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〜Vol.7〜 ASEANの経済成長のため、共に汗をかいてきた日本の開発協力

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東南アジア諸国連合と呼ばれ10カ国からなる地域協力機構、ASEAN。人口6億人、GDPは2兆円という大きな市場です。今やASEANはアジアの心臓部となり、生産、消費の中心地とも言える存在でもあります。日本は、このASEANと40年以上にもわたるパートナーシップを築いてきました。この日本とASEANの結びつきについて本岸さんにお伺いしました。

経済成長の著しいASEANは、世界の「開かれた成長センター」へ。

ASEANは、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー及びラオスの全10か国で構成されています。

その全人口はEUよりも多い6億人。2000年代に入ってから経済成長も高まり、2015年には経済共同体も発足しました。今後世界でも、大きなマーケットになると注目されています。この成長に、実は日本が深く関わってきているのです。日本は、50年以上にもわたって、電力や輸送道路、鉄道などのインフラの整備や人材育成などの開発協力を行ってきました。

橋をつなぐことで、ASEAN全体の経済もつないでいく。

【カンボジアにかかる巨大な橋、通称「つばさ橋」が開通したのは2015年4月6日。】

(写真提供:久野真一/JICA)

日本に対する感謝の気持ちが、海外の通貨や切手になっています。

左:パクセー橋(ラオス)、右:つばさ橋・きずな橋(カンボジア)

写真にあるのは、日本が開発協力を行って、2015年に開通したカンボジアの「つばさ橋」です。メコン川を横断して、カンボジアとベトナムを結んでいます。このメコン川の川幅は広く、フェリーで30分以上の時間をかけなければ渡ることはできませんでした。しかし、このフェリーもたった数隻しかなかったため、繁忙期には渋滞が発生し7〜8時間以上待たなければなりませんでした。これでは物流が滞ってしまいます。そこで日本は10年以上かけて、全長5400メートルにもおよぶこの橋の建設を行いました。その結果、24時間いつでもこの広大な川を5分ほどで渡れるようになったのです。このように新しく道路が通じることで、カンボジアやベトナム、タイといったメコン地域の人や物の流れがよりスムーズになり、ひいてはASEAN全体の経済活動をより活発にしていく。これが、日本の開発協力の形です。この橋のたもとに刻まれているのは、「日本の人々からの贈り物」という言葉。現地では、カンボジア紙幣にこの「つばさ橋」が印刷されるなど、親しみをもって受け入れられています。もし、みなさんが将来、カンボジアを訪れる際には、ぜひその目で確認して見てください。

泥だらけになりながら、ミャンマー人技術者を育て上げる。

【ミャンマー鉄道:激励代わりの汽笛を鳴らして通り過ぎる列車にあいさつする技術者たち】

(写真提供:JICA)

「政府開発援助(ODA)」と聞くと、インフラ整備のような経済的な支援のみと思われがちですが、資源がない日本が「人」を育てることで経済成長を遂げてきたように、途上国の「人」を育てることも援助方針として重視しています。ASEANにおいても、これまで職業訓練等の研修を行ってきた人々の数は、19万人以上にものぼります。例えばミャンマーでは、鉄道が十分整っておらず、年間に何回も脱線事故を起こしてしまっている状況でした。そこで日本から専門家数名を派遣し、日本で培った経験や知識を伝えていったのです。なかでも現地の方が驚いたのは、日本の専門家たちの姿勢です。ミャンマー人技術者と膝を突き合わせ、2年半以上毎日共に汗をかきながら作業や研修を重ねる。このような日本人専門家の姿勢が現地の人たちの心を動かし、技術の修得に役立ったのです。この事業で育っていったのは、ミャンマー人技術者、約600人。これらの人々が今度は指導者となり、次世代のミャンマーの鉄道インフラを支えていくことになるのです。

長年に渡る開発協力が、今の日本の信頼を作ってきた。

【タイのレムチャバン港は、同国最大の商業港】

(写真提供:ESCO社(Eastern Sea Leam Chabang Terminal Co., Ltd.)

