森の空気に少しだけ緊張感を覚えます。ここから歩いてすぐの場所に、ニュージーランド最高齢、かつ最大の樹が佇んでいるのです。

▲いよいよ見えた、タネ・マフタの看板!

声にならない存在感はトリハダもの

さて、意外にもそんなNZ最大の樹は歩いて10分もかからない地点にあります。僕はそれとは知らず、同行の友人らと小話をしながら森の散歩を楽しんでいたんですが……

ふと見上げると、周囲の木々と比べてまったく不釣り合いに巨大な樹が目の前に飛び込んできて、一瞬思考が止まってしまい、「すごい」の一言さえ出ず固まってしまいました。

▲NZ最大の樹 タネ・マフタ

これがカウリと呼ばれるニュージーランド固有の樹の一種で、胴周り14m、高さ52m、樹齢は2500年とも言われる「タネ・マフタ」です。先住民の言葉で森の神を意味するとどんなガイドブックにも載っていますが、これは自分の目でみて初めてその本当の意味が理解できる類のもののように感じます。車も道路もなかったころに先住民族が初めてこの樹を見て「神」と呼び、数々の神話に登場させたというのも頷ける、”異質”と言っていいくらいの存在感。しばらくその場にあったベンチに腰を下ろして眺めていたんですが、後からやってくる旅行者も一様に同じように見た瞬間固まっていました。みんな、目に前に現れたものを理解するのに必死だったんでしょう。

何を隠そうこの「タネ・マフタ」は、日本の屋久島にある巨木・屋久杉の唯一の姉妹木でもあります。日本人としては嬉しいですね! 日本の南の果てにある屋久杉と、ニュージーランドの北の果てにある「タネ・マフタ」。多くの人が船や飛行機を乗り継いてはるばる屋久杉に会いに行くように、もっとたくさんの旅行者にこの「タネ・マフタ」を一目見に行ってほしいと思います。一本の巨木に会いに南半球へ。なんだかいいじゃないですか。

あわせて見たいカウリの巨木

さて、ワイポウアの森には主に4本のショートウォークのコースがあって、半日あれば十分すべてのコースを見て周ることができます。せっかくですから全部周ってみましょう。

1本目は先ほど紹介した「タネ・マフタ」を見るコース。これは往復10分足らずです。

2本目は、胴回りだけなら約16mと「タネ・マフタ」を上回る巨木「テ・マツア・ナヘレ(森の父)」を巡るコース(所要時間40分)。胴まわり16メートルって、大人10人以上でやっと囲えるサイズです……そんなのが森の中に生えている絵を想像してみてください。実際、目の前にした僕が最初に思ったのは、「壁!」でした。

▲最大の胴周りをもつテ・マツア・ナヘレ

3本目は、2本目のコースから分岐している「フォー・シスターズ・コース」(往復20分)。大きなカウリが至近距離で密生している珍しい姿が見られます。

▲ワイポウアのフォーシスターズ

4本目は、個人的に最もおすすめの「Yakas(ヤカス)」コース。この4本の中では長めの1時間半のコースで、ヤカス・カウリはニュージーランドの「触れることができるカウリ」としては最大です。(ほかの樹は柵がしてあり触れません)。大きさとしては全体の第7位だそうですが、間近に見れるからか、迫力はヤカスが一番。記念撮影のスポットとしてもおすすめです。

▲ヤカス・カウリ

帰路は同じ道を戻らず、北部の観光地を経由しよう

ワイポウア・フォレストを堪能したら、来た道を戻るのがオークランドに戻る最短ルートですが、せっかくなのでワイポウア・フォレストを抜けてそのまま進み、時計回りに大回りをするようにオークランドに戻りましょう。オークランドより北の地域には、海、森、歴史の街など、見どころがたくさん眠っています。それら北島北部の観光地を繋げながら帰路につけば、数日の日程でもニュージーランドらしい景色を十分堪能することができますよ。それぞれのスポットも、また別の機会に紹介できればと思います。

世界の巨木もみてみたい。

ニュージーランド最大の樹、「森の神」を巡る旅レポはいかがでしたか?写真ではどうしても“周囲を漂う神々しい雰囲気”までは伝えられないので、ぜひ足を運んでご自身で感じてみてほしいと思います。絶対に後悔はしませんよ。僕は巨木に会うのが好きで、日本各地の神社にあるご神木から、屋久杉、はたまたタスマニア島の奥地にある樹高100mにもなる巨木を見に行ったこともあります。それでも、このNZの「森の神」と「森の父」に勝る存在感をもった樹はありません。もはや、それ以上の樹が見たいと思ったら、それこそアメリカの世界最大の樹「レッドウッド」くらいしかないような・・。いつの日か、観に行ってみたいですね。

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