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医師から腹水貯留を疑われたら…知っておきたい腹水の症状まとめ

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末期がんの患者さんに起こりやすいといわれる腹水。実は、がん以外の症状でも腹水が溜まることはあるんです。

ある日突然、自分や家族が腹水を疑われても慌てないよう、まずは腹水の症状と原因、治療法をおさえておきましょう。

要チェック項目

□腹水は腹腔という内臓の空間に溜まる水のこと

□腹水の自覚症状は腹部の圧迫感

□患者自身の腹水を再利用する治療法がある

腹水が溜まるってどういうこと?

腹水のメカニズム

重病を患っている人にみられる腹水は、腹部の内臓を覆っている腹膜の内側にある空間に通常以上の水が溜まっている状態となります。

この空間は「腹腔」と呼ばれ、実は常に20〜50mlの腹水が一定量で存在しています。

しかし、その腹水が異常な量に増えてしまった「腹水貯留」の状態になると、内臓が圧迫され健康を阻害するさまざまな症状を引き起こすことになるのです。

また、溜まっている腹水を分析することで病気が診断されることもあり、軽視できない症状のひとつです。

腹水の診断

腹水が溜まっていることを確かめるにはいくつかの診断が必要となります。

まず初めは医師による腹部の触診、打診です。腹部をトントンと軽く叩き、鈍い音がしていないかを確認します。鈍い音がする場合、腹水が疑われます。

その他、腫れていないか、体重増加はないか、患者の症状から腹水貯留の疑いがある場合は腹部画像検査が行われます。

腹部画像検査ではCT、MRIでの診断を行うことになります。より正確な診断のために、血液検査や腹水穿刺を行うこともあるようです。

腹水が溜まっているときの症状

腹部の膨張

腹水が溜まると、腹部が張ってくるため見た目にもわかることがあるようです。体重も急激に増加し、体液の排出ができていない状態になると足の付け根や足首に浮腫(むくみ)が見られるようになります。

呼吸困難

腹部の膨満感から息苦しさを覚えることもあります。お腹が張っている自覚症状が続き、軽い運動で息切れするようになった場合、注意が必要かもしれません。

食欲不振

腹水で内臓が圧迫されるため食欲不振となり、症状が重い場合には吐き気をもよおすこともあります。

食欲がないため栄養不足になりがちですが、腹水によって体重が増加しているため本人は違和感に気がつかないことも多いです。

食べていないのに体重が増えている、という状態が続くときは病院での受診をしましょう。

腹水が溜まる主な原因

腹水貯留の原因となる病気はさまざまですが、代表的なものを知っておきましょう。腹水は大きく分けて2つの種類に分けられます。

非炎症性腹水

血管内にある水分が外に溢れ出し、腹腔内に溜まった状態になる腹水です。この場合の腹水はタンパク質の量が少ないため透明で、凝固もしにくいといわれています。

この腹水の原因となる主な病気には、次のようなものがあります。

・肝硬変

・ネフローゼ症候群

・卵巣過剰刺激症候群

・心不全

・腎不全

アルブミンが不足することによって血管外に漏れた水分を戻せなくなることや、腎臓機能の低下によって水分の排出力が低下してしまうことが要因です。

炎症性腹水

炎症がおこることによって血管内の成分が溢れ出したものが腹水となって腹腔内に溜まった状態になるのがこのタイプです。タンパク質が多く、混濁しているという特徴があります。

この腹水の原因となる主な病気はほとんどが「がん」となります。

・胃がん

・肝がん

・大腸ガン

・卵巣がん

・子宮がん

・がん性腹膜炎

腹水貯留の治療法

以前は「腹水は抜くと弱る」と言われており、腹水を抜くことは推奨されていませんでした。

そのため、食事制限など最低限のリスク軽減のみでしか対処できないと思われていましたが、最新の医療ではさまざまな治療法があるようです。

投薬療法

体内の水分が排出できなくなってしまうことが原因となる腹水では、利尿剤を服用することで排出を促す治療法が有効です。

また、アルブミン不足で腹水貯留している場合には、アルブミン製剤を投与することもあります。医師の診断のもと病状に合わせた投薬の選択をするとよいでしょう。

CART

難治性腹水を患う患者さんに行われる、腹水を抜く治療法となります。

「腹水は抜くと弱る」と言われる要因として、腹水には少なからず栄養分が入っているため一度に大量穿刺(せんし)してしまうと体力低下の恐れがある、ということが挙げられています。

しかし、CARTでは抜いた腹水を再利用して体内に戻していくのです。自分の腹水を再利用することにより体に必要な栄養分は残すことが可能となり、従来いわれていた「腹水は抜くと弱る」を覆すことができたのです。

この治療法では、腹部の圧迫感が軽減する効果があるだけでなく、患者自身の腹水を使用することで感染症のリスクを下げられることもメリットとなります。

少しでも腹水の症状をやわらげるために

腹水の症状をやわらげるには、生活習慣の中でできることがあります。食事制限や寝るときの体勢など、自分でできることを知っておきましょう。

食習慣の見直し

腹水の治療を開始するにあたって、場合によっては食事制限が必要となります。塩分の摂取制限、また水分の摂取制限も推奨されます。

腹水の原因になっている疾病にもよりますが、塩分の摂取目安は1日に2〜5g、水分は1日に1L以下とされています。

腹水が溜まっていることによって、吐き気や食欲不振もおこりますので、栄養不足にならないようバランスのよい食事を心がけることも大切です。特に食欲がない場合には、消化のよい食材選びを考慮しましょう。

体勢の改善

腹水が溜まっている状態では、絶対安静が基本です。ただし、症状によっては寝返りをうつことも苦痛になる場合がありますので、まずは一番楽な姿勢でベッドに横になれる体勢を工夫することが求められます。

息苦しさを感じるときには、腹部を締め付けないような衣服にするとよいです。女性であれば、ワンピースタイプの部屋着にするのもよいでしょう。

しかし、体温が下がってしまっては快復の妨げになってしまいます。お腹を冷やさないよう、十分配慮することが必要です。手の指先や足先のマッサージをし、血行を促進する助けをすることもおすすめです。

腹水が溜まっていると診断されたら

腹水の原因がわかっている場合、まずはその原因となる病気を完治させることが優先となるでしょう。

腹水の症状は原因となる病気によっても異なってきますので、分析の結果次第で今後の治療法を選択することにも繋がります。

また、腹部の腫れや体重増加などの自覚症状があるときには早めに病院で受診しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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