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【東京国際映画祭】細田守監督と是枝裕和監督が自らの過去を語る

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アニメーションの巨匠とアートシアターの寵児が出会うことで、一体何が生まれるのだろうか。

10月26日、東京国際映画祭にて、細田守監督が手掛けた2012年のアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』が上映された後、細田監督と是枝裕和監督がトークディスカッデョンを行った。2人は、インスピレーションや映画製作の哲学について語り合った。

このイベントは、満席のTOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7にて開催された。

是枝監督は、早稲田大学で以前に、家族をテーマとして、父親と息子、とりわけ父親が不在の息子の人生についての似たようなトークイベントを行ったことに触れた。これは、『おおかみこどもの雨と雪』にも通じるテーマだ。同作では、おおかみ人間である夫の死後、シングルマザーが人間とおおかみの血を引く息子と娘を育て上げる。是枝監督の新作映画『海よりもまだ深く』も同様のテーマを持ち、ギャンブル依存症の主人公が、妻との離婚後に自身の息子と関係を築こうとする物語である。

是枝監督は、しばしば不在だった自身の父親との関係を同作で表現したと語った。「最後まで父親を理解することができませんでした。父親も私を理解していたとは思いません」と、付け加えた。

細田監督もまた、「父親とお酒を飲んだり、食事をしたりする機会は一度もありませんでした。父はめったに家におらず、父親としての存在が曖昧でした」と、告白した。同時に両監督は、手本となる人とはいわないまでも、たとえ父親が不在であれ、後年の映画作品において父親は大きな存在となったと明かした。

その仕事ぶりが東京国際映画祭で特集を組まれるに至った細田監督は、商業アニメーションの分野で「このような個人的なテーマを作品に取り上げたのはクレイジーなことでした」と認め、「私はただこの作品を作りたかっただけなのです。理由ははっきり分かりませんが」と、語った。

細田監督のオリジナル脚本をもとにした『おおかみこどもの雨と雪』では、細田監督は母親に対する感情も表現したかったという。母親は、2009年公開の映画『サマーウォーズ』の製作中に亡くなった。細田監督は、「映画を通して母親に謝りたかった」と、語った。

是枝監督は、自身の過去をもとに『海よりもまだ深く』を製作したことで「ナーバスになった」ことも明かした。是枝監督は、「自分の人生を直接的に映画へ反映したくなかった」と説明し、「映画を作るのであれば、(個人的な)物事はすべて別の何かに置き換えるべきです」と、続けた。しかし結局、かつて自身が家族と住んでいた団地を舞台に撮影を行った。是枝監督は、「そうしたくはなかった。でも、撮影の許可が下りたのが団地だけだったのです」と、語った。

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