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相続法制見直し

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 相続関係法規を定めている民法について、法務大臣の諮問機関の法制審議会の民法(相続関係)部会は、高齢化社会の進展によって、相続人である配偶者が高年齢化し、その生活保障の必要が相対的に高まり、子供の生活保障の必要性が相対的に低下していることを前提として、相続人である配偶者の生活への配慮という観点から、相続法制を見直す時期にきていることを理由に、平成29年中にも改正案を提出するように、その改正作業を進めています。

 改正試案はいくつかにわたるのですが、重要な点は、配偶者の相続分の見直し、相続人以外の者による被相続人に対する療養看護や財産形成の貢献を考慮するための方策、配偶者の居住権を保護するための方策です。
 このうち、配偶者の相続分の見直しについて見てみましょう。

 まず、配偶者の相続分について、現行法は、子供がいる場合には、配偶者が2分の1、子供が残り2分の1を均等割りすることとされています。これに対して、審議会の試案は、二つの案を出しています。
 一つは、夫婦間の合意及び20年又は30年の婚姻期間を要件として、配偶者の相続分を3分の2とするもので、他の一つは、20年又は30年の婚姻期間だけを要件として配偶者の相続分を3分の2とするものです。

 これは、20年又は30年という婚姻期間があることによって、相続人である配偶者が相続財産の形成に大きく貢献しているとの前提事実に立って、だから残された配偶者の相続分を上げようとするものです。

 ただ、パブリックコメントは反対意見が多数でした。確かに、婚姻期間が長期間であるという形式論では、婚姻期間は長いものの、ほとんど形骸化した夫婦であったという場合に対処できませんし、そのような事例も決して少なくありません。
 つまり、20年又は30年の経過だけで相続人である配偶者が相続財産の形成に貢献したという前提事実(立法を支える事実で立法事実ともいいます)が崩れてしまうのです。

 また、相続人である子供自体が相続人である配偶者よりも相続財産の形成に貢献しているという場合もあります。
 例えば、相続人である配偶者が専業主婦で、子供が被相続人の個人事業の手伝いをしていたということもよくあることです。

 もっとも、現行法も、相続人である子供よりも相続人である配偶者を優遇していて、2分の1の相続分を認めているのですが、それに合理性があるかといえば、特段の合理的根拠があるわけでもありませんので(半分くらいは配偶者にという程度ではないでしょうか)、難しい問題かと思われます。

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相続法制見直し

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