日本が長年に渡りインフラ整備や人材育成などを行ってきたことは、世界でも広く知られています。日本が持つ高い技術力だけでなく、多くの途上国に援助した経験値も評価されています。例えば、日本が開発支援したタイの港、レムチャバン港は、質の高いインフラ整備が功を奏し、タイに進出する多くの日本企業も利用するなど、国内外の投資家から高い評価を受け、現在では世界トップクラスの港へと成長しました。

昨年まで私はTPP協定の締結交渉に関わってきましたが、この交渉をまとめるに当たり、日本が果たした役割は大きかったのです。利害の対立する先進国と途上国に働きかけ、双方をつないでいたのは、日本でした。それは「日本が言うなら・・・」と私たちの言葉に耳を傾けてくれるなど、日本に対する信頼があったから。このような信頼は、一朝一夕では作れません。日本が途上国に対し長年に渡り、このように共に真剣な眼差しで開発協力をしてきたからこそ、揺るぎない信頼関係が構築されてきたのだと実感しています。

本岸さんの受験必勝法

正直に言うと、高校生の頃、私はビリから3番目の成績でした。在校中はまったく勉強をせずに、青春を謳歌していました(笑)。でも浪人が決まってからは、一転して勉強の日々をおくることを決めたのです。それから浪人生活の中で勉強しなかったのは、たった1日、高校の同窓会のときだけ。それ以外の364日はすべての力を勉強に注ぎ、その結果、第一志望の大学に進学することができました。そんな私が皆さんにお伝えしたいのは、受験勉強は、能力よりも気力だということ。能力なんて関係ありません。受験勉強の基本は、「暗記」だと思います。繰り返し、繰り返し、問題集を中心に暗記をしていけるか、という気力、気迫の問題です。たとえ親、先生、友だちにどんなことを言われようと、「この大学に絶対行く!」と自分を信じ続けること、それが受験の結果を決めると思います。

高校生のみなさんへ

【アメリカ留学時代の尊敬する教授と】

以前、赴任していたパキスタンでは、情勢が安定せずテロも少なくありませんでした。明日の生活も分からない毎日が続きました。そこで痛感したのは、楽しくご飯を食べるのも、大学で夢を追いかけるのも、すべて平和がないと成り立たないということ。今、日本にいる私たちは「平和に暮らせて当たり前」と思ってしまいがちですが、この平和は実は先人が努力して作ってきたものです。ですので、私たちも自分たちで平和を維持する努力をし続けなければなりません。また、ASEANを含む日本を取り巻く地域が平和で安定していなければ、日本の平和は維持できません。私自身、ASEANへの経済協力を通じ、ASEANの平和と繁栄に微力ながらも貢献し、その結果、日本の平和にも間接的ながら貢献していることを嬉しく思っています。

外交官を志望したきっかけは、日本を愛し誇りに思う人を増やしたいという思いから。大学で巡り会った先生に大きな影響を受けました。みなさんも大学では、存分に自分のやりたいことをやってみて欲しい。そして、好きな学問を見つけて下さい。その好きなことが未来への道しるべとなるはずです。

名刺入れ

入省して以来ずっと愛用している名刺入れは、親しい友だちに貰ったもの。長年使うものだからと、ちょっと高級なものをプレゼントしてもらいました。人と会う機会がたくさんあり、この名刺入れの出番も多く、大分手に馴染んできました。見るたびに、初心を思い出すようにしています。 プロフィール

本岸 怜起

外務省 国際協力局国別開発協力第一課

2007年外務省入省

大学では経済学部だったが、経済よりも国際政治を好んで学ぶ。外務省入省後、国際協力局開発協力総括課で2年間働いたのち、アメリカで2年間研修を積む。2011年、在パキスタン大使館で2年間勤務したのち、内閣官房TPP政府対策本部に出向し2年間勤務。現在、ASEAN諸国への経済協力を担当している。

バックナンバー 〜Vol.6〜 2030年までに、世界から貧困をなくそう。世界193カ国でとりくむSDGsとは? 〜Vol.5〜 2020年の東京大会へ向けて、スポーツで世界とつながるということ。 〜Vol.4〜 日本と巨大なアフリカが話し合う、アフリカ開発会議(TICAD)とは。 〜Vol.3〜 いま一番、困っている人を支援する、人道支援の仕事。 〜Vol.2〜 G7伊勢志摩サミットの裏側を覗いてみよう。

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