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ポールソン元米財務長官 中国経済改革と習近平に厳しい評価

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 中国通として知られる元米財務長官のヘンリー・ポールソン・シカゴ大学ポールソン研究所所長は習近平・中国共産党指導部の経済改革について厳しい見立てを示した。同氏は、「習近平は有能な政治家ではあるが、いまの中国派改革を行うには政治的に難しい局面にあり、挑戦するには極めて厳しい状況だ」などと述べて、習氏の政治的なリーダーシップが欠如していることを示唆した。元米政府高官が中国の現政権を批判するのは極めて異例だ。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」がポールソン氏に単独インタビューしたもので、同氏は10月中旬、自著の『ディーリング・ウィズ・チャイナ(Dealing with China)』の宣伝などを兼ねて香港を訪問した。

 同氏は米大手投資銀行「ゴールドマン・サックス」の会長などを務め、金融界のトップ経営者として中国市場を重視していた。70回以上も北京や上海をはじめ中国全土を訪問し、当時の経済問題担当副首相だった呉儀氏(党政治局員)や王岐山氏(同)らと親交を持ち、習氏とは浙江省党委書記だったとき初めて会談しており、その後、訪中するたびに習氏と会談、政界引退後の今年4月にも北京で習氏と会うなど、親密な関係を続けている。

 米政府幹部を退任した人物で、現職の中国最高指導者と会うことができたのはニクソン元米大統領やキッシンジャー元国務長官らごく少数だ。

 それは、ポールソン氏がブッシュ(Jr.)政権時代、財務長官を務め、米中関係の強化のために米中戦略・経済協力対話を立ち上げ、いまも毎年1回開催し続けるなど、対中関係に貢献した業績が評価されているためだとみられる。

 また、習氏がポールソン氏の経済的手腕を重視していることも、習氏のポールソン氏厚遇の理由とされる。

 しかし、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙との単独会見では、ポールソン氏の中国の経済改革に対する評価は手厳しいと言わざるを得ない。

 例えば、「習近平氏の改革に関するアウトラインは極めて正しいものだが、改革を実際に行う人々が本当に習氏の思い描いているような改革を実行するのは難しい状況だ」などと述べるとともに、「これらの難しい仕事をこなすためには、中国には、いま以上に、経済改革に通じている有能な人材をそろえる必要がある」と現体制をやんわりと批判している。

 さらに、ポールソン氏は現在の中国の経済改革の問題点について、「当面は国有企業の過剰投資と過剰在庫を改める必要があるが、中期的に見れば、地方政府と国有企業の過剰な債務を減少させなければならない。長期的には、これまでのように既存の製品を大量生産するのではなく、経済成長の新しい鍵となる中国独自の創造的な製品を生産していかなければならない」などと中国の経済改革の弱点を指摘している。

 これについて、同紙の読者からは「ポールソンのアドバイスは本当に効果があるのかどうか? 彼の財務長官時代にリーマンショックが起きて、世界的に経済危機に見舞われたことを考えれば、習近平はポールソンのアドバイスと全く正反対の方法を採用すればよいのでは?」などの皮肉なコメントも寄せられている。

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