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注文住宅だけど、築10年で大規模リフォーム。そのワケは?

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注文住宅だけど、築10年で大規模リフォーム。そのワケは?

ハウスメーカーや建築家に設計を依頼し、好みの住まいを実現する注文住宅。自由度が高く、住んでいる人の満足度も高いといわれているが、その注文住宅をあえて10年でリフォームした人がいる。その理由とは? 建築家も驚いたという、家事のしやすさ、片付けやすい家づくりのコツについても取材してきた。

注文住宅でも不満は募る。早くからリフォーム資金を貯蓄

東京都内に夫と2人の子どもと暮らしているOさん。第2子を出産し、現在、産休・育休を取得中だが、この育休期間中にリフォームをしようと計画し、見事にかなえた。一般に一戸建てのリフォームは、設備機器が交換の時期をむかえ、ライフスタイルも変わる15年~20年で行うことが多いものだが、Oさん宅は築10年。建物や設備はまだ十分使えるため、少し早い時期でのリフォームといえる。

「確かに、設備などはまだ使えるものもあるので、もったいないといえば、そのとおりなのですが」と笑う。現在の注文住宅のプランニングを行い、建てたのは今から10年前。まだ夫婦のみで暮らしていたころで、モノも少なく、大きな不満もなかった。その後、5年前に第1子を出産、Oさんが多忙なワーキングマザーになったこと、夫の趣味が増えたなどの変化があり、住まいに対してじわりじわりと不満を募らせていったのだという。

「注文住宅とはいえ、施工時期や工法に制限があり、意外と自由度が高くなかったんです。さらに子どもが生まれてモノが増え、玄関や収納、キッチンなど、小さなところにストレスを抱えていたので、早い時期から増改築用の“リフォーム貯金”をしていました」と振り返る。

これからの、忙しく充実した10年のためにリフォームを決断

しかし、ただでさえ多忙なワーキングマザー。第2子妊娠中に建築家を探し、夫婦の不満の内容をエクセルに書き出し、その解決方法を探りつつ、工期や予算を調整する。さらに構造部分を担当する会社、内装工事を担当する会社、2社に発注し、随時やりとりする……。聞いているだけでも、目がまわるような忙しさだ。そこまでしてリフォームしようと思った理由はどこにあるのだろうか。【画像1】Oさんがつくった住まいの不満と改善点の要望リスト。建築は好きだが、普段はまったく関係のないお仕事をしているというが、プロの仕事のよう。書き出すことで不満そのものを客観視でき、諦めもついたそう(画像提供/Oさん)

【画像1】Oさんがつくった住まいの不満と改善点の要望リスト。建築は好きだが、普段はまったく関係のないお仕事をしているというが、プロの仕事のよう。書き出すことで不満そのものを客観視でき、諦めもついたそう(画像提供/Oさん)

リフォームのテーマは「家事の生産性向上と子どもの安全」

「今回のリフォームでは、家事のしやすさと子どもの安全性を考えました。家事の生産性を高める感じですね。特に収納は、使うところに使うモノがしまえないとあっという間に散らかるので、徹底して考えました」とプロジェクトマネージャ職をしていたというOさんらしい発想で、住まいの細部を見直した。基本的には、モノが増えていくことを前提に、現在のモノで収納場所がパンパンにならないよう「余裕」があるのが特徴だ。

分かりやすいのは、玄関近くに増築して誕生したファミリークローク(3畳程度のウォークインクローゼット)だろう。夫のスーツや洋服などがしまえるので、夫はここで着替えることができるほか、コートやかばん、レインコート、アウトドアグッズなどがぎゅっと収納できる。十分にスペースがあるので、これから先モノが増えていっても収納場所に困ることはなさそうだ。

【画像2】玄関から入ってすぐにウォークインクローゼットがあり、家族で使うさまざまなものを収納できる。余裕があり、可変性が高いのが特徴(写真撮影/片山貴博)

【画像2】玄関から入ってすぐにウォークインクローゼットがあり、家族で使うさまざまなものを収納できる。余裕があり、可変性が高いのが特徴(写真撮影/片山貴博)

