個人的体験に基づく“日本人が英語を苦手とする理由”

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たまたま新聞を見ていたら中学生を対象とした英語の問題が掲載されており、中学生レベルの英語の問題ならと、軽い気持ちで解き始めたらいろいろ思うところがあったので、今日はこれについて少し。

この英語の最初の問題は文法問題でした。上下に2つの英文が掲載されており、上の文では must の部分に下線が引いてあり、下の英文ではその部分が2単語分の下線部が引かれた空白となっていて、同じ意味となる単語を記入しなさいというものでした。
答えは have to なわけですが、最初は何も考えずに、英文なのだからと頭から全部読んで意味を理解してなどと考えながらやっておりました。しかし、脇に解答時間が書いてあり、まともに1つ1つそんなことをやっていたのでは間に合わないような時間配分となっておりました。

より正確に言うと、下で長文読解の問題が控えているので、そこでかなりの時間をかける必要があり、時間を短縮できる文法問題に時間をかけるのが惜しいというのが本当のところです。そのため、かつてどうしていたかですが、must なら have to という具合に、何も考えずにほとんど反射的に変換して解答しなくては時間が足りなくなっていたことを思い出しました。

確かに語学に暗記はつきものです。単語の意味がわからなければ話にならないことが多々あります。しかし、こうした問題を解答するにあたって、要求されるのは反射であって思考ではありません。そこには will と be going to の違いとか、want とwould like to の違いなどを考慮する必要はまったくありません。
そして該当部分以外の単語の意味がわからなくても、解答するにあたって何の支障もありません。必要なのは、試験にでる問題のパターンを繰り返し、繰り返しひたすら覚えることです。

さて、何が言いたいかですが、こうした受験英語を勝ち抜いた者が英語を使えるようになるか、ということです。最低限必要な読解についてもこれでは何か身につくようになるとは思えません。私の方法が正しいかどうかわかりませんが、思うに本当の意味で読解力をつける唯一の方法は、ひたすら多くの英文を読むことで、こうした反射とは全く違うものだと考えます。

中国に留学していた頃、留学したばかりの段階では、外国人留学生は中国語をほとんど話せないので、他の国の人とは英語で意思疎通を図るしかないのですが、そうなるとこれまで英語をどのくらいの期間勉強してきたかという話題が最初に出てきます。

日本人は中学、高校で計6年、そこに大学がつけば最低2年で8年間は英語を勉強しているわけですが、私も含めほとんど使い物になりません。これは本当に恥ずかしくなるくらいで、他の国の人は、日本と同じかより短い期間しか英語を学習していないのに、最低限の意思疎通であれば、何だかんだ言って英語で行っておりました。

この原因が受験英語だと単純に決め付けるつもりはありませんが、少なくとも最初に言及したように、英語の文法問題をとけることが英語ができることと思っているうちは、英語が使えるようになるはずがないのではないかと思った次第です。
語学学習にはいろいろなやり方があり、また私ごときのレベルでどうこういうことは大変おこがましいことであることは重々承知しております。そのため、これはあくまで私の個人的体験に基づくもので、どこまで一般化できる話かわかりません。

日本で標準的な英語教育を受けた者が、外国人と交流したり、英語の文献を読まなくてはならなくなり、いやというほど苦労したがゆえのひがみくらいに思っていただければ幸いです。

画像引用元:flickr form YAHOO
http://www.flickr.com/photos/ogwrnsk/5020182142/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「凜」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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 専門は国際政治(主に日中関係)で、博士課程中退(正式に手続をとったわけではないのですが、たぶんそうなっているでしょう)。  ただ、基本的に雑食系ですので、特に専門にこだわらずにやっていきたいと思っております。

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