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王貞治の師・86歳荒川博氏「週1~2回ステーキ、野菜は嫌い」

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 長生きするために、野菜や煮物などを中心に「質素な食事」を心がけている人は、世の中に数多い。もし、それが間違っていたとしたら──。地方独立行政法人・東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二副所長はこう言う。

「長寿と食事に関連があるのは言うまでもありません。長寿という言葉は曖昧ですが、これを余命と言い換えましょう。余命を延ばすためには何を食べればよいのか。

 これは年代ごとに異なりますし、もちろん個々に異なりますが、傾向としては、50~60代は『病気予防』の観点で、70代以降になったら『老化予防』の観点で何を食べるか考えるべきです。ただ、70歳になって一気に太ると筋力がついていけないので、60代の段階で徐々に移行していくのがベストです」

 中高年は、食欲を抑えてメタボや糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を予防することが大事だが、高齢になったら、むしろ自分の身体を維持することがポイントになる。つまり、中高年の時に正しいと思っていた食習慣を引きずることは、逆に危険になるのだ。

「老化予防で考慮すべきは、“不足”を避けることです。年をとると体力が落ち、分量を食べなくなってしまう。そうなると骨や筋肉、血管が弱まり、認知も弱くなります。それを避けるため、不足しがちな栄養を補うよう気をつけるということです」(前出・新開氏)

 では、いったいどんな食べ物を口にすることが、長生きにつながるのか。今年9月、青汁で知られるキューサイが、100歳以上の長寿者100人への生活実態調査の結果(キューサイ「100歳まで楽しく歩こう課」調べ)を発表した。

 それによると、「日常生活における好きなこと(複数回答)」の第2位は「食べること」(68%)。長寿者は食欲旺盛であることが窺える(1位は「テレビ・ラジオ」)。

 では、百寿者たちは、普段、何を食べているのか。好きな食べ物については、男女ともに「お米」がトップで、男性は75%、女性は76.3%に達している(複数回答あり)。長生きする人は圧倒的に「お米派」が多いことがわかる。

 男性の場合は、お米と同率で1位になったのが、なんと「肉」(75%:同)である。肉をオカズに米を食う、まるで10代の若者のような食生活で、カロリーを気にする中高年男性なら避けるはずだが、それが長寿に効く。つまり病気予防ではなく老化予防のための食習慣といえそうだ。

 さらに、一番好きな食べ物の自由回答では、「天ぷら」「カツ」「すき焼き」「お寿司」など、高カロリーな“ご馳走”が並んでいる。「グラタン」「クリームシチュー」「マーボーナス」といった“こってり系”も挙がっていた。

 これらの結果について、元順天堂大学教授で、アンチエイジングを専門とする白澤抗加齢医学研究所所長の白澤卓二氏は、「カロリー源を脂肪から摂取しているのだと思います」と読み解く。

 王貞治の一本足打法の生みの親で、打撃コーチとして川上巨人のV9を陰から支えた荒川博氏(86歳)は、自身の食生活をこう語る。

「肉? 大好きだよ。今でも週に1~2回はステーキを食べているよ。ボクは肉を食べると元気になる。夜はだいたいステーキか寿司。昼は近所の蕎麦屋で馬刺しを食べる。野菜は嫌いだからあまり食べない。残り少ない人生なんだから好きなものを食べなくっちゃ」

 それが結果として、不足している栄養素を補う「老化予防」につながっている。

※週刊ポスト2016年11月11日号

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