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ROLLY、「ROCK THEATER」ツアーファイナル開催「トラブル続きでビックリしました」

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10月18日、最新アルバム「ROLLY’S ROCK THEATER〜70年代の日本のロックがROLLYに与えた偉大なる影響とその光と影〜」リリース・ツアー最終日。渋谷クラブクアトロにはROLLYと偉大な先達がまき散らしてきたロックの「毒」にやられた善男善女が詰めかけた。

年齢層のせいもあって落ち着いてはいるが、熱気は尋常ではない。あまり経験のない空気でフロアは満たされていた。19:38ごろ、出囃子の「黒船(嘉永六年六月四日)」が流れるステージにROLLYとバンドが登場。メンバーは永井ルイ(ベース)と松本淳(ドラム)の「ROLLY’S ROCK THEATER」レコーディング・メンバーに三国義貴(キーボード)を加えた腕っこきの4人である。

永井と松本は1996年に「Rolly’s Rockrolly」を発表したTHE ROCKROLLYのメンバーでもあり、20周年の意味合いもあるのか、ステージには「Rolly’s Rockrolly」の電飾も置かれていた。ROLLYはピチピチのツアーTにピチピチのジーンズがよく似合う奇跡の53歳。まずはウォッカ・コリンズの「オートマティック・パイロット」、続いて外道の「香り」をブチかまして、ショーはごきげんにスタートを切った。

「本日はお足元の悪いなか(注:快晴でした)、「ROLLY’S ROCK THEATER」発表ライブにご来場いただきまして、まことに、ァまことに、ァまことにありがとう、ァございます!(リヴァーブ全開)」と往年の歌謡番組のMCのようなご挨拶。ライヴ・レコーディングをしていることを告げ、「素材として使う」とエンディング→歓声のルーティンを繰り返すと、ROLLYが「27年東京に住んでるけど初めて体験した!」と言うほどの麗しくロックな大歓声がフロアからわき起こった。

原田真二の原曲よりもハード・ロック色を強めた「てぃーんず ぶるーす」、高槻市民会館で見たBOWWOWのコンサートの思い出を綴ったオリジナル曲「1978」と、いちいち逸話をたっぷり盛り込み、おまけに脱線もするMCは「これをやっていると電車に間にあわない人が出てくる」と彼自身も言う通りだが(注:4曲終了の時点で約1時間経過)、観客はこれを聴くのも楽しみのひとつだろう。BOWWOWに憧れた自分が山本恭司と共演し、すかんちを見て育った田渕ひさ子やマキシマムザ亮君がプロになって活躍し…というのはいい話だった。

「銀の指環」(チューリップ)のエンディングは歓声が熱烈すぎてやり直し(笑)。2度目、観客が「チューリップのこの曲ならこんな感じかな」と想像力を駆使してリアクションしてくれたことに感銘を受けたROLLYは「リクエストにお答えしまして」と再び「銀の指環」を演奏した。「いとこの結婚式」(頭脳警察)の前後には、三国が弾く「結婚行進曲」をバックにROLLYが語るのは「寺西一雄と寺西一雄の、人類史上始まって以来の奇妙な結婚式」の物語。四人囃子の「ハレソラ」の前には、ROLLYが「日本のロックの生き字引」と言う三国がドラマー・岡井大二の家に泊まったこと、ギタリスト・佐藤ミツルの家に滞在して皿洗いをした経験を明かした。

ライヴ後半戦のスタートを告げるのは、待ってましたのTHE ROCKROLLYコーナー。故・小川文明(キーボード)の思い出話を交えながら「虹をつかんだお話」「メイクマジック・ルージュマジック」「ファニーフェイス」を立て続けに披露し、クラブクアトロはひときわファンタジックな空気に包まれた。

再びステージは「ROLLY’S ROCK THEATER」の世界に戻っていく。あさま山荘事件、日中国交正常化、沖縄返還といった1972年の出来事を紹介し、吉田拓郎が書きモップスが歌った「たどりついたらいつも雨ふり」。その2年後にサディスティック・ミカ・バンドがヒットさせた「タイムマシンにおねがい」では演奏中に弦が切れてギターを交換するハプニングがあった。慌てるあまり落としたピックを返してくれた観客にROLLYはまたも感動し、「あなたに捧げます」と「雨あがりの夜空に」(RCサクセション)へ。

いよいよショーはクライマックスだ。ツイストの「燃えろいい女」をプレイし、ピックを返してくれた観客にあらためて献呈するという粋な演出(このアドリブ上手もROLLYの魅力である)で、ライヴ本編は幕を閉じた。

アンコールの拍手に応えて4人が再登場。「こんなにたくさん来てくれるとは思わなかったからうれしくなってしまって、長くやってしまいました」というROLLYらしいMCに続き「黒船(嘉永六年六月四日)」(ミカ・バンド)をあらためて披露する。なんと再び弦が切れてしまうが、バンドは慌てず騒がず、演奏を続けながらギター交換を待つ。

このジャム的な演奏も素晴らしかった。「最後は一緒に歌ってください」と、すかんちの名曲「恋のマジックポーション」。全編を通してグラム・ロック/エレクトリック・ブギーへの愛情にあふれ、最後の最後までROLLYらしさ充満の2時間半だった。

終演後に感想を訊ねると、「トラブル続きでビックリしました」とROLLYは笑った。「弦が切れることなんて普段ほとんどないから、まったく想定していなかったのに、まさか2回も切れるとは……小川文明さんの話をすると何かトラブルが起きるんですよ(笑)。それを実際に目撃していただいた感じですね。しょんぼりしてたらみなさんが待っててくれて、バンドのありがたみを知った日でした」という言葉にウソはないだろう。

この様子はライヴ・アルバムではどんな扱いになるのか、早くもリリースが待ち遠しい。優しくて繊細で孤独で、だからこそ誰よりもロックの「毒」を体現するROLLYのロック・ヒーローぶりに、この夜クラブクアトロに集まった観客はきっと大満足だったはずだ。

Text by 高岡洋詞(編集者/ライター)
Photo by hiroshi tsuchida

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