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ヤラセなしのギリギリ勝負!テレ東・高橋氏の仕事術

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“斜陽”といわれる業界で戦う30オトコに仕事術を聞くこの連載。第7回は、テレビ東京で『世界ナゼそこに?日本人』『家、ついて行ってイイですか?』『美しい人に怒られたい』など話題の番組を手がけるプロデューサー・高橋弘樹さんに話を聞いた。

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●台本、仕込みもバレる…目が肥えた若者に何を見せる?

「今、視聴率を獲得するためには上の世代を狙うのがセオリー」としながらも、若者向けの番組をつくることにも力を注いでいる高橋さん。「せっかくテレビに関わるなら、人の人生に影響を与えたい。だから、感性が鋭く人生の選択肢も多い若者に刺さる番組を考えたいんです」との想いを語る。だが、相手は手強い。

「若い人たちって、テレビを“よく”見てますよね。いや、リアルタイムでは見てないかもしれませんけど、目が肥えていて、良い意味で斜に構えてテレビを見ていると思います。ネットに色々な情報が出ているから、テレビ番組の裏に台本や放送作家、仕込みがあることはもう常識で。本当はヤラセじゃなくても『ヤラセかな?』と思われてしまうこともある。だから、『見たことがない』『何が起こるかわからない』というドキドキをつくることがとても難しいんですよ」

そう語る高橋さんが手がけた最近のヒット番組といえば、『家、ついて行ってイイですか?』。終電を逃した一般人に「タクシー代を出すので家について行っていいですか?」と声をかけ、家を見せてもらいながらインタビューを行う番組である。交渉後にすぐ同行するため、酔いを覚ます時間も家を片付ける時間もなし。取材対象者の等身大の生活と本音が聞ける。2014年に深夜枠で始まったこの番組は人気を博し、2016年からゴールデンタイムで放送中だ。

「これ、自分たちの“手を縛って”(=手法を制限して)つくってるんです。仕込みをしないのはもちろん、現場のリアリティが消えないように、『ナレーションをほぼ入れない』というルールにしました。ナレーションで処理すると『後からうまくまとめたんでしょ』と勘違いされてしまう。若い人は、編集に頼らない姿勢やガチ感を見抜く目を持っている。結果的に『見る価値のある番組』として認めてもらえたならうれしいと思います」

●「テレビは昔のほうが面白かった」なんてウソだ!

「他局の人気番組があったら、必ずその逆側に進むというのがテレビ東京のモットー。日テレが世界の果てに珍獣を撮りに行ったら、僕たちは夜中に他人の家に行って人妻のスッピンを撮らなきゃいけないんです(笑)。とはいえ、ナレーションを全部外すなんて異例を許してくれるテレビ東京って、やっぱりどこかゆるいですよね。“最下位”のいいところで、10回に1回勝てればいいという感覚がある。王道の逆をいく博打みたいなチャレンジがしやすいんですよ」

『家、ついて行ってイイですか?』は、日本民間放送連盟賞・テレビエンターテインメント部門の最優秀賞を受賞。名実ともに日本を代表するプロデューサーとなった高橋さんは、「テレビはつまらなくなっている」という世の声に対し異を唱える。

「昔より今のほうがテレビは面白いですよ。歴代のテレビマンがつくってきた技術を生かして今の番組がつくられてるんだから当然です。たとえばバラエティだったら、『進め!電波少年』が“何かにチャレンジして、たとえそれが慙無い(ざんない。みじめなこと)結果に終わってもその慙無さをあえて笑うように、番組の最後に必ずオチをつける”っていうのを開発して、『めちゃ×2イケてるッ!』が“笑いどころをわかりやすくするツッコミの表現”を開発して。そういう土台を生かしてつくられているから、今の番組は昔より進化してるし、10年後は今より面白くなってるでしょう」

よりクオリティの高い番組をつくりたいという想いが強いため、勢いがあった昔のテレビ業界で働きたいとは思わないという高橋さんは、“斜陽産業”であることと、コンテンツのクオリティは別であると語る。

「テレビ業界のほかにも、ネットの出現や若者人口の減少によって売り上げが下がっている業界は多いかもしれませんが、歴史のある産業や会社なら、先輩をリスペクトしつつ、クオリティは常に進化しているという自信を持っていいと思います」

(黄 孟志/かくしごと)

(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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