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19~22歳の特定扶養控除の廃止で生じる税の不平等感をどう解消するのか?

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特定扶養控除とは?

所得税の税額計算において、扶養家族がいる場合に適用される所得控除のことであり、一般の控除対象扶養親族の場合には38万円、年齢が19歳から23歳未満の扶養親族の場合には、「特定扶養親族」として控除額が63万円に設定されています。
これは、大学生は学費等にお金がかかるため、それを軽減するために控除額の枠が25万円アップされているということです。
一般的なサラリーマン家庭で、夫の収入に対する税率が20%であったとすると、年間で5万円所得税が軽減される効果があります。

政府の奨学金改革の動き

財務省は、返す必要がない新たな「給付型奨学金」の導入に向けて「特定扶養控除」を縮小する検討に入ったと報じされています。
国による給付型奨学金の創設は、安倍内閣が8月に閣議決定した経済対策に盛り込まれており、文部科学省は、生活保護・住民税非課税世帯など年収が低い世帯の学生を対象に、2018年度の入学生から利用できるよう、支給要件や給付額を詰めているとのことです。

特定控除廃止による実質増税の不公平感の解消方法は?

給付型奨学金の対象となる家庭が、生活保護・住民税非課税世帯に限定されてしまっている現在の政府案は、生活保護・住民税非課税世帯以外の家庭においては、増税になるだけで何もメリットがありません。
非課税世帯以外の低所得~中所得家庭に対しても何らかの救済策を導入しなければ、不公平感から税制改正がスムーズに進まない可能性がありそうです。
その具体的な解決方法としては以下の二つがあると思われます。

<税額控除方式>
貸付型奨学金の実際の返済額に対して、一定の率を乗じてその額を本人又は連帯保証人の所得税の算定において税額控除するものです。
もし1か月2万円の返済をすれば年間で24万円となりますので、例えばその10%、2万4千円を税額控除として所得税から差し引くものです。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)では、借入残高の1%を税額控除する仕組みになっていますが、残高が多い方が税額控除をたくさん受けられるというのは、不合理であり返済の延滞につながるリスクがあるそうです。
そのため奨学金の場合には避けた方が良いように思います。

<所得控除方式>
貸付型奨学金の返済額をそのまま又は一定の条件を付けて、所得税の算定において所得控除するものです。
上記同様に24万円の返済をした場合、例えばそのまま24万円又は一定の調整を行った金額を、所得税計算において控除するというものです。
これはちょうど冒頭の一般の控除対象扶養親族の控除額38万円と「特定扶養親族」のとして控除額63万円の差額の25万円に近い水準になりますので、不公平感を払拭する効果があります。
また、返済をすれば所得税が軽減されるために、返済の延滞を減少させる効果もありそうです。

スムーズな導入を進めるためには、政府は常に税の公正を保持しながら、改革を進める必要があると思います。
迅速に合理的な施策を打ち出していただくことを期待します。

(田村 敏明/ThinkBuzanマインドマップ公認インストラクター)

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