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発達障害との付き合いはずっとだから。無理せず長い目で見守ることの大切さ ~栗原類さん母、泉さんインタビュー(後編)~

f:id:akasuguedi:20161020004604j:plain 前編:周囲になんと言われても、理解されなくても、一番の理解者は私 ~栗原類さん母、泉さんインタビュー(前編)~

医師が発達障害の診断をしたがらなかった当時の日本

類が日本の保育園に通っていた3歳前後ころ、家族が入院したりで、一時的に類にあまりかまってあげられない時期がありました。すると、チックが出て、かかりつけの小児科医に相談したら、小児心療内科を紹介されました。

その先生から、

「子どもはそれぞれ個性があって、感受性の敏感な子とそうでもない子がいて、この子の場合は、敏感なタイプだから、環境の変化に反応してしまったのでしょう。それは決して悪いことではなく、世の中の天才タイプの人には、そういう人が多いのですよ。あなた(私のこと)もそういうタイプだけどね」

と、言われました。チックの対処については

「早寝早起きを心がけて、外遊びの時間を長くとってあげてください。そうすればチックはそのうち消えるから」と言われました。

きっと、その小児心療内科の先生の診立ては「親子ともに発達障害」だったのでしょう。しかし、当時の日本は、発達障害の診断をしたがらない時代でしたし、診断できたとしても「あなたの子ども(や、あなた)は発達障害です」とは、告げない時代でした。

自閉症は知的障害の部類でしたし、「落ち着きがない子」「空気がよめない子」は、「気になる子」という括りで、親のしつけが問題視されていたのです。

渡米し、発達障害の診断を受ける。変わったこと、よかったこと

類の子育てのターニングポイントは、アメリカに渡ったことでした。

類自身もとても楽しそうに学校に通っていましたし、発達障害の診断を受けたのもアメリカでした。

日本に発達障害を診断してくれる医師がほとんどいなかった時代に、アメリカでは教師が「気になる」と思った時点で、すぐに支援チームが作られて、診断から支援までを受けられるプロセスができていました。その様子に「へぇ、すごいな」と感心しました。

ただ、アメリカで発達障害の説明を受けてショックだったのは、「こういう障害だから、一生治りません」と言われた時でした。私は時間をかければ、いずれできるようになるものだと思っていたので、「え?できるようにならないかもしれないの?」と、戸惑いました。

「そのために早めに対応して、トレーニングをしていけば、できるようになることが増えていくから頑張りましょう」と言われました。

でも、行動療法を受けたところで半年や1年くらいでは、あまり変わることもなかったなという印象です。もちろん、5年前に比べると成長したなと思うことはたくさんありますが、即効性はなかったですね。

ただ、診断がついたことで、周囲から配慮されることはたくさんありました。

クラス内では「類は発達障害だから、こういう時は類を優先的にさせてあげましょう」とか「近くで大きな声をなるべく出さないようにしてね」と言ってもらえました。

クラスメイトとトラブルがあっても、先方の保護者から「発達障害だと聞いているから、大丈夫よ」と言われることもありました。

「人と違う」ことは隠すべき。そんな日本の風潮が余計に生きづらくしている

類が今回、自分が発達障害であることをカミングアウトしたことについて、「よくぞ言ってくれた」という声が多いようです。

それだけ、日本では、周囲に言えなくて苦しんでいる人が多いのでしょう。

事実は事実として受け止める、というアメリカの考え方に対し、日本は、親が離婚したことを隠し通す人がいるように、「人と違う」ことを人前でいうと、その人が傷つくという前提があります。

その前提こそが、人と違う人たちを生きづらくさせているのに、「そんなこと、言っちゃいけません」みたいな、要らぬ気遣いが横行する社会ができあがっています。

アメリカは、発達障害を公表した方が、みんなが配慮してくれるから得する社会。言うことにインセンティブがあります。でも、日本の場合は、インセンティブがなさすぎるから、言わない方がいいよね‥‥となっています

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