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滞納給食費

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 大阪市は、滞納給食費の回収業務の一部を弁護士に委託するとのことです。大阪市での滞納給食費は1億円を超す額だともいわれていますので、公平性の観点からもその回収をすべきだと思われます。

 ところで、未払給食費の回収主体は、小中学校ごとに独立で会計を行っている場合にはその学校となり、自治体として給食費を一括管理している場合にはその自治体となります。
 今回の弁護士委託は大阪市が行っていますので、大阪市が市内の小中学校の給食費を一括管理しているケースでしょう。
 このような一括管理方式でなく、独立会計方式ですと、滞納金額や滞納者の数などの問題で、弁護士委託とはなかなかいかないでしょうが、現実には全国の7割程度が独立会計方式だともいわれていますので、自治体においても一括管理方式とする再考が必要ではないでしょうか。

 大阪に限られるわけではないでしょうが、義務教育であることを理由として支払わない人もいるようです。方便なのか、心底 義務教育=給食費無償と思っているのか分かりませんが。
 憲法26条2項は、「義務教育は、これを無償とする。」と定めています。ではその無償の範囲に給食費も含まれるのでしょうか。最高裁の判例は、憲法が要請している無償の範囲について、授業料の無償を意味するとしています。
したがって、給食費は憲法が要請している無償の範囲には含まれていません。

 もっとも、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律は、授業料に含まれない教科書の無償配布を定めていますが、これは憲法の趣旨を拡大して、法律で無償としたものです。

 さて、滞納給食費の回収を弁護士に委託することは評価されるべきことだと思います。
 弁護士の名前で内容証明郵便による督促を行い、簡易裁判所に支払督促の申立などを行うことになるのでしょうが、すべて定型的なひな形を用意しておけば、ルーティンワークとして対処することができますので、弁護士もさほどの負担となりませんし、ということは大阪市の支払う弁護士費用(出来高制だそうです)もさして高額となるとは思えず、これまでの行政負担からの解放を考えると、費用対効果も問題ないでしょう。

 また、他の自治体では、弁護士が介入すると告知しただけで滞納分を支払った人もいるようですし、実際に弁護士が介入して、弁護士の名前で内容証明郵便が届くことによって、裁判前に支払いに応ずる(裁判外の和解となって分割払いでも)人も多く見込めるのではないでしょうか。

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