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S660は「ミッドシップスポーツカー」と「軽自動車」を両立させた車だ【S660編・東京スマート軽ライフ】

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自動車ライター、塩見智さんが軽自動車に約1ヵ月間乗り、東京での軽ライフをリポートする「東京スマート軽ライフ」。高級車が溢れる東京での軽ライフを赤裸々につづっていく。今回はS660編の最終回。

▲ツインリンクもてぎでの1枚。約1ヵ月のS660生活は走る楽しさを十分に感じられた

ATもMTも楽しめるミッドシップスポーツカー

ノーマルに3週間、モデューロチューンに1週間乗って、ホンダ S660にも相当慣れた。そしてすっかり気に入った。潔くラゲージスペースを諦めることで、全体を軽自動車規格に収めながら、どこにも破綻のない、美しいミッドシップオープン2シータースポーツのプロポーションを実現していることに感心する。

見た目だけでなく、専用シャシー、前後異径サイズのタイヤ、四輪独立懸架など、エンジン以外はほとんどの部分が専用設計でつくられているおかげで、ハンドリングのよさも軽自動車レベルを完全に超えている。高剛性ボディのおかげで乗り心地もよい。常識的に考えれば「ミッドシップスポーツカー」と「軽自動車」というのは、相反するジャンルで両立しないはずだが、S660は一切の実用性を削ぎ落とすことで両立させた。

本格設計でありながら、マニアックな車に陥っていないのが素晴らしい。まずAT(CVT)を用意したのは現代のスポーツカーとして正しいと思う。MTとATを乗り比べてみて分かった。MTで汗をかきつつワインディングロードを攻めるのは楽しいが、ATで同じルートを走らせても同じくらい楽しかった。ステアリングホイールにはパドルが付いていて、CVTに擬似的なステップを刻んで変速ができるようになっているのだが、それが意外に楽しかった。

なので、ATを選ぶことをためらわないでほしい。MT操作にイマイチ自信がないなら迷わずATを選ぶべし。楽しさは遜色ないと保証する。スポーツカーは苦しむものじゃなく楽しむものだ。もう少し踏み込んで話すと、ATでのマニュアル変速時、デュアルクラッチのようにもっとダイレクト感があったらなと思わないでもないが、そこまでは望みすぎというものだろう。しかもそのために30万円アップとなって、重量も増したら意味がなくなる。

▲後半はカスタマイズされたモデューロチューンに乗っていたが、ノーマルのS660も十分素晴らしかった

乗って初めて分かるカスタマイズの魅力

モデューロチューンのS660に乗って、これまで知らなかった、どちらかというと敬遠していたカスタマイズの素晴らしさを知ることができた。ノーマルになんの不満もなかったが、モデューロのサスペンションキットを装着したS660は、よりピュアなスポーツカーに進化していた。山道を飛ばした際のロールは確実に少ないくせに、普段の乗り心地は悪化していない。また、エアロパーツやステッカーも、やりすぎておらず、抑制がきいていて好感がもてた。

カスタマイズは車の購入後しばらくしてから楽しめる点が素晴らしい。購入と同時に装着するのも悪くないが、しばらくノーマルに乗ってみて、自分に必要な部分に手を入れてより自分好みに仕上げる行為は楽しいはずだ。カスタマイズに目覚め、他の車種でもやってみたくなり、ホンダアクセスさんに無理を言って、現在、N-ONEにモデューロパーツを装着し、自分好みに仕上げている。近日報告したい。

▲カスタマイズというと少し敬遠しがちだが、エアロパーツやステッカーなども含め、やりすぎていないところが良かった

ベーシックな小型車(登録車)よりも高価な200万円内外の価格で売られ、実用性も低いS660が、軽自動車だからとトヨタ パッソや日産 マーチなどの登録車よりも税制上優遇されていることには疑問を感じる。もう国民車構想の時代ではない。単純に価格に応じて課税すべきだ。ただしユーザーの立場に立てば、こんなに本格的なスポーツカーが軽自動車の税額で購入、維持できるんだから、S660を検討しているなら税制が見直される前に買うべきだろう。

【筆者プロフィール】

1972年、岡山県生まれ。自動車雑誌編集部を経て、フリーランスの自動車ライターへ。軽自動車好き。SUV好き。「カーセンサーnet」をはじめ、「GQ Japan」「GOETHE」「webCG」「carview!」「ゴルフダイジェストオンライン」などにて執筆中。

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photo/篠原晃一、塩見智

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