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大学駅伝新3強の青学・東海・山学、旧3強との違いは

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 大学駅伝の開幕戦となる出雲では、青学大が2連覇。3区で下田裕太(3年)が東海大の黄金ルーキー關颯人(せき・はやと)に抜かれ23秒差をつけられたが、4区の茂木亮太、5区の安藤悠哉の4年コンビが区間新の走りで逆転、エース一色につなぐ盤石の強さだった。

 一方、打倒・青学大を予感させたのは史上最強のルーキー軍団を擁する東海大。大学駅伝デビュー戦にもかかわらず1区・鬼塚翔太、2区・館澤亨次、3区・關の1年トリオの快走で一時首位に立った。

 ちなみにマニアの間で話題なのが「關の襷渡し」。4区の川端千都(3年)につなぐ際、襷を巻きつけた拳でガッツポーズ、さらにくるくる回しながら伸ばして渡すという技を見せた。關はレース後、ツイッターで佐久長聖高の先輩にあたる大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)の真似だったと告白している。

 2位の山学大は優勝への執念を感じさせた。トップと1分差で襷を受けたアンカーのニャイロ(2年)は31秒差まで縮める猛追。上田誠仁・監督の息子で1区を走った健太も区間2位の東海大・鬼塚と同タイム3位の好走だったが、レース後にツイッターに、

「久々に悔し涙出たわ。本当に優勝したかった」

 と投稿。本気だったのだ。この青学・東海・山学の「新3強」に対し、昨季まで優勝に近かった駒澤大が5位、早稲田大は8位、東洋大は9位と出遅れた。これを「旧3強」と呼ぶなら、新旧3強の差は何か。

 気になるのは肌色の丸いシール「ファイテン パワーテープ」の存在だ。駒澤大や早稲田大の選手は今もつけているが、青学大や東海大はつけない。体幹トレーニング(通称・青トレ)による故障に強い身体づくりなど青学大は〈勝つ仕組みづくり〉に貪欲で、一時的に流行した手法を捨てるのも早いように思える。

 市民ランナーの私もファイテンの愛用歴がある。たしかに呼吸が楽になったり、動きがよくなったりする(ような気がする)。私には「ファイテンの数は不安の数」に見える。絶好調なら、シールに頼る必要はないように思えるのだ。

 もちろん、ここで落ち込む駒澤大の大八木弘明・監督ではない。出雲翌日、私と相棒の「マニアさん」は「駒澤大が朝練するらしい」という情報をキャッチ。「ここしかない」と、真っ暗なうちから出雲大社の正面鳥居前に陣取った。果たして午前5時30分、闇の向こうから駒澤大の集団走がやってきた──その時の喜びは、言葉では表現できない。

 さらに、駒澤大が去った直後、背後からランナーたちが現われた。ニャイロや上田監督がいる。山学大だ。彼らも、「次」に向かっている。出雲の早朝、冷たい空気の中に確かな熱気が混じっていた。

■文/西本武司:1971年福岡県生まれ。メタボ対策のランニング中に近所を走る箱根ランナーに衝撃を受け、箱根駅伝にハマる。そのうちに、同じような箱根中毒の人々とウェブメディア「駅伝ニュース」を立ち上げる。本業はコンテンツプロデューサー。ツイッターアカウント名は「公園橋博士」、相棒は「マニアさん」(アカウント名「EKIDEN_MANIA」)

※週刊ポスト2016年11月4日号

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