「妊娠中に第2子が女の子であることが分かったので、靴や玄関まわりは余裕をもたせておこうと(笑)」と下駄箱もオーダー。傘も収納できるので、たたきがごちゃつくことはない。また、2人並んで靴を脱ぎ着できるようになったのも便利だという。玄関まわりはママたちの不満がたまりやすい場所でもある。ここまでゆとりがあれば、気持ちにも余裕ができるというもの。【画像3】玄関は下駄箱をオーダーし、靴脱ぎの場所と箱の面をそろえて、すっきりと。靴箱のなかには傘や虫よけなど、生活感のあるものが収まる(写真撮影/片山貴博)

【画像3】玄関は下駄箱をオーダーし、靴脱ぎの場所と箱の面をそろえて、すっきりと。靴箱のなかには傘や虫よけなど、生活感のあるものが収まる(写真撮影/片山貴博)

キッチンは食洗機とシンクの位置を入れ替え、天板とシンクを新調。作業場を45cmから90cmに大きくし、あわせて背面収納をソフトクローズ仕様(ゆっくりと、静かに引き戸が閉められる)にして安全に。

【画像4】[Before]キッチンは手元が暗く、また調理スペースが十分ではなく、使いにくかったそう(写真提供/Oさん)

【画像4】[Before]キッチンは手元が暗く、また調理スペースが十分ではなく、使いにくかったそう(写真提供/Oさん)

【画像5】[After]キッチンは天板とシンクの位置をずらして新調。タイルを貼ってもらい、気分も一新した。建具の色もそろえたため、どこをリフォームしたのか、言われないと分からない(写真撮影/片山貴博)

【画像5】[After]キッチンは天板とシンクの位置をずらして新調。タイルを貼ってもらい、気分も一新した。建具の色もそろえたため、どこをリフォームしたのか、言われないと分からない(写真撮影/片山貴博)

洗面台は向きを変えてオーダーメイドでしつらえ、掃除がしやすいカウンターボウルにしたほか、色は床の色と合わせて調整してもらった。窓から自然光が降り注ぐため、階段まわりに明るく清潔感のある空間ができた。

【画像6】1階の階段脇の洗面所。自然光が入り、清潔感のある空間に(写真撮影/片山貴博)

【画像6】1階の階段脇の洗面所。自然光が入り、清潔感のある空間に(写真撮影/片山貴博)

ほかにも、2階の洗面所はリネン収納の扉をつけかえた。手洗い場所のミラーも大きくして、子どもが背伸びしなくても、鏡を見ることができるように。あわせて室内に洗濯干しや棚などを設置した。どれも小さなことのように見えるが、「おお便利」「なるほど」と納得するものばかりだ。【画像7】2階洗面所のリネン収納の扉をつけかえた。動線が整理され、左側の扉から入ってきた子どもとぶつかる恐れがなくなった(写真撮影/片山貴博)

【画像7】2階洗面所のリネン収納の扉をつけかえた。動線が整理され、左側の扉から入ってきた子どもとぶつかる恐れがなくなった(写真撮影/片山貴博)【画像8】[Before]鏡の位置が高いため子どもが鏡を見ることができないほか、壁の汚れも気になっていた(写真提供/Oさん)

【画像8】[Before]鏡の位置が高いため子どもが鏡を見ることができないほか、壁の汚れも気になっていた(写真提供/Oさん)【画像9】[After]洗面所のガラスは大きく、クロスは汚れにくいものに変更。室内に洗濯物干し・冷暖房もつけ、室内干しも可能に(写真撮影/片山貴博)

【画像9】[After]洗面所のガラスは大きく、クロスは汚れにくいものに変更。室内に洗濯物干し・冷暖房もつけ、室内干しも可能に(写真撮影/片山貴博)

今は一般的に使われるようになった「神は細部に宿る」という言葉だが、もともとは建築デザインで使われていたもの。日々、胸に湧く小さな不満を漏らさずにすくいあげ、どうやったら改善できるのか考え実行する。Oさんのリフォームに、改めて、住まいは細部こそが大切なのだと教わったような気がした。
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/10/120274_main.jpg
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