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北杜夫が5歳の阿川佐和子にかけた「呪い」とは?

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J-WAVEで11月3日(木・祝)にオンエアされた特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MY BOOKSHELF」(ナビゲーター:大倉眞一郎・本谷有希子)。「文化の日」ということで、“いま大切なことは北杜夫が教えてくれる”をテーマにお送りしました。

ここでは、作家・エッセイストの阿川佐和子さんをゲストにお迎えしたパートをご紹介します。阿川さんのお父様で小説家・評論家の阿川弘之さんと北杜夫さんは、とても仲が良かったそうで、阿川さんがお父様との思い出を綴ったエッセイ『強父論』にも度々、北杜夫さんの名前が登場します。

大倉:どれくらい仲が良かったんですか?
阿川:どれくらいって言われると…好きだったんじゃないですかね。『強父論』にも書きましたけど、父は本当に癇癪(かんしゃく)持ちだったし、家族にものすごく暴君だったし、(中略)“瞬間湯沸かし器”ってあだ名がついてたほどだったんですけども、なぜか北さんの前だけでは、父は本当に優しいの。

お父様は「北くん、大丈夫か? 腰痛いんだろ?」「北くん、無理しなくていいよ」と常に気遣い、晩年の北杜夫さんも「僕は阿川さんには本当に優しくしてもらった」と語ったそう。とても相性の合う二人だったのかもしれませんね。

阿川さんが北杜夫さんと初めて会ったのは5歳の頃。軽井沢の貸別荘で文芸家の方たちが集まったことがあったそう。そのとき、独特のしゃべり方をする北杜夫さんのことが気になり、母に「この人、何弁?」と尋ねたそう。すると北杜夫さんは「この子は大変失礼な子」と言い、さらに「よし、僕は仕返しに“呪い”をかけてやる。この子は二十歳になったらブクブクのおデブちゃんになるぞ」とおっしゃったそう(笑)。

阿川::それ以来、小学校、中学校、高校と順調にブクブク太りだした(笑)。
本谷:それがほんのちょっとでも頭の片隅にあって、自分から寄せていったのかもしれない(笑)。それを言われてなかったら痩せてたかも…。

確かに「言霊」という言葉もありますものね。

阿川::でも、ずっと後にインタビューでまたその話になって、「僕はそんな失礼なことを言った? 佐和子ちゃんはかわいくなったのにね。よく一生懸命仕事をして偉くなったね」って散々褒めてくださって。

このとき、北杜夫さんはお寿司を振舞ってくださり、阿川さんは「このウニもいいですか?」「トロもいいですか?」と遠慮なくいただいたのですが、最後に「ずうずうしくなったな」と言われたそうです(笑)。阿川さんは、そんな北杜夫さんを「ものすごく温和なんだけど、温和の中にシャープなユーモアがある」とおっしゃいました。

そして、北杜夫さんが患われていた躁うつ病について、阿川さんが娘の斎藤由香さんからお聞きになったという“躁状態”のときのすごいエピソードも語られました。北杜夫さんは“躁状態”になると株をどんどん売ってしまい、さらには自分の生原稿を売り、そのお金で株を買ってしまっていたのだそう。

ある日、北杜夫さんを一人家に残して、ご家族が出かけなければいけなくなってしまったのですが、株の売買をさせないために電話線を抜いてタンスの中に隠し、「台風が来るから」と言って、雨戸を全部閉めて出かけたそう。しかし、帰ってくると、そこまでしたのにもかかわらず、株を買っていたことが発覚。

どうやって買ったかというと、雨戸を開け、近くにいた宅配便のお兄さんに「その電話を貸したまえ」と言って携帯電話を借り、株を買ったのだそうです(笑)。

この他にも、家族ぐるみでお付き合いのあった北家と阿川家だけあって、北杜夫さんの知られざるエピソードが語られた貴重なオンエアでした。

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【番組情報】
番組名:「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MY BOOKSHELF」
放送日時:11月3日(木・祝)9時−17時55時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/holiday/20161103/

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